業務効率化を目指す過程で、大量に受信するメールに頭を悩ませる方は少なくないでしょう。
メールの閲覧・返信などをスムーズに実施したり、フォルダ分けなどの機能を活用したりすることで、メール対応に掛かる労力は確実に削減できます。
この記事では、主要なメールソフトを対象に業務効率化に役立つ機能の紹介と、その使い方を解説します。
メールのムダをなくして効率化できると?
日々のメール対応に時間を取られて残業が増えたり、そのほかの業務に使える時間が少なくなったりすることは、企業・従業員の双方にとって避けるべき事態です。メール対応の業務を効率化できると、生産性の向上や顧客関係の改善といったメリットを得られます。
ここでは、メールのムダをなくして効率化が実現できると、どのような効果が期待できるのか、詳しくご紹介していきます。
生産性の向上
メール対応に使う時間を短縮することで、営業活動や製品開発などに使う時間を確保しやすくなります。近年は労働者人口の減少や働き方改革の推進などに伴い、業務効率を改善することが重要になっています。
働き方改革は、労働生産性の向上・離職率の低下・従業員満足度の向上を主な目的とした取り組みです。国を上げて、全国の企業がこうした目標の達成のためにさまざまな取り組みをしていますが、メール業務の効率化は比較的手がつけやすく、働き方改革のための第一歩と言えるでしょう。
顧客関係の改善
メール対応を効率的に行うことで、顧客関係の改善を期待できます。
BtoB・BtoC企業ともに、顧客に良い印象を与えるには返信対応をスピーディーに、かつ正確に実施することが重要なのです。
顧客関係の改善が実現できれば、アップセルやクロスセルも期待でき、売上にもいい影響を与える可能性も考えられるでしょう。
従業員満足度の向上
メール対応に使う時間を短縮することで、従業員は営業活動や資料作成といった仕事に時間を割きやすくなります。業務の効率化を図ることで、残業を削減する効果が見込めます。
メール対応・管理を実際に効率的に行うには、メールソフトの種類に応じた機能を適切に使いこなすことが重要です。
次章からは、メールソフトの種類別に業務効率化を図ることができる具体的方法をご紹介していきます。
《Gmail版》ムダをなくしてメール作業を効率化
Gmailは、メールを整理・分別するさまざまな機能が備えられているWebメールサービスです。Gmailを扱う上で、知っておくと便利なメール管理の効率化方法をご紹介します。
ショートカットキーを使いこなして効率化
Gmailは、ショートカットキーによって、さまざまな機能を呼び起こすことができます。
アプリの設定メニューから「全般」のタブをクリック、「キーボードショートカットキー ON」の設定を有効化することでショートカットキーを使えるようになります。 なお、ショートカットキーの変更を行いたい場合、アプリの設定メニューから「詳細設定」を選択し、「カスタムキーボードショートカット」を有効にすることで、キー割り当てを変更できるようになります。
では、ここからはGmailを使用する上で、使用頻度が高いショートカットキーの一部をご紹介します。なお、Gmailのショートカットキーを詳細に把握したい場合には、Gmailを開いた状態で「?」キーを押して操作案内を表示する、あるいはGoogle公式ホームページからGmailヘルプを参照することをおすすめします。
- 新規作成:cキー
- 1件新しいメール:nキー
- 1件古いメール:pキー
- 次のページ:g+nキー
- 前のページ:g+pキー
- スレッドを開く:oあるいはEnter
- 新しいスレッド:kキー
- 古いスレッド:jキー
- 送信:ctrl+Enter
ラベルを活用して効率化
Gmailのラベル機能は、メールを効率的に管理する目的を持った機能です。
Gmailにフォルダ機能はありませんが、ラベル機能によってメールを整理しながら管理できるようになります。また、ラベルは1通のメールに複数付けたり、複数の色に分けて管理したりできることが特徴です。
ラベルを新規作成するには、Gmailの画面左側にある「もっと見る」をクリック、続いて「新しいラベルを作成」を選択して、ラベルの名称を入力することでラベルを作成できます。作成したラベルをメールに付加するには、メールを選択した状態でラベルアイコンをクリック、次に付加したいラベルを選択して「適用」をクリックすることで操作完了です。
さらに、ラベルの色を変更したい場合、Gmailの画面左側にあるラベルを選択して、ラベル名の右側に表示されるボタンをクリックします。次に色を指定・選択すると、ラベルの色を変更できます。Gmailでは、ラベル機能とキーワード検索を併用することで、分かりやすい形でメールを抽出できるようになります。
