企業活動を円滑に行うためには、社内外から日々寄せられる問い合わせに対してスムーズに対応できる体制を整えておく必要があります。そこで重要となってくる施策が、問い合わせ内容の記録と管理の実施です。
当記事では、問い合わせ内容を記録するべき理由、問い合わせの記録と管理を行う方法、問い合わせを記録する際のポイントについて解説します。
社内問い合わせ対応の改善を図りたい方や、問い合わせの適切な管理方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
問い合わせ内容を記録するべき理由とは?
問い合わせ業務の効率化や改善を考えているのであれば、まずは問い合わせの記録からスタートするべきです。
ここでは、問い合わせ内容を記録するべき主な理由について解説します。
現在の対応ステータスを把握するため
問い合わせ対応を円滑に行うには、担当者・対応内容・対応状況・進捗等をステータス管理して、誰もが現在の状況を把握できる状態にしておく必要があります。
問い合わせ内容の記録が行われていなければ、状況の把握も管理も行うことができません。情報の記録を行うことは問い合わせ管理の最も基本的な施策といえるでしょう。
特に複数人での問い合わせ対応を的確かつ効率的に行うには、問い合わせ内容の記録は必ず実施しておかなければなりません。
二重対応・対応漏れを防ぐため
問い合わせ対応においては、受け付けた問い合わせに即座に返信を行えるとは限らず、調査や確認を行った後に返信を行ったり、特定の担当者に引き継ぐため保留にしたりするケースも少なくありません。
問い合わせ内容の記録が行われておらず、対応を行った担当者の記憶だけを頼りに業務を行っていると、誤認や失念により二重対応や対応漏れが発生するリスクがあります。また、記録が残されていないと他の担当者が対応状況を把握することができません。
このような状況に対処して確実な問い合わせ対応を行うためにも、問い合わせ内容の記録は行っておく必要があります。
対応履歴を残すため
問い合わせ対応においては、後から問い合わせの内容を再度確認する必要があるケースや、過去の事例を参考にして対応にあたらなければならないケースも多くあります。
このとき問い合わせ内容の記録が行われていなければ、過去の経験を活かせずに白紙の状態から対応を行わなければなりません。これでは無駄な時間と労力を浪費してしまいます。
問い合わせ対応の履歴を蓄積して、自社の情報資産として活用していくためにも、問い合わせ内容の記録は実施しておくべきでしょう。
解決すべき問題・課題を把握するため
問い合わせ対応部署を円滑に機能させるには、業務上の問題や課題を見いだし、業務体制や業務フローを改善し続けることが重要となります。
問い合わせ内容の記録を行っていなければ、解決すべき問題や課題の把握や分析を行うことができないため、的確な改善を行うことができません。
過去の問い合わせの内容・対応方法・解決の可否といった実際のデータに基づいたPDCAを実践するためにも、問い合わせ内容の記録は行っておく必要があります。
問い合わせの記録管理方法
ここでは、問い合わせの記録方法ならびに管理方法について解説します。これから問い合わせの記録や管理を実践していく予定の方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
Excelを利用する
最も手軽に問い合わせの記録を管理する方法は、OfficeソフトのExcelを使う方法です。Excelでの問い合わせ記録の管理には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
- 誰もが日常的に利用しているソフトウェアであるため、手軽に導入できる
- 多種多様なテンプレートが配布されているため、簡単に管理シートを作成できる
■メリット
- 個々の担当者がシートを管理する必要がある
- 情報共有には手間がかかりタイムラグが発生する
■デメリット
試験的に問い合わせ記録の管理を実施してみたい場合や、小規模な部署の問い合わせ記録の管理に適しています。
スプレッドシートを利用する
Googleのスプレッドシートを活用する方法も、Excelと同じような感覚で手軽に問い合わせ管理を行うことができます。スプレッドシートを活用した問い合わせ管理には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
- 手軽に問い合わせ管理を始めることができる
