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カスタマーサクセスにおいてリテンションが重要な理由とは?高める方法を解説

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顧客満足度を高めるカスタマーサクセスでは、商品・サービスを継続利用してもらう「リテンション」の施策が欠かせません。リテンション施策は新規顧客の獲得よりもコストがかからず、アップセル・クロスセルにつながりやすいといったメリットがあります。

本記事では、カスタマーサクセスにおいてリテンションが重要な理由や高める方法などを解説します。

この記事の目次

    リテンションとは?

    リテンション(retention)とは、直訳すると「維持」「保持」という意味です。カスタマーサクセスの領域においては、お客様との関係性を維持して商品・サービスを継続的に利用してもらうための施策を指します。

    リテンション戦略の内容には、お客様が自社製品・サービスの利用によって満足感を得ることや、効果的なコミュニケーションを行うこと、特典の提供などがあげられます。さまざまな施策により、お客様と長期的に良好な関係を継続でき、売上を高めることが可能です。

    リテンション率の計算方法

    カスタマーサクセスでは、リテンション率の把握が大切です。リテンション率とは、一定期間内に継続利用するお客様の割合を示す指標です。カスタマーサクセスでは、お客様との継続的な関係性を維持するための指標として使われています。

    リテンション率は、次の計算式で求めます。

    • 継続顧客数÷新規顧客数×100(%)

    たとえば、当月に獲得した新規顧客が100人で、翌月も継続した顧客が80人の場合、「80÷100×100=80」という計算になり、リテンション率は80%になります。

    リテンション率が高いほどお客様を維持できていることがわかり、サービスに対する顧客満足度が高いといえるでしょう。

    カスタマーサクセスでリテンションが重要な理由

    カスタマーサクセスにおいてリテンション施策を行うことにより、サービスの継続利用やコスト削減などの効果が期待できます。

    ここでは、カスタマーサクセスでリテンションが重要な理由を解説します。

    サービスを継続的に利用してもらえる

    リテンション施策により良好な顧客体験や顧客サポートを提供することで、お客様は満足度を高め、自社のサービスを継続する可能性が高まります。競合他社に流れることを阻止できるでしょう。

    長期的に既存顧客との良好な関係を保つことは、質の高いUGCの醸成につながります。UGCとはUser Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略で、個人が投稿するブログや掲示板への書き込み、SNS投稿など、消費者であるユーザーから発信されるコンテンツです。

    近年は企業側が発信した広告よりも、実際に利用した消費者から発信されたコンテンツに興味を示す傾向にあります。

    サービスに満足したお客様は、周りにも自身の経験を共有するようになり、広告の役割を担います。高い顧客満足度から生まれたUGCは信頼されやすく、新規顧客の獲得につながりやすいでしょう。

    新規顧客の獲得よりもコストがかからない

    既存顧客に継続利用してもらうことは、新規顧客の獲得よりもコストがかからない点も重要です。新規顧客を獲得する場合、自社のサービスを知ってもらうため、コストをかけて新しい広告やキャンペーンを展開していかなければなりません。

    しかし、既存顧客はすでに自社のサービスに関心を持って利用しているため、そのようなコストや手間をかける必要がなくなります。

    長期的な継続利用が見込まれることで、収益の安定化も図れるでしょう。月額料金が3,000円のサービスに加入して1年で解約したお客様からの収益は3万6,000円ですが、5年継続してもらえば18万円の収益となります。長く利用してもらえるほど、コストをかけず安定した収益を得られます。

    アップセル・クロスセルにつながりやすい

    既存顧客の維持により、アップセル・クロスセルにつながりやすいこともリテンションが重視される理由です。

    アップセルとは、現在契約しているサービスの上位プランを提案し、顧客単価を上げる施策です。クロスセルとは、関連性のある別のサービスやオプションを提案することを指します。

    アップセルやクロスセルの戦略を成功させるためには、提案するお客様の満足度が高くなければなりません。顧客満足度が高いことで、より高額なプランの提供に興味を持ってもらえるためです。

    リテンション率が下がる原因

    提供しているサービスのリテンション率が下がる場合、なんらかの原因があります。リテンション率を高めて顧客満足度を向上させるためには、リテンション率が低下する原因を把握しなければなりません。

