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カスタマーサポートの問題はAIで解決可能?メリットや注意点を解説

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カスタマーサポートとは、顧客のさまざまな問い合わせに対応する部門で「コールセンター」や「お客さま相談窓口」などと呼ばれる場合もあります。顧客と企業をつなぐ重要な役割を担う部門です。

しかし近年、深刻な人手不足や顧客ニーズの多様化、マルチチャネル化に伴い、現場スタッフの負担が増大しています。早急な業務の見直しや効率化が求められる中、注目されているのがAIの活用です。

この記事では、カスタマーサポート業界が抱える問題点からAI活用のメリットやデメリット・注意点、AI導入のポイントなどについて詳しく解説します。

この記事の目次

    カスタマーサポートが抱える問題

    業務の見直しや効率化を図る上で、現在抱えている問題点を明確にすることは重要です。ここでは、カスタマーサポートが抱える問題点を5つ紹介します。

    スタッフの負担が大きい

    カスタマーサポートが抱える問題の1つ目は、スタッフの負担が大きいことです。これは人手不足による負担の増大だけでなく、マルチチャネル化に伴う問い合わせ対応件数増加も要因の1つに挙げられるでしょう。

    従来カスタマーサポートの主流であった電話やメールでの対応に加えて、チャットやSNSなどを使った問い合わせにも対応しなければなりません。対応量が増え、かつ多方面からの問い合わせに対応しなければならないため、スタッフの負担が大きくなっているのです。

    複数名での「問い合わせ対応業務」がラクになる?

    24時間365日対応できるわけではない

    カスタマーサポートが抱える問題の2つ目は、問い合わせ対応が24時間365日行うことが難しい現状についてです。

    顧客視点で考えると、不明な点や問題が発生した際は、曜日や時間に関係なくリアルタイムに対応してほしいと考えるでしょう。もし、対応してほしいときにサポートが受けられなければ顧客はストレスを感じ、顧客満足度も下がる恐れがあります。

    しかし、業務のほとんどを人力に頼っているカスタマーサポートでは、対応可能な時間に限界があります。対応スタッフには、休日や休憩時間も必要です。また、シフト制を導入している企業でも、土日や、夜間などは働く希望者が少なく調整にも一苦労しています。

    したがって、業務の見直しや効率化と併せた対策が必要となるのです。

    対応の質がスタッフによって異なる

    カスタマーサポートが抱える問題の3つ目は、対応の質がスタッフによって異なることです。

    スタッフの知識やスキルには、経験年数などによって差がでてしまいます。人力によるカスタマーサポートで、対応の質を均一に保つのは難しい問題です。しかし、顧客対応の業務品質が安定しなければ、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。スタッフに対して、商品知識や、顧客対応法などの研修を積み重ねても完全な方策とはいえないでしょう。

    そのため、人的資源に頼らない対策を講じることが急務とされているのです。

    対応のグローバル化が難しい

    カスタマーサポートが抱える問題の4つ目は、対応のグローバル化が難しいことです。

    多くの企業にとって、課題とされているのがカスタマーサポートの多言語化対応です。多言語化対応というとWebサイトにばかり注目が集まりますが、カスタマーサポートの現場も同様に多言語化対応が求められています。

    カスタマーサポートにおいて、顧客との円滑なコミュニケーションは不可欠であり、そのためには言語の壁を取り除かなければなりません。しかし、英語や中国語、フランス語といった主要言語だけでなく、ありとあらゆる言語への対応を人的資源でまかなうには限界があります。翻訳ソフトやアプリツールの活用も進んでいますが、言語の読み込みに時間がかかることもあるようです。迅速な対応が求められるカスタマーサポートにとっては、実効性に欠けるでしょう。

    高いコストが発生する

    カスタマーサポートが抱える問題の5つ目は、高いコストが発生することです。

    商品やサービスの展開規模が大きければ、カスタマーサポートも大規模に運用せざるを得ません。規模が大きくなれば、人材の採用から研修・育成などを含めた人件費や、パソコンや管理システム、ヘッドセットやマニュアルなどの購入を含めたインフラ費がどうしても高額になってしまうのです。

    カスタマーサポートでAIを活用するメリット

    近年、目覚ましい進歩を遂げているAI(人工知能)は、業種業態を問わずさまざまな分野に普及しています。カスタマーサポートも例外ではありません。ここでは、カスタマーサポートでAI(具体的にはAIチャットボットなど)を活用するメリットを紹介します。

    業務を自動化できる

    「AIチャットボット」を活用することで、頻繁に寄せられる簡単な質問への回答を自動化できます。

    AIチャットボットとは、カスタマーサポートで過去にやり取りされたデータやログを収集・自己学習したAIが、顧客の問い合わせにリアルタイムで回答するプログラムです。データやログの蓄積量が増えれば、それだけ人間と会話しているような自然な対話が可能になります。

