クラウドメールとは“クラウド”を利用するメールサービスのことです。自社にサーバーを設置しなくても、メールサービスを利用することができます。
クラウドメールには、どんなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、クラウドメールの基礎知識やメリットについてご紹介します。
クラウドメールの基礎知識
クラウドメール(CloudMail)とは、クラウド上で利用できるメールサービスのことです。インターネットに接続できる環境であれば、パソコンやスマートフォンからどこでもメールの送受信やチェックができます。
通常のメールサービスとは、どう違うのでしょうか。まずはクラウドメールを支える「クラウドサービス」とは何かについてご紹介します。
クラウドサービスとは
クラウドサービスの“クラウド”は、正式には「クラウド・コンピューティング」といいます。
これまでは、ソフトウェアなどをパソコンにインストールしてから、サービスを利用することが一般的でした。
しかし、クラウドサービスの登場により、クラウド上でサービスを利用することができ、データもクラウド上に保存されるようになりました。
つまり、クラウドサービスは「ソフトウェアなどをインストールする必要がなく、インターネット環境さえあれば、いつでも・どこでも・どの端末でも利用することができるサービス」のことを指します。
年々企業に浸透するクラウドサービス
近年、クラウドサービスを導入する企業が増えています。その理由には以下のようなものが考えられます。
初期費用を抑えられる
クラウド型のサービスは自社でサーバーを保有する必要がありません。そのためサーバー購入費用やサーバー室の設備投資などの初期費用を大幅に削減できます。
また自社の運用状況に合わせたプランを選択できるので、コスト削減も期待できます。
維持費用がかからない
サーバーを保有していると、維持していくための費用や場合によっては固定資産税がかかります。それに比べてクラウド型はサーバーを保有せずにサービスが使用でき、維持するための費用がかかりません。
セキュリティ面も安心
クラウド型のサービスで気になるのが、セキュリティ面です。しかし近年のクラウド型サービスはセキュリティ面の安全性も大幅に向上しています。たとえば、Amazonが提供する「AWS」は、ISO 27001やPCI DSSなど世界基準を満たしていています。
また特定のIPアドレス以外からのアクセスを制限する機能や、顧客情報閲覧制御などの機能が付いたサービスもあり、ビジネスでも安心して利用できます。
クラウドメールとは
クラウドメールはクラウドサービスの一種です。メールサーバーを社外に置き、Webブラウザ上からメールの送受信や確認を行います。
メールソフトをパソコンにインストールする必要はなく、インターネット上でメールの管理を行います。ログインIDとパスワードさえあれば、どの端末からでもログイン可能です。
クラウドメールの具体例をあげると、「Gmail」や「Yahoo!メール」です。逆に、パソコンにインストールする必要のあるメールサービスの具体例をあげると、「Outlook」や「thunderbird」です。
クラウドメールを導入するメリット8選
従来のメールシステムではなく、クラウドメールを導入するどんなメリットがあるのでしょうか。ここではクラウドメールを導入するメリットを8つご紹介します。
<メリット1>インターネット環境があればどこでも利用できる
クラウドメールは、インターネット環境があれば、いつでも・どこでも利用可能です。
例えば、出張中や移動中でも、インターネット環境さえあれば、メールの確認や送受信ができます。また、自宅でメールの確認を行いたいときでも、仕事用のパソコンを持ち帰る必要はありません。
基本的にどんな場所でもメールを利用できるので、業務の効率を上げることができます。
<メリット2>複数のデバイスで利用できる
従来のメールサービスは、社内のサーバーに接続してメール利用します。そのため、社内のネットワーク接続されているデバイスでしか利用できませんでした。
しかし、クラウドメールはインターネット環境さえあれば、複数のデバイスからメールの送受信・確認ができます。社内のパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからでも送受信・確認が可能です。
メールのチェックのためだけにオフィスに帰る必要もないので、従来のメールサービスよりはるかに効率的です。データ移行のための作業もないため、スピーディーに業務を行うことができます。
