社内に存在するナレッジ・ノウハウは、企業の生産性向上・業務効率化を実現するのに欠かせない貴重な資産です。その重要性に着目して、近年では社内での情報共有の促進・活性化に取り組む企業が増えてきています。
当記事では、社内の情報共有の重要性・促進するメリット・不足している場合の問題点・効率化する方法・活発化する方法についてご紹介していきます。
社内の情報共有の効率化・活性化に関心がある方や、これから実践していく方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
社内の情報共有はなぜ重要?
社内の情報共有の重要性・必要性が叫ばれていますが、そこにはどのような理由があるのでしょうか。
社内での情報共有が重要であるとされているのは、いざ情報が必要となった時にスムーズに探し出すことができず、情報を有効活用することができないためです。詳しくは後述しますが、情報のスムーズな活用ができなければ、企業活動にさまざまな弊害をもたらし、生産性や業務効率は大幅に低下してしまいます。
社内の情報資産・知的資産は円滑な企業活動を行うための源泉です。非効率な状況に陥るリスクを回避するためにも、生産性を高めてビジネスを成長させるためにも、情報共有の在り方については常に改善を重ねていくことが重要となります。
社内の情報共有を徹底することで得られるメリット
社内の情報共有は、上述の通り組織が活動していくうえで非常に重要な取り組みであるため、強化することでさまざまなメリットを得ることができます。
ここでは、社内の情報共有を徹底することで得られる具体的なメリットについて解説します。
組織の知識を底上げ
社内には、そこで働く社員が業務経験で培った貴重な知識が多数存在しています。しかし、情報共有が行われていないとこれらは個人での活用に限定されてしまい、他の社員が業務に活かすことができません。
情報共有を行うと、個人が持つ貴重な知識や専門的な知識を社内全体で活用することができるため、組織全体の知識レベルの底上げを行うことが可能となります。個人レベルでは情報の獲得も活用も限界がありますが、情報共有によりその上限を突破することができます。
業務効率化
社内での情報共有を推進すれば、個人が活用できる知識の幅も質も大幅に向上させることができます。業務経験や能力値によるパフォーマンスの差や業務ロスも低減され、個人・チーム・組織の業務パフォーマンスを大幅に向上することが可能です。より少ない時間・リソースでより大きな成果を得ることが可能となります。
結果として企業・組織としての業務効率化・生産性向上を実現できることが大きなメリットです。
教育や引継ぎの効率化
企業活動において人材は最重要な経営資源であるため、新たに採用した人材の育成や異動・離職に伴う引継ぎは非常に重要な業務であり必ず発生する業務でもあります。しかし、人材の教育や引継ぎを人力で行うとなると、多くの時間・労力を浪費して担当した人材の業務リソースを圧迫してしまいます。
FAQ・マニュアルなど教育や引継ぎに活用できる情報共有の仕組みが整備されていれば、新たな人材はある程度自身で業務内容・業務フローを把握することが可能となり、指導に要する時間や労力の大幅な削減が可能となります。教育や引継ぎを効率化して人材の早期戦力化を図れることが大きなメリットです。
意思決定速度の向上
社内に情報共有の仕組みが整備されていない場合は、口頭による情報伝達や確認を経て意思決定が行われるため、意思決定までに時間がかかります。情報が伝達されている途中で個人の主観が入り混じって内容が歪曲される場合もあります。
システムやツールを活用した情報共有の仕組みを構築しておけば、リアルタイムで全社的な情報共有が可能となるため、的確かつ迅速な意思決定を行うことができます。
現代のビジネスで成果を収めるには、スピード感を持ってビジネスを推進していくことが重要であるため、意思決定の速度・確実性を向上できることは大きなメリットでしょう。
社内の情報共有が不足している場合の問題点
社内の情報共有が不足していると、企業活動においてさまざまな問題が生じます。情報共有の重要性を認識するためにも、情報共有を強化してリスクを払拭するためにも、情報共有不足により生じる問題を把握しておくことが重要です。
以下に、具体的な問題点について解説していますので、ぜひご参考下さい。
業務効率の悪化
社内の情報共有が不足している場合にまず考えられる問題点が、業務効率の悪化です。情報共有が不十分だと、業務の推進や問題解決に必要な情報をスムーズに得ることができず、多くの時間を要したり業務が停滞したりといった状況に陥るためです。情報不足に直面した社員は上司や同僚に相談したり自身で調べたりして解決を図るしかなくなるため、不要なリソースを消費する機会も増えてしまい極めて非効率です。
