どのような業界業種であっても、顧客への対応業務は必須です。
カスタマーサポートは、特に長期的な視点で企業を見たときに、顧客満足度や信頼感、売上、ブランディングに大きく影響します。今回は、そんなカスタマーサポートの役割や構築のポイントを紹介します。
カスタマーサポートの役割
そもそもカスタマーサポートは、顧客の疑問や不満・不安を解消することで満足度を高め、収益アップにつなげることが目的です。
新規顧客の獲得に注力していた従来型のビジネスは、多額の宣伝広告費や市場開拓の労力など、金銭的・業務的なコストが課題となっていました。そうした中で、注目が集まっているのが既存顧客へのアプローチであり、行う主体がカスタマーサポートです。
カスタマーサポート構築のポイント
カスタマーサポートを構築するためのポイントを大きく4つに分けて紹介します。
KPIの設定
KPIとはカスタマーサポートにおける数量的な目標数値を指します。
目標数値を明確にすることで、数字に基づいて施策の指針策定や人事評価をすることができます。
では、実際にカスタマーサポートで設定されるKPIの具体例を紹介します。
・平均応答速度
・課題解決時間
・課題解決率
・リピート率など
例えば、一次応答までの平均時間をKPIに設定するケースはよくあります。
ある調査では、対応にかかる時間が24時間以上になる場合、顧客は「返信が遅い」と感じるという調査結果が出ています(※)。
顧客から「解決時間が遅い」などの意見が出ている場合は、解決時間の目安をKPIとして定め、達成に向けてフローの見直しを行いましょう。
このように、KPIを設定することで、カスタマーサポートの問題点を明確にすることができるのです。
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マニュアルによるナレッジ共有
カスタマーサポートでは、誰が対応しても同じように高い品質で対応できるよう、体制を整えることが重要です。
そこで役に立つのが対応マニュアルです。
対応をマニュアル化し、カスタマーサポート部門内で共有することで、スタッフ個人の経験やスキルに依存することなく、誰が対応しても同じ品質を担保できます。また、優秀な人材のナレッジを共有することにより、全体的なスキルの底上げを図ることができます。
カスタマーサポートシステムの導入
カスタマーサポート構築のためのシステムは業務をより効率よくしてくれます。カスタマーサポートシステムの導入はぜひとも検討すべきことでしょう。
有用なカスタマーサポートシステムの導入は、企業において非常に重要なポイントです。
次章では、具体的なシステムの紹介をしていきます。
カスタマーサポートの構築に役立つシステム
では実際に、カスタマーサポートの構築に役立つシステムには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは各システムの概要と、どのような場面で役立つのかについて紹介します。
顧客管理システム(CRM)
顧客管理システム(CRM)は、顧客情報の管理・蓄積するためのシステムです。
現在は様々な企業から多くの顧客管理システムがリリースされていますが、多くのシステムでは下記のような機能が搭載されています。
・顧客管理機能
・顧客分析機能
・営業活動管理機能
・リード抽出機能 など
顧客管理機能とは、顧客情報やこれまでの取引記録などを管理し、顧客分析機能は蓄積した顧客情報から顧客の傾向や売上の推移などを分析し、可視化することができます。
活動管理機能では、カスタマーサポートや営業担当者が行った顧客対応の履歴を記録することができます。
さらに顧客管理システムによっては、問い合わせ管理機能、メール配信機能、集客・マーケティング機能など、顧客情報をマーケディングに活用することも可能です。
FAQシステム
FAQとは、Frequently Asked Questionsの略で、「頻繁に尋ねられる質問」のことをいいます。「よくある質問」と表現されることもあり、ECサイトや企業サイトに設置されているのを目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
FAQは、顧客向けとして(社外用)、オペレーター向けとして(社内用)、2つの使い方ができます。社外用(顧客用)にFAQを設置すれば、顧客の自己解決を促すことができることから問い合わせ件数の削減や、営業時間外でも問題解決できるため、顧客満足度の向上などが期待できます。また、社内用(オペレーター用)に設置すれば、ナレッジの共有・蓄積を図ることができるため、業務効率の改善や対応品質の均一化が実現できるでしょう。
そんなFAQの運用・管理をスムーズ行えるようにするのが「FAQシステム」です。
FAQシステムの機能は、以下の2つに分けられます。
・FAQの検索機能
・FAQの管理機能
検索機能はその名の通り、FAQの検索性を高めるためのものです。検索性に問題があると、「せっかくFAQを設置しても、なかなか使ってもらえない」ということになりかねません。FAQを設置するにあたって、「顧客・オペレーターが、いかにスムーズに情報に辿り着けるか」が重要なのです。最近では、検索精度を高めるためにAIが活用されているシステムも登場しています。
管理機能は、FAQの運用側に役立つ機能で、登録・変更・分析などの作業を簡単に行うことができます。
チャットボット
チャットボットは「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、人工知能を活用した「自動会話プログラム」を意味します。カスタマーサポートの窓口として公式サイトに設置することで、自動応答機能を使って顧客の自己解決を促すことができるようになります。
よくある簡単な問い合わせはチャットボット、重要度が高い質問やイレギュラーな対応が必要な問い合わせはスタッフが電話対応と役割分担をすることで、スタッフの負担軽減や業務効率化に繋がります。
さらに、深夜や早朝などのサポート対応時間外でも、チャットボットで対応ができるようになるので、日中電話をかけづらい環境にある顧客には特に喜ばれるでしょう。
メール共有システム
メール共有システムは、カスタマーサポートなど複数名で分担してメール対応を行う部門向けに開発されたメールシステムです。社内における情報共有・コミュニケーションを円滑に運び、人為的なミスを減らすことができます。
顧客管理システムと同様に、現在では様々な企業からリリースされていますが、メインとなる機能は下記の3つです。
・複数チャネルの問い合わせを集約(メール・電話・チャット・公式LINEなど)
・問い合わせ対応の進捗状況をチームで共有管理
・担当領域を明確にする担当者を振り分け
GmailやOutlookなどの一般的によく使われるメールシステムは、カスタマーサポート業務には適していないケースも多く、運用方法や設定方法による工夫が必要となります。
メール共有システム「メールディーラー」
ここからは、メール共有システムでおすすめの「メールディーラー」を紹介します。
メールディーラーには、カスタマーサポート部門に役立つさまざまな便利機能が搭載されていますが、中でもメールの対応進捗管理が行えるステータス管理機能が優秀です。
例えば、メールの「返信」ボタンを押すと、ステータスが自動で「対応中」に変わり、別のスタッフが対応中のメールを操作しようとすると「○○さんが返信処理中です」と警告メッセージが表示されます。このように対応状況がリアルタイムで共有されるので、対応漏れや重複対応などの人為的ミスを防止できます。
また、メールや電話、チャット、LINEなど複数のチャネルを集約し、過去の対応履歴をワンクリックで時系列に一覧表示できるため、担当外の顧客でもスムーズに状況を把握できます。
顧客が複数の異なるメールアドレスから問い合わせをした場合も履歴の管理が煩雑になりません。
新たにカスタマーサポートを構築する方や、体制の強化を図りたい方は、ぜひ一度ご検討ください。
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