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生産性向上とは?業務効率化との違いや実現に向けた施策を解説

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生産性向上とは、投入資源から生み出された生産物の割合を表す「生産性」を上げることです。

この記事では、生産性向上の概要や生産性を計る3つの指標、生産性を向上させるメリット、生産性向上に向けた4つの施策とポイントを解説します。

業務改善に向けた社内体制の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

    生産性向上とは?

    「生産性向上」とは、生産性の数値を上げることです。「生産性」は、従業員数や労働時間数に対してどれだけの成果や付加価値を生み出したかを表す指標です。

    生産性の向上は会社の競争力強化やコスト削減、労働不足の解消に効果的とされます。ここではまず生産性向上と業務効率化との違い、生産性向上が重視される理由を見ていきましょう。

    生産性向上と業務効率化の違い

    生産性向上とよく似た言葉に、業務効率化があります。生産性向上も業務効率化も、コスト削減や従業員のモチベーションアップ、労働不足解消といった効果があるため、混同されることも少なくありません。

    業務効率化とは、業務における無駄を排除し効率化することです。具体的な施策には、不要な業務の洗い出しやマニュアルの作成、システムの導入による定型業務の自動化等が挙げられます。

    業務効率化と生産性向上の関係を押さえるうえでのポイントは、業務効率化の推進が生産性向上につながる点です。つまり業務効率化は、生産性向上の手段の1つといえます。

    ただし、業務効率化により人件費をはじめとするコストを削減しすぎると、生産性も下がるケースがあります。生産性向上を目指すのであれば、効率化と生産性のバランスを見ながら業務を最適化することが重要です。

    生産性向上が重視される理由

    生産性向上が重視される主な理由には、以下の3つが挙げられます。

    • 労働力人口の減少
    • 従業員の就業意識の変化
    • 日本企業の国際競争力の低下

    少子高齢化が進む日本では、労働力人口減少への対応が急務とされます。2012~2022年の10年間における就業者総数は、減ってはいません。しかし内訳を見ると、一般的に働き盛りといわれる25~44歳の就業者数が減少する一方で、65歳以上や女性の就業者数が大幅に増加しています。

    日本の高齢者の労働力率はすでに高い水準であることを考えると、今後の労働力人口は減少していくと予測され、少ない労働力での生産性の維持が求められるのです。

    また、従業員の就業意識の変化も生産性向上を進めるポイントとされます。2019年から働き方改革がスタートしたことにより、ワークライフバランスがとれる会社で働きたいと考える方が増えています。残業や休日出勤が少ない働きやすい会社作りは、優秀な人材を確保するために非常に重要です。

    日本企業の国際競争力の低下も、生産性向上を重視する理由として挙げられます。IMD「世界競争力年鑑」2024年版によると、日本の競争力総合順位は過去最低の38位を記録しました。労働力人口の減少や就業意識の変化を考えると、今後も限られたリソースを効率的に活用し、生産性を上げる必要があるでしょう。

    会社の生産性を測る3つの指標

    生産性向上を目指すには、自社の現在の生産性がどのくらいかを知っておく必要があるでしょう。ここでは、会社の生産性を測る3つの指標を解説します。

    1.物的労働生産性

    物的労働生産性とは、生産量を労働者数や労働時間などで割って算出される指標です。物的労働生産性の計算式と一例を以下で確認しましょう。

      【物的労働生産性の計算式】

    • 1人あたりの労働生産性=生産量÷労働者数
    • 1時間あたりの労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)

    たとえば、10人の従業員が5時間で200個の商品を製造した場合の1時間あたりの労働生産性は、4個(200個÷(10人×5時間))です。

    2.付加価値労働生産性

    付加価値労働生産性とは、生産量(財務上生み出される金額ベースの価値/粗利)を労働者数や労働時間などで割って算出される指標です。付加価値労働生産性の計算式と一例を以下で確認しましょう。

      【付加価値労働生産性の計算式】

    • 1人あたりの労働生産性=付加価値額÷労働者数
    • 1時間あたりの労働生産性=付加価値額÷(労働者数×労働時間)
    • 資本生産性=付加価値額÷資本のストックの総量

    たとえば、10人の従業員が5時間で製造した商品を、500円(うち付加価値150円)で販売した場合の1時間あたりの労働生産性は、3円(150円÷(10人×5時間))です。

    3.全要素生産性(TFP)

    全要素生産性(TFP)とは、労働力や資本だけでなく、技術の進歩やブランド価値といったあらゆる要素を加味して算出する指標です。全要素生産性の計算式は、以下のとおりです。

      【全要素生産性の計算式】

    • 全要素生産性=生産量÷全要素投入量
    • 全要素生産性=生産量÷全要素投入量

    全要素生産性では、全要素投入量としてさまざまな要素を含めるため、多くの場合で計算式が複雑になります。

    生産性の向上により期待できるメリット

    生産性向上の施策をスムーズに進めるには、生産性向上により得られるメリットを、社内で周知しておくことが肝心です。ここでは、生産性の向上により期待できる4つのメリットを解説します。

