近年、顧客満足度向上や業務効率化へのニーズが高まる中、コールセンターの重要性はますます高まっています。しかし、いざ立ち上げようとすると、具体的な手順や必要な費用、成功させるためのポイントなどがわからず、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、コールセンターの立ち上げの手順から、費用、成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。
コールセンターが担う役割とは
コールセンターは、企業と顧客を結ぶ重要な接点として、多様な役割を担っています。主な役割は以下の通りです。
1.顧客サポート
製品やサービスに関する問い合わせへの対応、技術的な問題の解決支援を行います。迅速かつ的確な対応により、顧客満足度の向上に貢献します。
2.苦情処理
顧客からの不満や苦情を受付、適切に対処します。問題解決を通じて、顧客との信頼関係を維持・強化します。
3.情報提供
企業や製品に関する最新情報を顧客に伝達し、適切な製品選択やサービス利用をサポートします。
4.受注業務
商品の注文受付や予約管理を行い、スムーズな取引をサポートします。
5.販売促進
テレマーケティングや追加販売(アップセル・クロスセル)を通じて、売上向上に寄与します。
6.データ収集・分析
顧客とのやり取りから得られる情報を収集・分析し、商品開発やサービス改善に活用します。
7.ブランドイメージの向上
丁寧で効率的な対応を通じて、企業のブランドイメージを高めます。
8.業務効率化
顧客対応を集中管理することで、企業全体の業務効率を向上させます。
これらの役割を通じて、コールセンターは顧客満足度の向上、売上増加、コスト削減、そして企業の競争力強化に大きく貢献しています。
近年では、電話だけでなく多様な通信手段を活用する「コンタクトセンター」としての機能も拡大しており、その重要性はますます高まっています。
コールセンターの立ち上げで最初に行うべき「目的・ゴールの設計」
コールセンター立ち上げの第一歩は、明確な目的とゴールの設定です。これにより、組織全体の方向性が定まり、効果的な運営が可能となります。
目的設定では、顧客サービス向上、業務効率化、売上増加など、企業の戦略に沿った項目を選定しましょう。
その上で、たとえば「6ヶ月以内に顧客満足度を10%向上させる」や「1年以内にサポート業務のコストを15%削減する」といった具体的な目標を立てます。これらの目標は定期的に見直し、必要に応じて調整することが大切です。また、短期・中期・長期の目標をバランスよく設定し、段階的な成長を図ることも重要だと言えるでしょう。
目的とゴールが明確になれば、それに基づいて必要な人員、システム、トレーニングなどのリソースを適切に配置できます。結果として、効率的かつ効果的なコールセンター運営が実現するのです。
現在の問い合わせ対応状況の調査が必要
コールセンター立ち上げの際、現状の問い合わせ対応状況を詳細に調査しましょう。この調査により、既存の課題や改善点が明らかになり、新しいコールセンターの設計に活かすことができます。
調査すべき項目には、以下のようなものが挙げられます。
- 問い合わせ件数と種類
- 平均応答時間と処理時間
- 顧客満足度
- 問い合わせのピーク時間帯
- 現在の対応チャネル(電話、メール、チャットなど)
- 未解決の問い合わせ数とその理由
- 現在のスタッフ数と稼働状況
これらのデータを収集・分析することで、新しいコールセンターに必要な規模や機能を適切に見積もることができるとされています。また、現在の強みや弱みを把握することで、新システムでの改善ポイントも明確になるでしょう。
調査結果をもとにKPIを設定する
調査結果を分析した後は、それに基づいて適切なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定することが重要です。KPIは、コールセンターの目的達成度を測る具体的な指標であり、運営の効果を定量的に評価するために欠かせません。
一般的なコールセンターのKPIには以下のようなものがあります。
- 平均応答速度(ASA:Average Speed of Answer)
- 放棄率
- 初回解決率(FCR:First Call Resolution)
- 顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)
- 平均処理時間(AHT:Average Handle Time)