    ここでは、リテンション率が下がる主な原因を解説します。

    商品・サービスに対する顧客満足度が低い

    リテンション率が下がるのは、お客様が商品・サービスに満足していないことが原因です。期待している価値を見いだせないと、お客様は不満を感じます。

    「操作性が悪い」「求める機能がない」「うまく使いこなせない「カスタマセンターの対応が良くない」など、お客様が不満を感じ、満足度が下がる理由はさまざまです。

    提供している商品・サービスの価値がお客様の期待にマッチしていないと、満足度が下がります。その結果、リテンション率も低下するでしょう。

    十分なフォローができていない

    商品・サービスには問題なくても、お客様へのフォローが十分でないとリテンション率が下がる原因になります。

    初めて利用するお客様に必要なフォローを行わず、「うまく使いこなせない」「便利な機能があるのに把握できていない」といった状態では、解約してしまう可能性が高いでしょう。

    アプローチ不足も、リテンション率を下げる原因です。適切なアプローチがなければお客様は商品・サービスの良いところや便利な面を理解できず、本当の価値を認識できないために継続しないという結果になってしまうでしょう。

    カスタマーサクセスでリテンションを高める方法

    カスタマーサクセスでリテンション率を上げるためには、いくつかの方法があります。自社の状況に合わせ、適切な方法を試してみましょう。リテンション率を高める方法を解説します。

    商品やサービスの品質を高める

    リテンション率を高めるためには、商品・サービスの品質向上が欠かせません。どれだけお客様へのサポート体制が十分でも、肝心の商品・サービスにお客様が価値を見出せなければ、継続利用してもらうことは難しいでしょう。

    リテンション率が下がる場合は、まず商品・サービスの品質に問題がないか確認し、改善の施策が必要です。アンケートやヒアリングなどでお客様からの声を集め、改善すべき点を特定して品質向上に努めましょう。

    オンボーディングを徹底する

    カスタマーサクセスのリテンションを高めるためには、オンボーディングの成功が重要です。オンボーディングとは、商品・サービスを利用し始めたお客様に対し、使い方に慣れてもらうための初期支援を指します。

    適切なオンボーディングにより、初期段階における顧客満足度を向上させ、継続して利用してもらうことを目的に行います。

    オンボーディングでは、商品・サービスの使い方をわかりやすく説明するだけでなく、その背景にある価値やメリットも伝えることが大切です。これにより、より継続利用を促すことができるでしょう。

    お客様とのタッチポイントを適切に調整する

    リテンション率を下げないためには、お客様との接触機会やタッチポイントの調整も大切です。接触機会が少ないと、お客様は商品・サービスに対する疑問を解消できず、リテンション率を下げることになるでしょう。

    接触機会を増やすことでお客様からの声も収集でき、サービスの改善につながります。

    ただし、接触機会が多すぎるとお客様に負担を与えることになるため、適切な調整が必要です。

    WebサイトやSNSなど、適切な頻度のタッチポイントを設け、上手にリテンション施策を行いましょう。

    お客様の状況に合わせてアプローチを使い分ける

    お客様へのアプローチは、状況に合わせて使い分けることも大切です。アプローチの手法には、次のような3つのモデルがあります。

    • ハイタッチ
    • ロータッチ
    • テックタッチ

    ハイタッチは、個別のお客様に充実したサポートを行うアプローチです。勉強会や定例ミーティング、対面もしくはオンラインシステムを使った1対1の説明など、 手厚いサポートを行います。

    ロータッチとは、一度に複数のお客様をサポートするアプローチです。セミナーや勉強会、トレーニングプログラムなどを開催してサポートします。

    テックタッチは、テクノロジーにより多数のお客様をサポートするアプローチです。WebサイトのコンテンツやFAQ、チャットボット、メールマガジなどがあげられます。24時間いつでも安定したサポートが可能です。

    3つのタッチモデルは、主に対象となるお客様の人数によって使い分けます。高額の契約で人数が少ないお客様はハイタッチ、定額の契約で人数が多いお客様にはテックタッチ、その中間がロータッチとなるのが一般的です。