<メリット3>サーバーを用意する必要がない
クラウドメールは、社外のサーバーを利用するシステムです。
従来のメールサービスは、社内にサーバーを設置する必要がありました。そのため、時間も費用もかかりました。また、サーバーの維持のため、セキュリティ強化や容量の管理などを自社で行う必要がありました。
クラウドメールは自社にサーバーを設置しないため、維持や管理をするコストを抑えることが可能です。さらにセキュリティ強化などの管理も、サービス提供者に行ってもらえることが多いです。サーバー設置の必要がないため、スピーディーに利用を開始できるのもメリットです。
<メリット4>メールの保存できる容量が大きい
クラウドメールは、クラウド上にメールデータを保存します。
クラウド上で大容量のストレージを利用できるので、自社端末の容量を圧迫せずにメールが利用できます。
また、端末上にデータが保存されていないため、万が一端末が故障してしまったという際にも安心です。
さらに、従来のメールサービスは、サーバーサイドにメールのデータを保存できませんでした。そのため、一度に送信できるメールのデータが50MBまでなどと決められていました。
クラウドメールは、大規模サーバーにメールデータが蓄積されます。有料のサービスにはなりますが、容量が無制限与えられることも多くなっています。
メールを保存できる容量が多いと、細かくメールを整理・削除する手間が省けます。
<メリット5>ソフトの更新が不要
自社でサーバーを運用する場合、定期的にセキュリティ機能やスパム対策などの更新を行わなくてはいけません。そのため、自社でサーバーを維持管理するための担当者を任命する必要もあります。
クラウドメールの場合、ソフトの更新などはすべてサービス提供者が行ってくれます。そのため、自社に担当者を置く必要もなく、いつでも最新のバージョンで利用できます。
クラウドメールは、ソフトの更新など細かい管理なく、利用することができますね。
<メリット6>メールのバックアップが不要
自社で行う場合、定期的に自分でバックアップを行わなくては、いざというときに大切なデータをなくしてしまう可能性があります。しかし、日々の業務に追われていると、ついバックアップを忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかしクラウドメールは、メールのデータがクラウド上に保存されるため、バックアップを行う必要がありません。いつもメールの管理で使っている端末が破損してしまった場合でも、ログインIDとパスワードさえ分かれば、ほかの端末からでもログインが可能です。
<メリット7>セキュリティ対策をしやすい
クラウドメールサービスでは、常に最新のセキュリティ対策が行われています。
そのため、自社でウイルス感染やスパム対策などに気をつけることはほとんどありません。
また、メールの暗号化や誤送信対策、情報漏洩対策などのセキュリティツールが一緒に提供されていることも多いです。
<メリット8>比較的コストを抑えることができる
クラウドメールサービスは、自社でサーバーを保有するオンプレミス型に比べて、比較的コストを抑えられるのが特徴です。
クラウドサービスが提供される以前は、自社にサーバーを設置するしかありませんでした。そこへソフトウェアをインストールして利用する形態を「オンプレミス型」といいます。この形態はメリットも多いですが、導入コストと運用コストが多くかかるのが課題でした。
クラウド型は、記事の前半でご紹介した通り、自社内でサーバーを導入・運用・保守する必要がありません。そのためオンプレミス型よりも導入コストや運用コストを抑えることができるのです。またクラウド型は基本的に従量制課金です。使った分だけ支払えばいいので、余分なコストを削減できます。
確認すべきクラウドメールのデメリット
クラウドメールには多くのメリットがありますが、デメリットも介在しています。導入にあたってはメリットだけでなく、デメリットが付くことも理解しておく必要があるでしょう。
ここではクラウドメールのデメリットについてご紹介します。
必ず低コストとは限らない
クラウドメールのメリットとして、比較的コストを抑えることができるとご紹介しました。しかしクラウドメールは、企業の規模や運用方法によっては必ずしも低コストとは限りません。
たとえば、利用人数の多さです。クラウドメールは、利用者の数に応じて課金されることが多いです。そのため数千人規模の社員を有する大企業の場合、ランニングコストを考えるとオンプレミス型の方が安くなる場合もあります。