    1.顧客満足度の向上

    メリットの1つ目は、顧客満足度の向上です。生産性向上の一環として業務の効率化が促進されると従業員の業務負担が減り、以下の効果が期待できます。

    • 時間的・体力的な余裕が生まれることで、それぞれのお客様に適した営業ができる
    • ワークライフバランスが整いモチベーションがアップすることで、お客様への対応の質が上がる

    上記に加え、削減したコストを既存商品の改良や新商品開発に充てれば、満足度が高い商品やサービスの提供にもつながるでしょう。

    2.従業員満足度の向上

    メリットの2つ目は、従業員満足度の向上です。生産性向上のために無駄な作業や非効率な作業が削減されれば、従業員の業務負担が減ります。業務の負担を抑えて本業に集中して取り組めるようになるため、従業員の満足度が向上すると考えられます。

    また、業務効率化により残業や休日出勤が減ればプライベートの充実も実現できるため、モチベーションアップや会社に対する満足度の向上が期待できるでしょう。

    3.コスト削減

    メリットの3つ目は、コスト削減ができる点です。生産性向上により削減できる主なコストには、以下が挙げられます。

    • 人件費
    • 残業代
    • オフィス賃貸料
    • 備品代

    無駄の削減やシステムの導入等により人の手が必要な業務が減れば、人件費を削減できます。また効率化により業務量が減れば、残業代や休日出勤手当も減らせるでしょう。

    システムの導入により契約書のオンライン保存や、クラウドの活用等が増えればテレワークにも対応できるようになります。テレワークが増えれば、オフィス縮小による賃貸料の軽減も実現できるでしょう。また書類が減れば、印刷用の紙やインク代、印刷機のリース代等も削減できます。

    4.人手不足の解消

    メリットの4つめは、人手不足を解消できる点です。日々の業務の無駄を省くことはもちろん、業務内容のマニュアル化やITツールの導入により、業務量の大幅な削減が期待できます。業務量が減れば、既存従業員のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。パフォーマンスアップにより一人ひとりの生産量が増えれば、人手不足を解消できると考えられます。

    会社の生産性向上を実現する5つの施策

    ここからは、生産力向上のための具体的な施策を解説します。生産性向上のための取り組みは、一時的ではなく継続することが肝心です。ここで紹介する施策の中から自社に合ったものを選び、無理のない範囲で取り入れてみましょう。

    1.業務内容の把握と不要な業務の洗い出し

    生産性向上を目指すには、まずは現在の業務内容の把握と不要な業務の洗い出しをしましょう。それにより、以下の効果が期待できます。

    • 業務の全体量を把握できる
    • 不要な業務と人員の洗い出しができる
    • 業務の優先順位付けできる

    現在の業務内容を確認することで、抱えている業務の全体量を把握できます。全体量を押さえたうえで各業務を精査すれば、不要な業務や人員の洗い出しができるでしょう。不要な業務を削減すれば、業務をスリム化できます。

    業務のスリム化ができたら、業務の優先順位付けもしましょう。優先順位を社内で共有すれば、担当者を中心に重要度の高い業務から効率的に対応できるようになります。

    2.アウトソーシングの導入

    生産性の向上を目指すのであれば、アウトソーシングの導入も選択肢です。

    とくにノンコア事業や事務作業等において効率が悪い、手間がかかるといった業務がある場合は、アウトソーシングの導入は有効な施策の1つとなります。アウトソーシングの活用により従業員の業務負担が減れば、本業への注力が可能になり売上アップが期待できるでしょう。

    アウトソーシングの導入には、コストがかかります。また依頼する業務内容によっては、情報漏洩リスクも発生します。アウトソーシングを依頼する際は、信頼できる業者選びが肝心です。

    3.人員の再配置

    生産性を向上させるには、人員の再配置も有効です。従業員のスキルや経験を踏まえたうえで、最適な部署への配置を目指しましょう。

    人員の再配置は、従業員のモチベーションに直結します。モチベーションが大きく下がると、パフォーマンスの低下や離職につながる恐れがあります。従業員が納得いく再配置をするには管理職が一方的に評価決定するのではなく、本人の希望をヒアリングし、考慮することがポイントです。

    4.従業員の研修やスキルアップ支援の実施

    長期的な視点で生産性を向上させるには、従業員の研修やスキルアップ支援を実施しましょう。

    研修やスキルアップ体制を整備することで、すべての従業員が一定水準以上の生産性を保てるようになります。また教育制度やサポート体制の充実は、離職率の低下の効果も期待できます。

    研修やスキルアップ支援は、単発ではなく長期的に実施し人材を育てることが重要です。資格試験の受験費用補助や、資格取得時の昇給といったインセンティブを併せて用意すれば、従業員のモチベーションアップにもつながります。

    5.ITツールの導入

    ITツールの導入も、生産性向上に有効な方法の1つです。ITツールを活用すれば、日々の業務を自動化ができます。これにより、従業員の業務負担軽減と効率化を目指せるでしょう。