例えば「A社」「B社」「案件」の3つのラベルを使い分けることで、A社とB社の案件に関するメールを個別に管理できます。Gmailでは全てのメールが1つのフォルダにまとめられているので、特定のラベルが付いたメールを1回のキーワード検索で全て抽出できることが特徴です。
《Outlook版》ムダをなくしてメール作業を効率化
Outlookは、さまざまな企業で導入されているメールソフトのひとつです。Outlookを効率的に使いこなすことで、メール対応をスムーズに行うことできるでしょう。
ここでは、使用頻度が高い「クイック操作」と「定型文」機能の活用方法に関して解説します。
クイック操作の登録で効率化
Outlookでは、特定の操作を「クイック操作」として登録することができ、これを活用することでメール対応を大幅に効率化できます。
クイック操作とは、複数の操作をOutlookのシステムに登録し、特定のキーを押すことでまとめて実行する機能です。クイック操作を適切に活用すると、特定の宛先へ定型文を入力したメールを送信したり、メールを転送したりするなどの操作をショートカットキーで行えるようになります。クイック操作は複数作成・登録できるので、使用頻度が高い操作を登録することで、Outlookを用いたメール対応を効率的に実施できます。
定型文の登録で効率化
使用頻度が高い文章を定型文として登録することで、メール対応に要する時間を短縮できます。Outlookで定型文を作成するには、登録する文章を範囲選択して直接登録する方法がおすすめです。
まずは登録したい文章を入力した後、範囲選択してからOutlookの「挿入」タブをクリックします。次に「クイックパーツ」のをクリック、「選択範囲を定型句ギャラリーに保存」へアクセスします。そして、定型文を呼び出す時に用いる単語を入力することで、定型文の登録は完了です。
比較的短い挨拶でも、定型文を活用することでメールの作成時間を短縮できます。
例えば、「お世話になっております。○○株式会社の△△です。」という文章を「おせわに」と入力した時点で予測変換できるようにすると、入力時間を短縮できます。たった数秒の短縮ではありますが、そういった積み重ねで効率化を図ることができるのです。
《Thunderbird》ムダをなくしてメール作業を効率化
Thunderbirdは、Mozilla社から提供されているオープンソースのメールソフトです。拡張性に優れており、幅広い使い方に対応しています。
では、Thunderbirdを活用してメール業務を効率化する方法を解説します。
アーカイブの活用で効率化
Thunderbirdでは、削除はできないがフォルダには表示させたくないメールを、アーカイブフォルダへ移動することで個別に管理できます。アーカイブフォルダへ移動したファイルは、受信トレイには表示されないため、すっきり管理できることがメリットです。また、Thunderbirdではサブフォルダを複数作成できるので、メールの種類別に仕分けられるようになっています。
Thunderbirdのアーカイブ機能を使用するには、移動するメールを選択した状態で「A」キーを押すか、メールを選択した状態で差出人表記の横に出てくる「アーカイブ」のボタンを押す必要があります。また、アーカイブフォルダ内にサブフォルダを作成するには、「アーカイブ」をクリック、「新しいサブフォルダ」を選択します。フォルダの保存場所と名前を決定したら、「フォルダを作成」をクリックすることでサブフォルダの作成は完了です。
なお、メールが突然見当たらなくなった場合、誤ってアーカイブへ移動させた、あるいはごみ箱に移動させたことが考えられます。ミスを防ぐには、定期的にアーカイブを確認する習慣を付けることをおすすめします。
アドオンのインストールで効率化
Thunderbirdは、多数のアドオンが利用できることが特徴のメールソフトです。Thunderbirdにアドオンを適用するには、同アプリのアドオンがまとめられたWebサイトからダウンロードする、あるいはThunderbirdの起動画面上から直接アドオンを検索する方法があります。ここでは、Thunderbirdの起動画面からアドオンをインストールする手順をご紹介します。
最初に、メニューボタンから「拡張機能」を選択します。次に、検索ボックスにダウンロードしたいアドオンの名称を入力し、虫眼鏡のアイコンをクリックします。ダウンロードしたいアドオンが検索結果のリストに表示された場合、対象のアドオンを選択して「インストール」ボタンをクリックすることでインストール操作は完了です。アドオンの種類によっては、Thunderbirdを再起動する必要があるので、再起動が必要かどうかはインストール前に確認しておきましょう。
メールを共有管理すれば効率化できる!?