クラウドメールの導入を考えているなら、自社の規模や必要な案件数をしっかりチェックしておくことが重要です。またプランによって利用料金が異なるので、そちらも確認しておきましょう。
自由にカスタマイズができない
自社にサーバーを用意するオンプレミス型の場合、運用状況に合わせた細かなカスタマイズができます。しかしクラウドサービスはある程度システムやアプリケーションがパッケージングされています。そのためオリジナリティを持たせるようなカスタマイズができないこともあります。
無料クラウドメールと有料クラウドメールを比較
クラウドメールサービスは、無料・有料どちらのものも存在します。クラウドメールは、無料・有料どちらを選ぶべきなのでしょうか。
無料でも、基本的な機能であればほとんど搭載されています。メールの確認や送受信、アドレス帳の管理程度の機能で十分ならば、無料のクラウドメールで問題ないでしょう。
特に個人で利用する場合は、無料のクラウドメールを利用して困ることは、ほぼありません。
しかしビジネスで利用する場合は、無料のクラウドメールの機能では十分といえないでしょう。セキュリティ面を考えても、無料のメールクラウドは基本的な対策は行われていますが、有料のものと比べると強度は劣ります。
また、無料のメールサービスにはないさまざまな機能が搭載されています。
次の項では、具体的にはどんな機能があるのか、おすすめのクラウドメールを例にあげてご紹介します。
クラウドメールの選び方
数多くあるクラウドメールの中から自社に合ったものを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。ここではクラウドメールサービスを選ぶ際にポイントについてご紹介します。
機能性を確認する
自社に必要な機能があるかどうか確認しましょう。また通常のメールサービスのみでよいのか、オプションでほかの機能が付いている方がいいのかも重要です。
たとえばクラウドメールサービスの中には、通常のメール機能のほか、共有や管理に特化したものもあります。どのメールに誰が対応しているのかすぐに分かるステータス機能や、メールアドレスと顧客情報を紐付けることで過去の履歴をすぐに表示できる対応履歴機能などです。これらのサービスは、ECサイトなど日々大量の問い合わせメールに対応しなくてはいけない企業に多く導入されています。「メール共有・管理ツール」と呼ばれることもあります。
自社にどこまでの機能が必要なのか明確にし、最適なサービスを選ぶようにしましょう。
セキュリティの強度
ビジネスで利用する上で重要なのがセキュリティです。メールは顧客と直接情報をやり取りするため、特にセキュリティに気を付けたい部分でもあります。もし一通でも外部に漏洩すれば、大きなトラブルに発展する可能性があります。どのくらいのセキュリティ強度があるのか、どんなセキュリティ対策を施しているのが確認しましょう。たとえば以下のような対策が施されていると安心です。
スパムメール・ウイルス対策
ウイルス付きのメールやスパムメールなどを自動で迷惑メールフォルダに振り分けてくれる機能です。
パソコンがウイルスに感染すると、顧客情報の漏洩、端末の乗っ取りなどが発生してしまう可能性があります。この機能があれば、それらの危険性を未然に防げます。
メールの暗号化
メールは通常、多くのサーバーを経由して受信します。その過程でセキュリティの甘い場所も存在します。そのため悪意のある第三者が、送信途中のメールを不正に利用することも考えられます。
これを防ぐのがメールの暗号化です。メールを暗号化することで、第三者はメールの内容を閲覧できなくなりデータの改ざんなど不正利用を防止できます。
クラウドメールサービスによっては添付ファイルも自動的に暗号化してくれるものもあります。
誤送信対策
人が作成するものである以上、どれだけ気を付けていても誤送信の可能性はゼロではありません。誤送信をしてしまうと多くの人に迷惑をかけるだけでなく、会社の信頼度も低下させてしまいます。
こうした誤送信を防ぐために、メールの「保留機能」や、上司などが一度チェックする「承認機能」などがあれば便利です。これらの機能を活用すれば、誤送信の可能性を最小限に抑えられます。
操作のしやすさ
メール業務は基本的に毎日行うものです。多くの機能を備えていても、操作しにくければ業務効率の悪化にもつながりかねません。あらかじめスタッフで操作のしやすさを確認しておきましょう。
クラウドメールの多くは無料トライアル期間を設けています。これらを利用してあらかじめ操作性を知っておくことで、導入後のミスマッチを防げます。
おすすめのクラウドメールは?
