毎日大量のメールが届き、チェックに追われているという方も多いのではないでしょうか?メールが届くたびにチェックするのは仕事の集中力を妨げ、業務効率が下がります。メールチェックを効率化する対策を考えなければなりません。
本記事では、メールチェックを効率化する対策と効率化に役立つ機能を紹介します。
メールチェックにはどのくらいの時間がかかる?
ビジネスではメールチェックをする時間が多く、少なからず業務に影響を与えています。民間会社が2019年に行った調査によると、仕事関連メールにおける平均チェック時間は77分という結果でした。
仕事では、毎日1時間以上もメールチェックに割いているということになります。メールチェックをするたびに仕事が止まり、業務効率を下げる原因にもなるでしょう。
生産性を高めるには、メールチェックを効率化する対策が求められます。
メールチェックを効率化する8つの対策
メールチェックを効率化するためには、まず、現状でどの程度の時間をかけているかの確認が必要です。そのうえで、あらかじめメールをチェックする時間を決めるなどの対策を考えましょう。
ここでは、メールチェックを効率化する8つの対策を紹介します。
1.メールチェックにかかる時間を確認する
メールチャックを効率化するにあたり、毎日メールの確認と返信にどのくらいの時間を使っているのかを知る必要があります。スマホのタイマーを使い、メールのチェック開始から返信完了までの時間を測ってみましょう。
1日に数回に分けてチェックしているのであれば、その都度時間を測って合計します。1週間計測して平均時間を出し、それ以下の時間にすることを目標にしましょう。
2.メールをチェックする時間を決める
メールが来るたびにメールチェックと返信をしていると、その都度作業を止めることになり、集中力を削がれて非効率的です。1日の中でメールをチェックする時間を決めて、その時間にまとめてチェックするにしましょう。
チェックの時間を決めておけば、それ以外の時間は仕事に集中できます。
チェックを行う頻度は業務に応じて決めますが、出社前と退社前は必ず行ってください。特に、その日に届いたメールを当日中に処理することが大切です。
メールチェックの際に優先度をつけることも、効率化につながります。メール一覧から受信した時間と件名、差出人を確認し、優先度の高いものから開いて処理しつつ、緊急性のないものはあとに回すという対応も必要になるでしょう。
3.メールの通知設定はオフにする
メールチェックの時間を決める場合、メールの通知設定をオフにすることも重要です。パソコンやスマホにはメールの受信時にポップアップやバイブレーションで通知する機能がありますが、通知が設定されているとその度に手が止まり、メールが気になって仕事の妨げになります。通知設定はオフにして、決めた時間にまとめて対応するようにしてください。
できる限り早くメール対応しなければならない取引先やお客様がいる場合は、個別の通知設定をしておくとよいでしょう。
4.不要なメールをブロックする
大量のメールを処理していくには、不要なメールを削除していくことが必要です。また、社内広報など重要度の低いメールも、目を通したら削除していきましょう。
自社や業務に関連のない不要な広告や営業メールをその都度削除していくのは手間がかかります。受信したらブロックして、以後は受信しないようにしておきましょう。
メールが多いと重要なメールが埋もれてしまい、見逃してしまう可能性もあります。そのリスクを避けるためにも、受信拒否の処理が大切です。
5.読んだメールをフォルダ分けする
効率化には、メールのフォルダ分けも有効です。メールをチェックする際、どのメールから確認するか判断しやすくなります。
フォルダ分けの一例として、次のような分け方があります。
- 差出人ごと
- 対応状況ごと
- 締め切り期日ごと
差出人ごとのフォルダでは、メールサーバーの「自動振り分け機能」を使って差出人のアドレスやドメインを登録することで、自動の振り分けができます。
対応状況の振り分けは、対応が完了したメールを「対応済」のフォルダに、対応中のメールは「保留」に、対応不要のメールは「対応不要」フォルダへ手動で移動させる方法です。