社内全体の生産性やパフォーマンスも著しく低下するため、このような状況に陥る前に情報共有の課題は解決しておく必要があります。
属人化とは、組織内で業務の方法や進捗などを特定の人物しか把握していない状態のことです。情報共有が行われていないと、特定の人物に業務が集中したり知識やノウハウが偏ったりといった問題が生じ、社内の生産性や業務効率が著しく低下します。
また、業務や状況を把握している担当者が不在の場合や離職した場合には、情報がブラックボックス化して業務がストップしたり問題解決が難しくなるといったリスクもあります。
属人化は企業活動を大きく阻害する要因となるため、情報共有の推進により解決を図っていくことが重要です。
顧客満足度の低下
情報共有が十分に行われていないと、顧客満足度や企業に対する信頼性も低下してしまうという懸念があります。
顧客はいかなる場合も迅速で十分な対応を企業に対して期待しているため、商品・サービスの提供や問い合わせへの対応に時間が掛かったり対応品質が低かったりすると、簡単に企業に対して不満やストレスといったネガティブな感情を持ってしまうためです。
一度失ってしまった顧客の信頼や満足度を回復するのは非常に困難です。企業活動において大きなマイナスとなるため、常にスピーディーで十分な対応を行えるように、情報共有の仕組みや体制を整えておくことが重要となります。
社内の情報共有を効率化する方法
社内の情報共有を効率化・活性化する意義やメリットについては理解できたけれども、具体的にどのような方法を実践すれば良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、社内の情報共有を効率化・活性化する具体的な方法について解説します。
ナレッジマネジメントツールを活用する
社内の情報共有を効率化するのであれば、ナレッジマネジメントツールの導入はマストな選択です。
ナレッジマネジメントツールとは、情報共有を効率化するためのエディタ・データベース・掲示板・メッセージ・ファイル共有といったさまざまな機能が搭載されているツールです。基本的にクラウドで提供されているため、オンラインに接続できる環境があれば、いつでもどこでも情報共有を行うことができます。
資料を作成して配布するなどのアナログな方法と比べると、圧倒的に情報共有の効率性・利便性を向上できるため、社内での情報共有を本格化するのであれば必ず導入しておくことをおすすめします。
知識によって共有方法を工夫する
社内で共有・活用される知識には、大きく分けて暗黙知と形式知の2種類があります。
暗黙知
個人の経験・勘・センス・マインドといった言語表現されていない知識やスキル
形式知
文章・言語・図表などを用いて表現された知識・スキル
これらは混在した状態で社内に存在しているため、効率的な情報共有を実現するには、以下のようにそれぞれの知識に合わせて共有方法を工夫することが重要なポイントです。
- 暗黙知⇒だれでも理解できるように形式知へ変換してから共有
- 形式知⇒活用しやすいように、情報鮮度・時系列・種類といった要件で整理してから共有
情報・知識の種類によって扱い方を工夫することで、情報共有も効率化・利便化されて実際の成果にも繋げやすくなります。
情報共有の目的を周知する
情報共有を効率化するには、実際にナレッジマネジメントツールに情報を登録したり登録された情報を活用したりする社内メンバーのリテラシーやマインドセットを高めておくことが重要となります。これらが高まっていない状態で情報共有を推進しても、社内での浸透・定着がなかなか進まないケースが非常に多いためです。
そのため、社内の情報共有の効率化を図るのであれば、情報共有の目的・意義・効果などを事前に周知してコンセンサスを得ておくことが重要なポイントとなります。
社内の情報共有を活発にするために
社内の情報共有を活発化するには、方法論や仕組み作りを実施するだけでは不十分です。いくつか押さえておくべきポイントやコツがあります。
ここでは、社内の情報共有を活発化するために押さえておきたいポイント・コツについてご紹介します。
情報共有を引っ張るリーダーを作る
社内の情報共有は、ツールの導入や仕組み作りを行って組織全体に命じるだけでは、なかなか活性化させることはできません。人は本能的に変化を嫌う性質があるため、今までと同じ行動パターンを崩したくないためです。