有料のクラウドメールサービスはさまざまな事業者が提供しています。
ここではおすすめのクラウドメールサービスの「メールディーラー」 の機能や導入事例をご紹介します。
メールディーラーはメールの送受信はもちろん、ビジネスにおいて役立つメールの一元管理などのさまざまな機能を備えています。メールを一元管理することで、業務効率化や顧客満足度向上につなげられます。
ではどんな機能があるのか、一部をご紹介します。
メールディーラーの機能
【一元管理・ステータス管理】
日々大量のメールを、管理・対応しなくてはいけない業務では、「誰がメールに対応するか」が重要です。一人ひとりが個別にメール管理を行っていては、対応漏れや重複対応などのミスが発生する可能性があります。
まず、先述した通りメールディーラーを導入することで、大量のメールを複数人で一元管理することができるようになります。メールを一元管理することで、情報の共有が簡単にできるようになり、対応漏れ・遅れ、引継ぎミスなどの問題が発生することを防いでくれます。
また、メールディーラーのステータス管理は、届いたメールを「新着」「返信処理中」「対応完了」とメールを振り分けることが可能です。
また、どのメールをどのスタッフが対応しているのか、一目で確認できます。
【対応履歴の確認】
過去のやり取りを探す時、メールが大量にあると検索に時間がかかります。また、メール共有ができていない場合、担当者しか過去のやり取りが分からないなどの問題も発生しかねません。
メールディーラーなら、Fromアドレスをクリックすることで受信メール・送信メール・電話メモを時系列順に表示してくれます。送信メールを作成する前に、今までどんなやり取りが行われてきたのか簡単に確認することができます。
また、同一のユーザーからパソコンやスマートフォンなど、複数のデバイスから違うメールアドレスで問い合わせを受けることもあります。メールディーラーなら、複数のメールアドレスで問い合わせを受けた場合でも、ひとりの顧客情報に紐づけて管理が可能です。
【安心のセキュリティ】
メールディーラーは、ビジネス利用において不可欠である、高度なセキュリティを備えています。アクセスはすべてSSL経由で行われ、データは暗号化されます。 さらに、定期的な脆弱性診断を行っており、サイバー攻撃による被害を防ぐ取り組みが行われています。
また、メールディーラーのエンジニアが24時間365日監視を行っており、万が一の際にも迅速に対応してもらうことができます。
メールディーラーの導入事例
【Hamee株式会社さま】
Hamee株式会社さまでは、ネットショップの一元管理・在庫管理システム「ネクストエンジン」の開発・販売を行っています。
メールディーラーを、ユーザーサポートと新規の問い合わせ対応に活用しています。
メールディーラー導入前は、違うメールシステムを利用していましたが、機能が少なく動作面や容量に不満があったそうです。また、サポートがメール対応のみで、困ったときにすぐ連絡できず、乗り換えを考えたそうです。
メールディーラー導入後は、問い合わせ対応スピードが明らかに向上したそうです。対応漏れがなくなり、スタッフの帰宅時間が早まりました。またメール対応にかかる時間が減った分、製品開発などほかの業務に充てられるようになったそうです。
さらに、メールディーラーでは手厚いサポートを受けることができるため、導入・運用までスムーズに行うことができました。利用するにあたって不明点があれば、電話とメールで対応してもらえるため、すぐに疑問を解決できます。
【株式会社オズ・インターナショナルさま】
株式会社オズ・インターナショナルさまでは、複数のオンラインショップを展開しています。メールディーラー導入前は、通常のメールソフトを利用していました。BCC送信に手間がかかり、必要なメールを見つけるのに時間がかかってしまっていました。
年中無休でメール対応を行うために、土日は当番制で対応していたそうです。
メールディーラー導入後は、ほかのスタッフの対応状況を把握できるので、口頭で確認する手間が省けました。またBCC共有を廃止したことで、不要なメールが入ってくることもなくなりました。さらに外出先でもすぐにメール業務が行えるので、土日に対応する負担が軽減されたそうです。
【株式会社マクロミルさま】
株式会社マクロミルさまでは、自動ネットリサーチシステム「AIRs」などのリサーチサービスを提供しています。リサーチに協力しているモニター会員からの問い合わせ対応にメールディーラーを導入しています。
導入前は、システムの変更などを行うと、メールの数が急増していました。それを複数のスタッフで対応すると、返信漏れや重複対応が起こる問題が発生していました。
会員数が増えることに比例してメールの数も増え、顧客一人ひとりと向き合う時間が短くなったことを課題としていました。
導入後は、メール業務が効率化され、複数のスタッフで無理なく対応できるようになったそうです。また、効率化により顧客一人ひとりに対応する時間が増え、真摯な対応ができるようになりました。
さらに、「承認機能」を使いOJT教育をすることで、対応速度を落とさずに人材教育ができるようになったといいます。
まとめ
クラウドメールサービスにはさまざまなメリットがあります。
特にメールディーラーは、今回ご紹介した機能のほかにも、ビジネスに有用な機能をさまざま搭載しています。
メールディーラーにはお試し版なども提供されていますので、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。
▼メールディーラーのサービスサイト
https://www.maildealer.jp/
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。