受信トレイには「未対応」のメールのみが残り、受信トレイが空になれば漏れなくすべて対応が完了したことがわかります。
締め切り期日ごとの振り分けは、「当日」「今週中」「今月中」といったフォルダに手動で分けることで、業務の優先順位がわかりやすくなります。
6.読んだメールはすぐに返信する
読んだメールはすぐに返信することも大切です。1度目を通して返信を後回しにすると、返信のためにもう一度同じメールに目を通すことになり、余計な時間がかかります。読んでからすぐに返信すれば、1度読むだけで処理は完了します。
すぐには回答できないメールであれば、「確認に時間がかかるため、あとから返信します」という内容のメールを送っておきましょう。返信することでメールを確認したことを相手に伝えられ、トラブルの防止につながります。
7.よく使う文章はテンプレートにする
メールチェックでは、メールを確認するだけでなく返信にも時間が割かれます。すべてを手入力するのは、さらに時間がかかるでしょう。よく使う文章・表現はテンプレートや辞書登録を利用して、簡単に入力できるようにしておくと便利です。
特にビジネスメールの場合、前後の挨拶や差出人の情報などは、さまざまな場面で共通して使えます。本文のみ入力すれば済むようなテンプレートを作成しておくとよいでしょう。
8.ツールを活用する
メール以外のツールを活用するのもおすすめです。ビジネスチャットを利用すれば、短いメッセージで要件のみをやり取りできるのもメリットです。スマホでも内容を確認できるため、移動中でも手軽にコミュニケーションできます。
話の内容が複雑で文章が長くなる場合には、電話で直接やり取りした方がスムーズな対応ができるでしょう。
メール共有管理システムを活用するという方法もあります。チーム全員のメールの対応状況を見える化できるシステムを利用すれば、対応漏れや二重返信の防止が可能です。
メールの対応状況を見える化できるメール共有管理システム
メールチェックの効率化におすすめなのが、メール共有管理システムの「メールディーラー」です。チーム全員のメールの対応状況が見える化され、担当者を割り当てられるため、対応しているかを確認する手間がなくなります。自分が対応すべきメールがすぐわかり、メールチェックを効率化できるのがメリットです。
また、よく使うテンプレートを全員で共有できるメールテンプレート機能があり、対応者ごとにメール対応のレベルが違うという問題を防ぎます。
「メールの見落としによる返信漏れを防ぎたい」「メール対応のスキルが従業員ごとに異なる」といった悩みを解決したい方におすすめです。
メールチェックの効率化に役立つ機能
OutlookやGmailなどメールサーバーには、メールチェックの効率化に役立つ機能が搭載されています。
それぞれに搭載されている便利な機能をみていきましょう。
条件に合わせて仕分ける
Outlookには、メールの仕分け機能があります。あらかじめ条件を設定し、条件に合わせて受信したメールを自動で仕分ける機能です。受信時にメールの仕分けが行われるため、受信トレイにメールが溜まるのを防止し、重要なメールを見落とす心配がありません。
メールの自動仕分け方法について、みてみましょう。
Outlookの初期状態ですべてのメールは「受信トレイ」に入るため、まずは新しくフォルダを作成します。
- 「受信トレイ」の文字の上で右クリックし、「フォルダの作成」を選択する
- フォルダが作成されるため、任意のフォルダ名をつけてenterを押す
これで、新しいフォルダができあがります。次に、設定した条件のメールがそれぞれのフォルダに仕分けられるために、ルールを設定します。
- 上部のタブから「ホーム」を選択し、「ルール」→「仕分けルールの作成」をクリックする
- 「仕分けルールの作成」をクリックする
- ステップ1で振り分ける条件を設定する
- チェックを入れた条件は、ステップ2に入る
- ステップ2に入った条件の「アドレス」や「特定の文字」が青字になる
- [特定の文字]をクリックし、「本文に含まれる文字」に振り分けするキーワードを入れ、「追加」をクリックする
- 項目の一番目にある「指定フォルダへ移動する」をチェックする