    ここでは、生産性向上におすすめの4つのITツールを紹介します。

    メール共有システム

    メール共有システムとは、業務で使用するメールを社内で共有し一元管理するシステムです。メールは、お客様とのコミュニケーション手段として多くの場面で利用されるツールの1つです。

    そのためお客様や従業員数、企業の規模によっては、送受信数が多く管理が難しくなるケースがあります。また、担当者それぞれに管理を任せていると、見落としや返信忘れといったトラブルが発生する恐れもあります。

    メール共有システムを活用すれば、これらの問題点を解消しスムーズに業務を進められるでしょう。またメールの内容を共有することで、本人不在時の対応や引き継ぎを速やかにできるようになります。

    メールディーラー」のメール共有システムであれば、メールの見える化により対応レベルの平準化や対応漏れ防止を実現できます。また対応履歴が記録されるため、前任による対応を遡って確認できます。そのほか、データベースとしてお客様情報を一元管理できるため、急な来訪やトラブル発生時も慌てずに対応できるでしょう。

    サービスの詳細を知りたい方には、詳しい資料をお送りいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    CRM(顧客管理システム)

    CRM(顧客管理システム)とは、データベース上で顧客情報の共有と一元管理をするシステムです。CRMに記録された名前や属性、過去の購入履歴、現在の進捗状況、問い合わせ履歴等の情報は、お客様との良好な関係を築くための重要な資料となります。

    重要な情報をデータベース上で管理し共有することで、異動等により担当者が変わってもそれぞれのお客様に最適な対応ができるでしょう。また、CRMに蓄積されたデータを分析すれば、より効果的な営業展開を目指せます。

    オンライン会議システム

    オンライン会議システムとは、インターネットを介してオンラインで会議ができるシステムです。オンライン会議システムを利用すれば、遠方のお客様とも商談の機会を持ちやすくなります。また、交通費や接待交際費といったコストの削減にもつながります。

    コストを抑えながらも、積極的な営業活動による売上アップを目指したいと考えているのであれば、オンライン会議システムはぜひ検討したいツールの1つです。

    日程調整ツール

    日程調整ツールとは、スケジュールの管理と調整を自動化するシステムです。お客様との商談や会議の日程を自動調整してくれるため、ダブルブッキングなどのトラブルを防げます。また、スケジュール調整の手間を削減することで、本業に注力できるようにもなります。

    日程調整ツールを利用すれば、従業員間でのスケジュール共有も可能です。日程調整が難しい他部署の従業員や、外回りが多い担当者との打ち合わせ日の決定も、スムーズに進むでしょう。

    生産性向上を成功に導くポイント

    最後に、生産性向上を成功させるための3つのポイントを解説します。

    1.目的やゴールを明確にする

    ポイントの1つ目は、ゴールを明確にすることです。生産性の向上に向けた施策は、幅広く行う必要があります。また、成果が出るまで時間がかかるケースも少なくありません。

    そのため目的やゴールがぼやけると計画通りに施策が進まなかったり、途中で頓挫したりする可能性があります。生産性の向上を最後までやり遂げるには、明確な目的やゴールを従業員全体で共有することが重要です。

    2.従業員に定期的にヒアリングをする

    ポイントの2つ目は、従業員への定期的なヒアリングの実施です。生産性向上の施策では、新しいツールやシステムの導入、人員の配置換えなど、業務内容や働き方に影響が出るケースも多くあります。

    定期的にヒアリングを行い、良い点や悪い点を汲み上げたうえでブラッシュアップをすれば、従業員の声を反映したより効果的な施策を実施できるでしょう。

    3.長期的な視点で取り組む

    ポイントの3つ目は、長期的な視点で取り組むことです。生産性向上の施策は、すぐに結果が出るとは限りません。マニュアルの作成や人員の再配置、研修制度の整備等に取り組んでも結果が出ないと、不安を感じたりモチベーションが下がったりすることもあるでしょう。

    生産性向上を実現するには、短期間で効果がでなくても焦らず長期で取り組み続けることが大切です。

    生産性向上によりお客様にも従業員にも魅力的な会社を目指そう

    生産性向上とは、生産性の数値を上げることです。生産性が向上すると、お客様や従業員の満足度向上やコスト削減、人手不足の解消といったメリットがあります。

    生産性向上を目指すのであれば、不要な業務の洗い出しと業務のスリム化が不可欠です。ノンコア事業や事務作業については、アウトソーシングやITツールの導入も選択肢となるでしょう。長期的な目線で生産性向上を目指すのであれば、従業員の研修制度も整備も大切なポイントです。

    生産性向上の施策は、短期で結果が出るとは限りません。継続的に施策に取り組むことで生産性向上を実現し、お客様にも従業員にも魅力的な会社を目指しましょう。

    ITツールを活用した生産性の向上を目指すのであれば、メール共有システムの「メールディーラー」の導入をぜひご検討ください。メールディーラーを活用することで、対応レベルの平準化や対応漏れ防止、前任による対応履歴の確認が可能になります。

    サービス詳細を知りたい方には、資料をお送りいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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