- サービスレベル(Service Level)
これらの中から自社の目的に合致するKPIを選択し、具体的な数値目標を設定します。たとえば、「平均応答速度を30秒以内に」や「顧客満足度を85%以上に」といった具体的な目標値を定めるのがよいでしょう。
KPIの設定後は、定期的にモニタリングし、目標達成に向けて継続的な改善を行うことが大切になります。このプロセスを通じて、コールセンターの品質向上と効率化が実現できます。
コールセンターの立ち上げ手順
コールセンターの運営は、顧客満足度向上、業務効率化、売上向上など、さまざまなメリットをもたらす重要な取り組みです。そのためさまざまな企業でコールセンターを新設する動きが見られます。しかし、新たにコールセンターを立ち上げる際は、適切な手順を踏まないと思わぬ課題やトラブルに直面する可能性があります。
ここでは、コールセンター立ち上げに関する一般的な手順をご紹介します。
課題点の把握
コールセンターの立ち上げにおいて、まず重要なのは現状の課題点を明確に把握することです。課題点の把握には、現行の顧客対応プロセスや顧客からのフィードバックの分析が含まれます。たとえば、顧客からのクレームの内容や頻度、解決までの時間、対応の質などを詳細に調査しましょう。
また、現状のシステムやツールがどの程度効果的に機能しているか、スタッフのスキルセットや業務負荷なども評価の対象となります。これにより、コールセンター設立後に解決すべき具体的な問題点を明確にし、改善策を講じるための基盤が整うでしょう。
コールセンターの業務設計
次に、コールセンターの業務設計を行います。業務設計には、コールセンターが提供するサービスの範囲や内容、対応時間、対応チャネル(電話、メール、チャットなど)を決定することが含まれます。
また、各業務のプロセスを詳細に定義し、対応フローを作成しましょう。これにより、スタッフがどのように対応すべきかが明確になり、一貫性のあるサービス提供が可能となります。
さらに、サービスレベルアグリーメント(SLA)を設定し、目標となる応答時間や解決時間を具体的に定めることで、業務の効率化と品質向上を図ります。
設備・システムの選定
コールセンターの運営には、適切な設備とシステムの選定が欠かせません。必要な設備には、専用の電話システムやヘッドセット、パソコン、ネットワーク機器などが含まれます。
また、コールセンター向けのソフトウェアとして、顧客関係管理(CRM)システム、コール管理システム、ナレッジベースなどを導入することが求められるでしょう。これらのシステムは、スタッフが迅速かつ正確に対応できるようにするための重要なツールです。
選定に際しては、導入コストや操作性、サポート体制などを総合的に評価し、最適なソリューションを選ぶことが大切です。
人材の採用
コールセンターの成功には、優れた人材の採用が不可欠です。まず、求める人材像を明確にし、必要なスキルや経験を持つ候補者を募集しましょう。特に、顧客対応の経験が豊富で、コミュニケーション能力や問題解決能力に優れた人材が求められます。
採用プロセスでは、書類選考、面接、適性検査などを通じて候補者の適性を評価します。また、採用後には新入社員向けの研修を実施し、必要な知識やスキルを習得させることが重要です。これにより、質の高いサービスを提供できるチームを構築します。
マネジメント・教育体制の構築
コールセンターの運営を円滑に行うためには、効果的なマネジメントと教育体制の構築が必要です。
まず、管理職を含むマネジメントチームを編成し、業務の進捗管理やスタッフの指導、評価を行います。また、継続的な教育プログラムを導入し、スタッフのスキル向上を図りましょう。これには、新製品やサービスに関するトレーニング、顧客対応のシミュレーション、フィードバックセッションなどが含まれます。
定期的な評価とフィードバックを行うことで、個々のスタッフの成長を支援し、チーム全体のパフォーマンスを向上させられるでしょう。
マニュアルの作成
コールセンターの業務を効率的かつ一貫性を持って行うためには、詳細なマニュアルの作成が必要とされています。マニュアルには、基本的な対応フローや各種シナリオに対する対応方法、使用するシステムやツールの操作手順などが含まれます。また、よくある質問とその回答、エスカレーション手順、緊急時の対応策なども記載しましょう。
マニュアルは、スタッフが迅速に必要な情報を参照できるように整理されていることが重要です。定期的に内容を見直し、最新の情報を反映させることで、常に高いサービス品質を維持します。