    よくある一般的な問い合わせはAIチャットボットに任せ、スタッフはイレギュラーな問い合わせや、AIでは判断が難しい問い合わせに集中できるのです。

    対応の質を均一化できる

    カスタマーサポートは、企業の顔として直接顧客と接する重要な部門です。本来であればだれがどの顧客に対応しても、同じ回答ができる状態を保つことが求められます。しかし、スタッフの経験値などから知識やスキルに差が生まれ、対応の質を均一化するのは難しい課題です。

    一方AIチャットボットは、よくある問い合わせに関するデータやログを収集し自己学習しているため、常に同じ業務品質で対応できます。「スタッフによって回答が異なる」といったトラブルに繋がりかねない問題が起きません。

    いつでも迅速な対応が可能になる

    AIチャットボットを活用すれば、よくある問い合わせへの一次回答を自動化できます。24時間365日いつでも対応可能です。もちろん、全ての問い合わせに対応できるわけではありませんが、できるだけ多くの問い合わせに対応できる環境を整備することで、顧客満足度の向上につながるでしょう。

    具体例として、商品購入を検討している顧客から、商品に対する不安や疑問の問い合わせがあった際の対応について考えてみましょう。人材不足などを理由に対応が遅れれば、顧客の購買意欲が下がってしまうかもしれません。その点、AIチャットボットで迅速な対応が可能になれば、顧客の離脱を防げるのです。簡単な回答のみであっても、興味を維持させる効果に期待できます。AIの活用は、機会損失を防ぐという意味でも、大きなメリットがあるといえるでしょう。

    顧客満足度向上につながる

    前述の通り、AIチャットボットを活用すれば、顧客の問い合わせに対していつでも迅速な対応が可能になります。顧客はこのスムーズな対応に満足し、企業に対して良い印象を持つでしょう。印象が良くなれば顧客満足度も向上し、口コミで良い反響が広まり、リピート率の向上が期待できます。

    また、AIは提供情報のパーソナライズが可能です。例えば、利用履歴を参照して、何度も訪問している顧客に対しては「いつもありがとうございます」と反応します。一方、初めての顧客には「ご利用ありがとうございます」「当サイトの使い方をご説明します」と反応するなど、メッセージの切り替えをAI自らが判断しておこないます。このような細やかな対応により、顧客満足度のさらなる向上が期待できるのです。

    データをマーケティングに活用できる

    AI活用は、問い合わせへの回答業務を自動化するだけでなく、日々のさまざまな問い合わせデータの収集・蓄積にも役立ちます。これらのデータには、顧客のリアルな意見が反映されており、分析することで顧客の思考傾向やニーズなどが把握できます。さらに、分析結果をマーケティングに生かし、商品やサービスの改善や新たな商品やサービスの開発など、多様な施策を打つことにも有効です。

    例えば、問い合わせの多い疑問点を解消するイベントを開催したり、ニーズの高い商品開発に力を入れたりするなど、商品やサービス向上対策にも活用できます。

    AI化できるカスタマーサポートの業務

    カスタマーサポート業務の自動化や効率化は、喫緊の課題となっています。そこで、さまざまな課題を解決する施策として期待されているのがAIの導入です。ここでは、AI化できるカスタマーサポート業務を紹介します。

    簡単な問い合わせへの対応

    従来は、頻繁に寄せられる簡単な問い合わせに対して、スタッフが何度も同じ回答を繰り返すなど、業務内容は決して効率的とはいえませんでした。

    このように多くの人的資源を割いて対応してきた「簡単な問い合わせ」への対応をAI化することで、対応業務の効率化が実現できます。

    AIは、カスタマーサポートで過去にやり取りされたデータやログを収集し自己学習します。データの蓄積量が増えればそれだけ回答の質も向上し、人間と会話しているような自然な対話が可能になるのです。よくある簡単な問い合わせはAIに任せ、スタッフはイレギュラーな問い合わせに集中できるため、スタッフの負担軽減にもつながるでしょう。

    FAQの作成

    FAQとは「Frequently Asked Questions(フリークエントリー・アスクド・クエスチョンズ)」の略で、直訳すると「頻繁に尋ねられる質問」という意味になります。内容は、よくある問い合わせへの回答をQ&A形式でまとめたもので、企業のWebサイトやアプリなどに記載されるのが一般的です。

    FAQは、顧客の問い合わせに迅速かつ正確に答えるためのツールとして、重要な役割を果たしています。しかし、FAQは常に新しいデータへの更新が必要です。スタッフは通常の業務をこなしながら情報を収集し、問い合わせ内容を選定、回答を作成しなければなりませんでした。多くの時間と労力がかかるため、作成業務自体が大きな負担になっていたのです。

    AIは、過去の問い合わせや回答データを基にFAQを自動作成します。スタッフの作業は、最終的な内容のチェックだけとなり、負担が大幅に軽減されるのです。

    CRMへの問い合わせ日時や内容の登録

    CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、直訳すると「顧客関係管理」になります。マーケティングや営業、顧客サポートなどで顧客情報を効率的に活用する必要性から取り入れられた概念です。顧客のさまざまな情報を一元管理するシステムで、近年AIを搭載したCRMも登場しています。