    ユーザーコミュニティを用意する

    ユーザーコミュニティを作ることも、リテンション率を高める施策として有効です。オンライン上にプラットフォームを作り、お客様同士が質問を投稿したり回答したりできる場所を提供します。

    お客様同士が交流できる場を設けることは、顧客ロイヤリティ(企業やサービスに対する信頼や愛着心)の向上にも役立つでしょう。顧客ロイヤリティを高めたお客様は、より継続的なサービスの利用が期待できます。

    ユーザーコミュニティはお客様からのリアルな意見も収集できるため、サービスの改善にもつながります。コミュニティで疑問を解消できれば、カスタマーサポートの負担を軽減できる点もメリットです。

    ユーザーコミュニティに専門家や自社の担当者も参加するようにすると、お客様の質問に適切な回答ができ、満足度がより高まるでしょう。

    解約リスクを特定する

    カスタマーサクセスのリテンションで最も避けたいのは解約です。解約を避けるためには、解約リスクの高いお客様を特定し、対策を行わなければなりません。

    解約リスクの特定には、ヘルススコアの管理が必要です。ヘルススコアとは、お客様が提供されているサービスの利用を継続する可能性があるかを測る指標です。サービスやサポートの利用状況を分析することで、お客様がどれだけ積極的にサービスを利用しているか、サービスに対してどの程度満足しているかが可視化されます。

    ヘルススコアの分析により早期に変化を把握し、解約リスクの高いお客様の特定が可能です。個別にヒアリングを行うなどの対策を行うことで、解約の防止ができるでしょう。

    カスタマーサクセスでリテンション率を高めるときの注意点

    カスタマーサクセスでリテンション率を高める施策を実施する際は、いくつか注意したい点があります。ここでは、リテンション率を高める際の注意点をみていきましょう。

    アプローチはハイタッチから始める

    お客様の人数にもよりますが、リテンション施策では、ハイタッチのアプローチから始めることをおすすめします。1対1のサポートを提供するハイタッチは、初期段階でお客様との信頼関係を築くために効果的です。

    ハイタッチのアプローチでは、個々のお客様ごとに適したアドバイスや解決策を提供することができます。的確なサポートを受けたお客様は、商品・サービスの価値を最大限に享受できます。その結果、信頼感や愛着心を深め、顧客ロイヤリティが高まるでしょう。

    PDCAサイクルを回して改善に努める

    カスタマーサクセスのリテンション施策は、PDCAサイクルを回しながら継続的にお客様からのフィードバック収集と改善を行うことが大切です。

    定期的な調査や口コミのチェック、ヒアリングを通してフィードバックを収集し、成果を評価しつつ、改善すべき点を分析します。

    市場や消費者ニーズの変化は早く、PDCAサイクルを回して継続的な改善に努めることで、目まぐるしい変化にも柔軟に対応できるでしょう。

    リテンション率を高めるために役立つメール共有システム

    カスタマーサクセスのリテンション向上には、メール共有管理システムが役立ちます。メール共有管理システムは1つのメールアドレスをチームメンバーで共有し、お客様からの問い合わせを一元管理するシステムです。

    メール共有管理システムの「メールディーラー(Mail Dealer)」であれば、現在使っているメールアドレスやメールサーバーを変更することなく、チームでの共有管理ができます。

    チーム全員のメールの対応状況を見える化し、重複対応や対応漏れを防止して顧客満足度を高めます。

    また、テンプレートを全員で共有できる機能や、よくある質問やマニュアルを共有できるQ&A機能があり、対応者によってメール対応のレベルが異なるという問題が起きません。

    カスタマーサクセスでリテンション施策を検討している方は、ぜひご活用ください。

    カスタマーサクセスにおけるリテンション率を高めよう

    商品・サービスの継続利用を促すためには、カスタマーサクセスの取り組みが重要です。リテンション率の向上は、カスタマーサクセスの成功を測る指標になります。リテンションを高める方法を実施して、顧客満足度を高めましょう。

    メールディーラーは、メール対応で顧客満足度を高めるシステムです。対応状況を可視化し、対応漏れなどのトラブルを防止します。リテンション率向上を目指している方は、ぜひ導入をご検討ください。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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