今回はカスタマーサポートの重要性を考える上で大変参考になる、Publixという企業の取り組みについて紹介します。アメリカでは毎年カスタマーサポートの評価ランキングが発表されており、Publixはそのランキングにおいて栄えある第1 位を獲得した企業です。 Publix は、アメリカのフロリダを中心に展開しているスーパーマーケットで、その卓越したカスタマーサポートとクオリティの高い商品展開で、日本のスーパーマーケットの関係者がたびたび視察に訪れている有名なスーパーマーケットです。今回は、この Publix の行っているカスタマーサポートの事例を基に、顧客満足度向上のヒントを探していきましょう。
従業員満足が、顧客満足につながる
Publix は「正義を無視したビジネスは行わない」という信念に基づき、次のようなカスタマーサポートに対する姿勢を従業員に提示しています。
「まず、あなたの顧客に敬意を示すことからはじめましょう
次に、あなたの同僚を敬いましょう
そうすれば、彼らはあなたの顧客を、あなたと同じように厚くもてなしてくれる事でしょう」
Publix はアメリカでは大変珍しく、従業員の平均在職年数がとても長い会社です。もともとはお客として同社のスーパーを利用していた学生が、そのカスタマーサービスや経営理念に惹かれ、入社に至るケースも多々あり、顧客満足度や従業員の就業意欲が高い企業であると認知されています。そして、同社は株主だけでなく、 従業員も企業の利益に連動して配当がもらえる従業員持株企業の形態を採っています。同社は、それが結果的に顧客へ還元されていくと考えているのです。
質の高いカスタマーサービスに重要なのは、同僚に対しての敬意
短期間での人材育成は困難であるため、顧客に向き合う担当者が離職し、頻繁に交代してしまうというのは、 企業として非効率と言えます。離職率が低ければ、スタッフが従事する仕事に必要なスキルは向上していくでしょう。つまり、カスタマーサポートのレベルとカスタマーサポートに従事する人材の在職年数はある程度の関連性があると言え、従業員に満足して長く働いてもらうことのできる職場を作る必要があります。
先に紹介した通り、Publixは、同僚に対しても敬意を持つことで、どの顧客に対しても同じような行動をとる事が出来ると考えています。その根底には、心のこもったおもてなしはどの顧客へも繋がっていく、という経営理念があるためで、カスタマーサービスにおいても顧客や同僚といった区別はなく、ビジネスは人と人との繋がりが最も重要なポイントであるという認識なのです。
より高い顧客満足度獲得に向けた取り組み
Publix は顧客が満足のできなかった商品については、基本的にほぼ全ての商品の返品を受け付けています。同社の顧客満足に対するポリシーは、「企業側の都合よりも顧客側の都合が優先されるべきであり、もし顧客が満足出来なければ、返品希望に応じて速やかに返金手続きを行う」というものになっています。そして、そこには当然メリットも存在しています。顧客からの返品希望をすべて受け付けるわけですから、返品ポリシーの確認や、上司への相談といった業務フローにに煩わされることなく、スムーズな対応が可能になります。そして結果的に、我々が返品対応に対して想像しているよりもずっと少ない額の損失で済ませることができます。
すべての返品を受けつけるというのはなかなか難しいですが、従業員が誇りをもって仕事に取り組んでいるという点は、 是非参考にしたいところです。
顧客満足度を向上させられれば、新規顧客獲得に必要な広告宣伝費の削減と、ライフタイムバリュー(LTV)の増加が期待できます。
カスタマーサポートが顧客に与えている影響を社内で共有し、社内理解を得ながら、より望ましいカスタマーサポートを構築しましょう。
参照サイト:https://www.happyfox.com/blog/how-to-create-killer-customer-service-models-learn-from-publix/
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