メール対応・管理業務にかかる時間を短縮するには、社内でメールを共有管理する方法が有効であり、おすすめです。近年では、メールを共有管理でき、さらに便利な機能を多く搭載した「メール共有システム」が注目を集めています。
ここからは、メール共有システムの概要と、おすすめのシステムをご紹介します。
メール共有システムとは?
代表アドレスに届いたメールを、複数スタッフで共有管理することができるシステムを、「メール共有システム」といいます。新着メールを組織単位で確認できるようになるので、重複返信や対応忘れ等のミスを防ぐ効果が見込めます。
特に、メール対応を複数人で実施している場合、「誰も返信していないと思ったら、すでに返信が完了していた」「誰かが返信していると思ったら、誰も返信していなかった」などのミスが発生してしまうことも多いでしょう。メール共有システムでは、搭載された機能でこういったミスの発生を防ぐことができるのです。
おすすめシステム「メールディーラー」
メール共有システムを導入する際には、直感的に扱いやすく、自社にとって必要な機能を備えている製品を選ぶことをおすすめします。
株式会社ラクスが提供する「メールディーラー」は豊富な導入実績を持ち、メール業務の品質底上げが期待できるクラウド型メール共有システムです。メールディーラーは、サポート体制が整っていることも特徴で、こういったシステムの導入に慣れていない、社内にITツールに詳しいメンバーがいないなどの不安がある場合でも、スムーズに運用が開始できます。
ここでは、メールディーラーに搭載されている機能を2つ簡単にご紹介します。
対応履歴管理機能
メールの「Fromアドレス」をクリックすると、過去のメール送受信履歴・電話メモ・チャット履歴を時系列順で確認できます。また、メールディーラーでは、顧客1人が複数のアドレスを使っている場合でも、顧客ごとにまとめて履歴を管理できることが特徴です。
外部システム連携機能
メールディーラーは、既存のシステムとAPI連携を行えるようになっており、メール対応業務をスムーズに効率化できることが特徴です。日本国内の主要な受注・在庫管理システムに対応しており(※)、小売・EC業を含む多数の国内企業にメールディーラーは導入されています。
(※)連携可能システムに関しては、メールディーラーにお問い合わせください
下記よりダウンロードできる資料では、メールディーラーの詳細機能をさらに詳しくご紹介しています。無料でダウンロードできるので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
労働者人口の減少が続いている現在、時間を取られやすいメール対応業務の効率を向上させることは多くの企業にとって優先するべきタスクであるといえます。
メール対応業務を効率化するには、メールソフトごとに実装されているショートカットキーや管理機能などを適切に活用することがポイントです。
また、より簡単にメールの共有管理を行いたい場合は、メール共有システムを導入することをおすすめします。メール管理業務の効率化を図りたい方は、ぜひ今回ご紹介した操作方法やメール共有システムを参考にしてみてください。
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