- 「ステップ2」に追加された「指定フォルダへ移動する」の「指定」をクリックする
- メールを仕分けるフォルダの選択画面が表示されるため、フォルダを選択し「OK」をクリックする
以上で仕分けルールの設定は完了です。メールを受信し、正常に振り分けられているか確認してください。
受信トレイを自動的に整理する
Outlookでは、受信トレイを自動的に整理できる機能もあります。不要なメールを削除するのではなく、受信トレイから「アーカイブ」フォルダに移動させ、受信トレイでは非表示にできる機能です。
設定方法は、以下のとおりです。
- 「ファイル」タブ→「オプション」をクリックする
- 「古いアイテムの整理」で、「自動整理の設定」をクリックする
- 「日ごとに 自動アーカイブを実行」ボックスをクリックする
- 「自動アーカイブ」を実行する頻度を指定する
設定により受信トレイを自動的に整理でき、整理の手間を省きます。アーカイブしたメールは、いつでも受信トレイや他のフォルダに移動できます。
自動的に振り分ける
Gmailでは、自動振り分けできる機能があります。条件を設定し、該当するメールを自動的に振り分ける機能です。Gmailには「フォルダ」という機能はなく、代わりに「ラベル」という機能を使ってメールを振り分けます。
メールに特定の「ラベル」を付け、メールの保存先を分類する機能です。例えば、「対応済」「未対応」など独自のラベルを設定したり、1つのメールに複数のラベルをつけたりすることができます。フィルタ機能と組み合わせ、ラベルごとにメールを自動で振り分けできるという仕組みです。
設定を順にみていきましょう。
まず振り分けるラベルを作成します。
- サイドバーの「ラベル」の右側にある「+」アイコンをクリックする
- ラベルの名前を入力し「作成」をクリックする
次に、メールに自動振り分けを設定します。
- 振り分けたいメールの件名にチェックする
- 上部にある「その他」をクリックする
- 「メールの自動振り分け設定」を選択する
- 振り分けるメールアドレスが記載されていることを確認する
- 「フィルタを作成」を選択する
- 現れた選択肢の中から、「ラベルを付ける」を選択する
- 「ラベルを選択」の中から、ステップ1で作成したラベルを選択する
条件は、「件名に含まれるキーワード(部分一致)」や、「文中に含まれるキーワード」「対象にならないキーワード」など、細かい指定ができます。
メールチェックの注意点
メールチェックの際には、メールの内容を何度も確認したり、すべて手入力したりするのは避けましょう。
ここでは、メールチェックの注意点を解説します。
メールの内容を何度も確認しない
メールの内容を何度も確認することは、業務の効率を下げてしまいます。例えば、最初の確認が不十分なまま返信内容を考えていると、あとから見直してニュアンスが異なっていたということもあり得ます。再度確認して返信内容を考え直さなければならず、二度手間になるでしょう。
メールは読んだタイミングでしっかり内容を把握し、返信まで対応することが必要です。
文章をすべて手入力しない
よく使う文章は、テンプレートにすることを前にお伝えしました。文章をすべて手入力するのは時間がかかるだけでなく、相手の会社名や名前を間違えたり、誤字脱字をしたりするリスクを伴います。そのたびにチェックするのも非効率的です。
テンプレートや辞書登録で対応するほか、重要なメールは従業員間でメールの内容を確認する体制を作ることも必要です。
メールチェックの効率化を考えよう
仕事中に届くメールチェックには多くの時間がかかり、効率化を考えないと業務の生産性が下がります。メールチェックを効率化するには、チェックする時間を決める・フォルダ分けするなどいくつかの対策があります。読んだメールはすぐに返信したり、よく使う文章はテンプレートにしたりすることも必要です。
ビジネスチャットや電話など、メール以外のツールも活用するのもよいでしょう。メール共有管理システムの「メールディーラー」であれば、メールの対応漏れや二重返信も防止できます。
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