    従来、問い合わせ日時や内容(氏名・年齢・性別・連絡先・購入履歴など)をCRMに記録する場合は、スタッフが問い合わせへの応対業務をこなしながら行っていました。AI化によって、登録作業の多くが自動化されることで、スタッフの負担軽減と入力ミス撲滅に大きく貢献するでしょう。

    カスタマーサポートでAIを活用するデメリット・注意点

    AIには、メリットだけでなくデメリットも存在することを、理解しなければなりません。ここでは、カスタマーサポートでAIを活用するデメリットと注意点を解説します。

    複雑な問い合わせやクレームには対応できない

    近年のAIの精度向上には、目を見張るものがあります。しかし、現段階では、顧客からの複雑な問い合わせや感情的なクレームなどに対しては、効果的な対応ができません。過去のデータを参照に対応を行うAIにとって、さまざまな要因が組み合わさった内容の問い合わせや、感情をくみ取ることは難しいからです。

    AIが対応できない部分は、人間がフォローする必要があります。AIと現場スタッフで担当する業務を明確に分けることが重要になるでしょう。

    定期的な分析や改善が必要

    商品やサービスの売上や経済状況などは、常に変化していくものです。そのため、AIモデルやプログラム、活用データの種類や運用方法などについて、定期的に分析し改善する必要があります。これにより、AIシステムのパフォーマンスを維持、そして向上させなければなりません。AIに対する基本的な考え方は「作って導入すれば終わり」ではなく、継続的な分析と改善によって「育てていく」ものであると認識しておきましょう。

    セキュリティリスクが存在する

    AIの活用には、セキュリティリスクが存在します。具体的には、AIが再学習することで第三者へ情報が流出するリスクや、AIシステムに対して外部からハッキングされるリスクなどです。

    AIの再学習とは、新たに情報を取り入れてパフォーマンス向上を図るプロセスです。もし、社内の機密情報が誤ってAIシステムに入力されてしまうと、学習データの一部として取り入れられてしまいます。その結果、顧客対応の中で意図せず機密情報が外部に漏えいしてしまうリスクが生じるのです。また、セキュリティの弱点を突いたハッキングによって情報が漏えいしてしまう恐れもあります。

    カスタマーサポートでAIを導入する際のポイント

    AIは、ただ導入するだけで業務改善や効率化が実現できるわけではありません。ここでは、AIをカスタマーサポートに導入する際のポイントを解説します。

    AIを導入する目的を明確にする

    カスタマーサポートにAIを導入する際、まずは、導入目的を明確化することが重要になります。なぜなら、導入すべきシステムやサービスが目的によって異なるからです。

    例えば、目的が「よくある問い合わせへの対応を効率化したい」であれば、自動応答システムやFAQ作成機能を搭載したAIチャットボットなどが適しています。

    また、目的が「顧客満足度を向上させたい」であれば、CRM(顧客関係管理)と連携して過去の問い合わせ傾向や注文履歴を分析するAIシステムが適しているといえるでしょう。

    有人対応とAIを連携させる

    AIを導入する際は、有人対応との連携にも注力しなければなりません。

    AIにも得意分野と不得意分野があります。よくある問い合わせへの対応や、履歴の分析業務などには長けていますが、複雑な問い合わせや感情的なクレームへの対応は苦手です。そのため、AIでは対応が難しい問い合わせやクレームをスムーズに有人対応に切り替えられる仕組み作りが求められています。

    さらに、AIが収集した問い合わせ内容や対応履歴データをスタッフが参照できる仕組みを構築すれば、より高品質で効率的なサポートが可能になるのです。

    AI導入を成功させるためには、有人対応を補完する形でのAI活用と、有人とAI双方の長所を生かし連携させることが重要といえるでしょう。

    まとめ

    カスタマーサポートは、深刻な人手不足や顧客ニーズの多様化、マルチチャネル化などによる現場スタッフの負担増が大きな問題になっています。早急な業務の見直しや効率化が求められる中、注目されているのがAIの活用です。

    ただし、AIをうまく活用するためには、導入目的の明確化が重要になります。また、導入後に品質の高いカスタマーサポートサービスを提供し続けるためには、継続的な分析・改善の実施が必要です。

    なお、継続的な分析・改善で対応品質を高く保つために、MailDealer(メールディーラー)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。MailDealerは、問い合わせ内容や対応内容を簡単に記録・分析できるため、業務改善による対応品質の維持・向上に役立つでしょう。

    さらにメールの対応状況を見える化し、テンプレートやQA機能で対応レベルの平準化が可能です。加えて、メールごとにスタッフが設定可能で対応漏れを防止します。

    無料トライアルも可能ですので、ぜひご検討ください。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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