コールセンターに必要なITシステムとは
コールセンターの効率的な運営には、適切なITシステムの導入が必要です。主要なシステムとその役割を以下に説明します。
PBX(構内交換機)システム
顧客からの着信を管理し、適切なスタッフに転送する中核システムです。従来のハードウェアベースのPBXに加え、近年ではクラウドPBXの導入が増えています。クラウドPBXは、初期投資の抑制、柔軟なスケーリング、リモートワークへの対応などのメリットがあり、特に中小規模のコールセンターや新規立ち上げの際に注目されています。
ACD(自動着信呼分配)システム
入電に対応するスタッフを自動的に振り分けるシステムです。スタッフのスキルレベルや稼働状況に応じて最適な配分を行います。このシステムにより、待ち時間の短縮や業務効率の向上が期待できます。なお、高度なACDシステムでは、顧客の問い合わせ履歴や優先度に基づいた振り分けも可能です。
IVR(自動音声応答)システム
音声ガイダンスにより顧客の要望を事前に振り分け、適切なスタッフや部署につなぎます。単純な問い合わせの自動化にも活用でき、スタッフの負荷軽減につながるでしょう。
最新のIVRシステムでは、自然言語処理技術を活用し、より柔軟で自然な対話が可能になっているとされます
CTI(Computer Telephony Integration)システム
電話とコンピューターを連携させるシステムです。着信時に顧客情報を自動表示したり、ワンクリックでの発信を可能にしたりすることで、応対の迅速化と品質向上を実現します。また、通話履歴の自動記録など、データ管理の効率化にも貢献するでしょう。
CRM(顧客関係管理)システム
顧客情報を一元管理し、問い合わせ履歴や対応状況を記録・共有するためのシステムです。継続的な顧客サポートと顧客満足度の向上に貢献します。
高度なCRMシステムでは、顧客の行動分析や予測機能も備えており、先を見越したプロアクティブな顧客対応にも活用できるでしょう。
FAQ・ナレッジ管理システム
よくある質問や対応手順をデータベース化し、スタッフが迅速に必要な情報にアクセスできるようにするシステムです。これにより、回答の正確性と一貫性が向上し、研修期間の短縮にも寄与します。AIを活用した自然言語検索機能を備えたシステムも登場しており、より効率的な情報検索が可能になっています。
通話録音システム
通話内容を記録し、品質管理やトレーニング、法的対応などに活用するシステムです。最新のシステムでは、音声認識技術を用いた自動文字起こしや、感情分析機能なども備えており、より深度ある品質管理が可能となっています。
WFM(Workforce Management)システム
通話量予測に基づいて最適なシフト管理を行うシステムです。季節変動や特殊イベントなども考慮した精緻な予測により、人員配置の最適化と業務効率の向上を実現します。
レポーティング・分析ツール
各種KPIの集計や分析を自動化し、パフォーマンス管理や改善施策の立案を支援するツールです。リアルタイムでのモニタリングや、ビジュアライゼーション機能を備えたダッシュボードなど、意思決定を支援する機能が充実しています。
セキュリティシステム
情報漏えい防止や不正アクセス対策など、顧客情報保護のためのさまざまなセキュリティ対策を実施するシステムです。暗号化、多要素認証、アクセス制御など、多層的な防御策を講じることが重要です。
以上のシステムを適切に組み合わせ統合することで、効率的で高品質なコールセンター運営が可能となります。近年では、クラウドベースのコールセンターシステムも普及しており、初期投資の抑制や柔軟なスケーリングが可能となっています。
また、AI技術の進展により、自動応答や感情分析、業務支援など、より高度な機能を持つシステムも登場しています。これらの最新技術を適切に導入することで、さらなる効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
また、上記で説明した個別のシステムなどを統合し、コールセンター業務全体を効率的に管理・運用するための包括的なソリューションである「コールセンターシステム」も存在します。これらのシステムは、単独で機能するだけでなく、相互に連携して働くことで、より高度な顧客サービスと業務効率化を実現します。
コールセンターシステムの選定や導入にあたっては、自社の業務内容や規模、将来の成長計画などを考慮し、最適なソリューションを選ぶことが重要です。また、導入後も継続的な運用管理とアップデートを行い、常に最新かつ効率的な状態を維持することが求められます。
