今回の記事は前回に続き更に「ECサイト構築の秘訣」を掘り下げてお聞きしました。
EC事業を行う上で大切なことはなんでしょうか?
少し偉そうな言い方になりますが、売上を上げているクライアントさまは、当たり前と思われる事を徹底的にやっているな、と思いますね。
当社で支援をさせていただく際の基本的な考え方としては、
(1)当たり前と思われる事をやっているか
(2)いち消費者としてサイトを使ってみてどう思うか
(3)いろいろな人の意見を聞いてみる
といった事が重要だと考えています。しかし、運営者の多くは日常の業務をこなしている中で、どうしても手が回らない、目が届かない、考えが及ばない、というような状況に陥ってしまっていると思います。
それを打開すべく、セミナーや展示会に参加して情報収集して色々とチャレンジしようと思うわけですが、実際に実行するのはとても大変です。
しかも、最新情報に敏感に反応してしまって、やるべき事よりもやってみたい事を優先してしまったり、その結果に一喜一憂してしまったり、そんな事を繰り返して足踏みされている企業は多いと思います。
そこで大切なのは当たり前と思われる事、つまり現状分析から施策を考えて実行し、それを評価していく事が重要です。
もう少し具体的に教えていただけますでしょうか?
例えばひとくちにCRMといっても、施策には色々な選択肢がありますが、クライアントさまに「CRMの取り組みは何をしていますか?」と尋ねてみると「フォローメールを送ったりしている」という返答を頂く場合があります。「誰に?どういった内容を?どういった場合に成果につながりますか?」と掘り下げていくと、返答に行き詰ってしまったり、逆に他社では何をやっていますか?という質問をいただいたり・・・。
こういう場合、たいていは現状分析が十分にされていなくて、思いつきや場当たり的な施策実行をしてしまっていることが多いように思います。
その事業がどういったお客さまに支えられているのか、そのお客さまにはどういうきっかけでサイトを知ってもらい購入いただけたのか、どれだけ貢献してもらっているのか、こういった視点で掘り下げた分析をされている企業は残念ながら多くありません。これはクライアントさまの声ですが、「セミナーで勉強したり、コンサルタントにアドバイスをもらってやろうとしている。頭では分かってはいるけど、いざやろうとすると簡単にできるような話じゃないんですよね」とおっしゃる方もいます。
これら課題を解決する方法のひとつに、運営体制の強化が挙げられます。可能であれば、分析から実行まで支援できるビジネスパートナーを見つけられると良いですね。体制強化にかかるコストを考えると、予算を割くのは厳しいかもしれませんが、売上/収益のアップと事業の加速、さらに自社ノウハウ蓄積を目的として、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
こういった取り組みを推進していくと、お客さま目線に立った気づきがあったり、それに対して競合がどんな事をやっているか気になったりと、視点や発想がどんどん広がっていくと思います。
今後注目されている領域はありますか?
これは我々が勝手に名付けてそう呼んでいるのですが、今後は「EC事業のリノベーション」が注目を集めると考えています。
現在、多くの企業から、今のサイトになってから大して時間は経過していないのに「リニューアルしたい」「システムをリプレイスしたい」というご相談をいただいており、その判断に至った状況や求める要望に疑問を感じることがあります。
実際に、リニューアルをしようとすると、データ移行やオープン準備などかなりの労力と費用を使うわけです。しかしながら、それだけ投資したのに、データ整備が不十分だったり、機能を充分に活かしきれなかったり。リプレイス後、少し時間が経った頃にそういったお話が反省点として挙がってくることが多いのです。
まずは、現在の環境や仕組みで何ができているのか、それを評価した上で、本当に今のタイミングでリニューアル・リプレイスすべきなのか、改めて検討すべきなのでは?と思います。
そして事業運営の中で、やるべき事・やっておくべき事、を明確にして、その取り組みを一定期間内に何巡かさせて評価するべきだと思います。今の仕組みで可能な限り運営レベルを引き上げる、その上で、最短距離で次の運営レベルに到達する、そういう取り組みを「EC事業のリノベーション」として位置付け、我々はサポートしていきたいと考えています。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。