そこで重要となるのが、リーダーを抜擢して情報共有の取り組みを牽引させることです。リーダーが社内メンバーを鼓舞して情報共有を促したりサポートを行ったりすることで、徐々に各メンバーも協力的な姿勢を見せるようになります。
積極的な人物からのアシストがあれば、社内メンバーも新しい行動パターンにも馴染みやすいため、情報共有を活発化したいのであれば、知識が豊富で情熱と行動力があるリーダーを抜擢して、推進を任せましょう。
共有のルールを作る
一度形成された社内の文化・風土は容易には変わらないため、情報共有という新しい文化を根付かせて活発化するには、ある程度の強制力を働かせるのも重要なポイントです。
それには、以下のように社内で共通のルールを設け、メンバー全員に遵守させるのが効果的です。
- ヘルプデスクへ問い合わせを行う前には、情報共有ツールを参照する
- 情報共有ツールを参照しても解決できない疑問・質問に限り上司や同僚へ相談する
- 情報共有の方法・手順についてルーティン化して周知徹底する
ルールの周知・徹底についても、上記で設定したリーダーがメンバーを牽引していくことが重要となります。
共有しやすい雰囲気を作る
情報共有を活発化するには、社内の雰囲気も重要です。情報共有を軽視する雰囲気や、共有された情報に対して無関心な社員が多いと、情報の共有も利用も活発化されません。
だれもが気軽に情報をツールにアップロードしたり活用した情報について意見を述べたりできる雰囲気を作り出しておけば、心理的障壁が取り除かれて情報共有も活発化されやすくなります。
情報共有の事例やモデルケースを社員に示すなど、リーダーが率先して情報共有を行いやすい雰囲気作りを積極的に実施していきましょう。
積極的な情報共有を評価する
情報共有が活発化しない大きな理由として、情報提供者の負担が大きいことが挙げられます。共有する情報をツールにアップロードするためには、自身が持つナレッジやノウハウをドキュメントにまとめ上げる必要があり、相応の時間・労力が必要となります。自身の本来の業務を止めてまで情報共有をやりたがらない社員が増えるのは必然とも言えるでしょう。
そこで効果的な打ち手となるのが、積極的な情報共有を評価する仕組みの構築です。インセンティブの付与など具体的な報酬・評価を提供すれば、情報提供者の努力が報われるようになるため、社内の情報共有は大幅に活発化することが期待できます。
メール対応が多い方におすすめ「メールディーラー」
メールや問い合わせ対応を複数人で分担して対応をしている方におすすめのシステムが「メールディーラー」です。
メールディーラーはメール業務で活用するシステムで、メール対応中に共有しておいたほうがよいことやよく使う文面など、気付いた時にすぐ共有できる仕組みがあります。
また、メールディーラーなら社内マニュアルはもちろん、他担当者の対応履歴やよくあるやりとりのテンプレートを簡単に検索し、活用できます。
ここからはメールディーラーについて、詳しく紹介していきます。
メールディーラーとは?
メールディーラーとは、株式会社ラクスが提供するinfo@やsupport@などの共有メールアドレス宛に届くメールを複数人で対応することに特化した問い合わせ管理システムです。
メールごとの対応状況や担当者が、利用ユーザー全員に共有されるため、対応漏れや重複対応を防止できます。
また、メールディーラーは、属人化を防止するための機能を多数搭載しており、その一つとして、社内向けのマニュアルとして活用できる「社内Q&A機能」もあります。属人化防止のための機能を詳しくご紹介します。
メールディーラーの属人化防止機能
メールディーラーは、複数人での情報共有を効率化し、担当者しか把握していない情報があり業務が滞るといった問題を解消します。
ポイント
- 担当者・チャネルをまたいだ過去の対応履歴をワンクリックで確認できる
- メールごとにコメントで対応方針を記録できる
- テンプレートや社内Q&A(社内マニュアル)で担当者全員がノウハウを共有できる
社内の情報共有を徹底していきましょう
企業の生産性向上・業務効率化を実現するには、情報共有の推進は必要不可欠です。効率化・活発化を意識して推進を行えば、より良い結果に結びつけることができます。
企業間競争やビジネス環境の変化が激しい現代は、他社に先駆けてビジネスを推進した企業が優位性を発揮できる時代です。情報共有を徹底することで、現代の企業に欠かせないスピード感も手に入れることができるでしょう。
これから情報共有を推進していく方は、ぜひ当記事を参考にして自社に最適な体制・環境を実現して下さい。
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