コールセンターの立ち上げ・運営にかかる費用
コールセンターの立ち上げには、初期費用、人件費、運営費など、さまざまな費用がかかります。これらの費用を正確に把握し、予算を適切に配分することは、コールセンターの成功を左右する重要な要素です。
初期費用
コールセンターの立ち上げには、相当な初期投資が必要です。主な初期費用には以下のものが含まれます。
設備費:オフィススペースの確保、内装工事、電気・通信工事など
システム導入費:PBX、CRM、CTIなどのシステム購入やカスタマイズ、導入支援など
什器備品費:デスク、椅子、パソコン、ヘッドセットなど
教育・研修費:初期スタッフの採用・教育など
初期費用の額は、コールセンターの規模や導入するシステムの種類によって大きく変動しますが約30~250万円とされています。
近年では、クラウドベースのシステムを利用することで、初期投資を抑える方法も増えています。また、段階的に規模を拡大していく方法も、初期費用の分散に有効です。
人件費
コールセンター運営において、人件費は最大の費用項目となります。主な人件費には以下のものが含まれます
スタッフの給与:基本給、諸手当、残業代など
社会保険料:健康保険、厚生年金、雇用保険などの事業主負担分
福利厚生費:交通費、健康診断、各種手当など
人件費は、雇用形態(正社員、契約社員、パート・アルバイトなど)、勤務時間、シフト体制などによって変動します。効率的なシフト管理やスキル向上による生産性の向上、適切な人員配置などを通じて、人件費の最適化を図ることが重要です。
運営費
コールセンターの日々の運営にかかる費用には、以下のようなものがあります:
家賃・光熱費:オフィススペースの賃借料、電気・水道・ガス代など
通信費:電話回線使用料、インターネット接続料など
システム運用費:各種システムの保守・メンテナンス費用、ライセンス料など
消耗品費:文具、トナー、コピー用紙など
教育・研修費:継続的なスキルアップのための研修費用など
セキュリティ対策費:情報セキュリティ維持のための費用など
外部委託費:清掃、警備、システム保守などの外部業者への委託費用など
これらの運営費は、コールセンターの規模や業務内容によって変動します。効率的な運営と定期的なコスト見直しにより、運営費の最適化を図ることが重要です。また、クラウドサービスの活用やリモートワークの導入など、新しい働き方を取り入れることで、一部の運営費を削減できる可能性もあります。
コールセンター立ち上げにおけるポイント
コールセンターの立ち上げは、企業の顧客サービス戦略において重要な一歩です。効果的に立ち上げるためには、予算に応じた規模の決定が重要です。
コールセンターの規模は、予想される問い合わせ件数、対応時間、必要なスキルレベルなどを考慮して決定します。初期段階では控えめな規模から始め、需要に応じて段階的に拡大していく方法も有効です。また、将来的な成長を見据えた柔軟性のあるシステム選択も重要となります。
自社に必要な機能を取り入れる
コールセンター立ち上げの際は、自社に必要な機能を適切に選択することが重要です。全ての機能を一度に導入する必要はなく、段階的に必要な機能を追加していくアプローチが効果的とされています。
主な検討ポイントには、顧客対応の主な目的(問い合わせ対応、苦情処理、販売支援など)、想定される問い合わせ件数と内容、必要なスタッフ数とスキルレベル、業務時間(24時間対応の必要性など)、データ管理・分析の要件などがあります。
たとえば、主に製品サポートを行うコールセンターであれば、詳細な製品情報データベースと連携したCRMシステムが重要になるでしょう。一方、注文受付が主な業務であれば、在庫管理システムとの連携が必須となるでしょう。また、将来的な拡張性も考慮に入れ、事業の成長に伴いコールセンターの規模や機能を拡大できるよう、柔軟性のあるシステムを選択することが賢明です。
安定した通信環境を整える
コールセンターの運営では、安定した通信環境を整えることが大切です。通信インフラが不安定だと、顧客との通話が途切れたり、音声が不明瞭になったりすることがあり、顧客満足度に大きく影響します。特に、インターネット電話(VoIP)を利用する場合は、高速かつ安定したインターネット接続が必要です。
通信インフラの整備には、信頼性の高い通信プロバイダの選定、バックアップ回線の確保、ネットワーク機器のメンテナンスなどが含まれます。また、サーバーの冗長化やデータセンターの利用など、障害発生時にも迅速に対応できる体制を構築することが重要です。
これらの対策により、通信トラブルを最小限に抑え、常に安定したサービスを提供することが可能になります。
高い応対品質を実現するための取り組みを行う
顧客満足度の向上と企業イメージの維持・向上のためには、高品質な顧客応対が大切です。そのための取り組みとしては、まず充実した研修プログラムの実施が挙げられます。初期研修だけでなく、定期的なスキルアップ研修を通じて、製品知識、コミュニケーションスキル、問題解決能力などを継続的に向上させましょう。
また、品質管理体制の構築も重要です。通話モニタリングや録音分析を通じて、応対品質を客観的に評価し、改善につなげます。また、スクリプトの整備やナレッジベースの構築により、一貫性のある応対と迅速な情報アクセスを実現しましょう。さらに、パフォーマンス評価制度の導入、適切なエスカレーションプロセスの確立、スタッフのストレス管理なども重要な要素です。
これらの取り組みを通じて、単なる問い合わせ対応にとどまらない、付加価値の高い顧客サービスを提供することが可能となるでしょう。高品質な応対は、顧客満足度の向上だけでなく、ブランド価値の向上にもつながる重要な要素です。
さまざまなチャネルを用意する
顧客は基本的に、自分にとって便利な方法でコミュニケーションを取りたいと考えています。そのため、電話だけでなくさまざまなチャネルを用意することが重要です。
主なチャネルとしては、
- 電話(リアルタイムで詳細な対応が可能)
- メール(非リアルタイムでの詳細な情報のやり取りに適している)
- チャット(リアルタイムでの文字ベースのコミュニケーションが可能)
- SNS(顧客が日常的に利用するプラットフォームでの対応)
- Webフォーム(構造化された情報を収集しやすい)
- セルフサービス(FAQページや知識ベースの公開)
- ビデオチャット(複雑な問題や視覚的な説明が必要な場合に有効)
- AIチャットボット(24時間対応が可能で、simple質問への自動応答に適している)
などが挙げられます。
これらのチャネルを適切に組み合わせることで、顧客のニーズに柔軟に対応し、満足度を高めることができます。また、各チャネルの特性を活かした効率的な問題解決も可能となるでしょう。
ただし、多チャネル化に伴い管理の複雑さも増すため、統合的な管理システムの導入や、チャネル間でのシームレスな情報共有の仕組みづくりが重要となります。
メールでのやり取りも発生する場合は、メール共有管理システム「Mail Dealer(メールディーラー)」がおすすめです。カスタマーサポートやコールセンターをはじめとした多様な用途で8,000社以上の導入実績があり、CTIとの連携も可能です。
外部委託も検討
コールセンターの立ち上げと運営には多大なリソースが必要となるため、外部委託(アウトソーシング)も有力な選択肢のひとつです。
外部委託のメリットとしては、初期投資の抑制、専門知識・ノウハウの活用、柔軟なスケーリング、リスク分散、コア業務への集中などが挙げられます。
一方で、外部委託のデメリットには注意が必要です。たとえば、適切な連携が取れなかった場合、自社のブランドイメージや顧客体験の一貫性が損なわれる可能性があります。また、情報のセキュリティやプライバシーの管理も重要な課題です。これらのリスクを最小限に抑えるためには、信頼性の高い企業を選定し、明確な契約を行うことが必要になります。
外部委託を検討する際には、コールセンターの規模や業務内容、自社の戦略に合ったプロバイダを選定することが求められます。また、プロバイダとの定期的なコミュニケーションやパフォーマンスのモニタリングを通じて、品質管理を徹底することが重要です。
外部委託は、適切に活用すれば効率的なコールセンター運営の強力なツールとなり得ますが、自社の状況と目標を十分に考慮した上で判断しましょう。
まとめ
コールセンターの立ち上げには、多くの要素について検討しなくてはいけません。自社のニーズに合った機能を取り入れ、安定した通信環境を整え、高い応対品質を実現するための取り組みを行い、さまざまなチャネルを用意することが重要です。また、外部委託の検討も有効な選択肢となります。
これらのポイントを押さえることで、効率的かつ高品質なコールセンター運営が可能となり、顧客満足度の向上や企業の成長に寄与することが期待できるでしょう。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。