- リアルタイムで更新されるため共同編集しすい
■メリット
- 不正アクセス等のセキュリティ面での懸念がある
- 高度な問い合わせ管理や規模の大きな問い合わせ管には不向き
■デメリット
小規模な問い合わせ管理を行いたい場合や、Excelでの情報共有に不便さを感じている場合にはおすすめです。
問い合わせ管理ツールを利用する
本格的な問い合わせ記録の管理を実践したい場合は、専用ツールである問い合わせ管理ツールを活用するのがおすすめです。問い合わせ管理ツールの活用には以下のようなメリット・デメリットがあります。
- 問い合わせ管理に必要な機能は全て揃っている
- 大規模な管理や高度な管理を実現することができる
■メリット
- 基本的に有料のツールであるためコストがかかる
- ツール選び・導入・利用メンバーへのレクチャーに労力がかかる
■デメリット
問い合わせ管理の規模が大きい場合、厳密な管理を行いたい場合、Excelやスプレッドシートでは十分な問い合わせ管理を行えない場合には、問い合わせ管理ツールの利用がおすすめです。
問い合わせを記録する際のポイント
問い合わせの記録を確実かつスムーズに行うには、押さえておくべきポイントがあります。以下に解説していますので、これから問い合わせの記録を実践していく方は、ぜひご参考下さい。
記入ルールを決める
問い合わせ内容を記録する際には、記入ルールを設定して担当者全員に遵守させることが重要なポイントです。記入方法を各担当者に任せてしまうと、情報のまとめ方やフォーマットがバラバラになり、情報の質を担保できないためです。
一定のルールに従って記録を行えば、記録される内容を平準化することができるため、管理の効率も情報の品質も確保することができます。後で参照する際にデータを活用しやすくなります。
Excel・スプレッドシートならびに手入力が必要な問い合わせ管理ツールを利用する際には、必ず記入ルールを事前に決定しておくようにしましょう。
常に最新の状況に更新する
問い合わせを記録することで、現在の各担当者の対応状況が可視化されます。その内容はチームで管理され、時には複数人で対応したり、別の担当者に引き継いだりといった調整を行う際の参考になります。
そのため、記録する内容は対応の進行に応じて常にアップデートされる必要があります。
この要件を満たすためには、リアルタイムでの情報更新機能を搭載したツールを選ばなければなりません。汎用ツールを使用するならExcelよりもスプレッドシートがおすすめですし、可能なら有料の問い合わせ管理ツールを使ったほうがよいでしょう。
複数人で共有するならクラウドがおすすめ
問い合わせ内容の記録と管理を複数人で行うのであれば、効率性・利便性を考慮してクラウドベースのツールを選ぶのがおすすめです。
クラウドツールであれば、オンラインに接続できる環境であれば時間や場所を問わず同じ画面で情報の共有を行うことが可能であるため、担当者の人数が多い場合にも問題なく情報の共有を行うことができます。また、テレワーク・リモートワークといった多様な働き方への対応もスムーズに行うことが可能です。
特別な理由がない限り、オフラインで利用するソフトウェアやオンプレミス環境で利用するツールではなく、クラウドで動作するツールを選ぶようにしましょう。
セキュリティ対策を怠らない
問い合わせ内容の記録や管理を行うにあたっては、機密情報や個人情報など社外に流出してはならない情報を多く取り扱うため、万全のセキュリティ対策を講じておく必要があります。
セキュリティ機能が充実したツールを選んで環境の構築を行うことはもちろん、ツールを扱う担当者に対しても、ヒューマンエラーによるリスクを防ぐための対策を行っておくことが重要です。
セキュリティポリシーを設定して各担当者に遵守させることはもちろん、権限付与によるアクセスコントロールや入退室管理といったミスや不正を防止する対策を講じておくことが重要となります。
複数人で問い合わせを管理するなら「メールディーラー」
問い合わせの管理方法にも様々なツールがありますが、複数人での問い合わせを効率化できるシステムを導入するなら、「メールディーラー」がおすすめです。
- チームでのメール共有に特化
- レポート機能で問い合わせ内容の分析が可能
- 用途に合わせて権限や機能をカスタマイズ可能
Point
メールディーラーとは、株式会社ラクスが提供するinfo@やsupport@などの共有メールアドレス宛に届くメールを複数人で対応することに特化した問い合わせ管理システムです。
チーム全員のメールを対応状態ごとに「新着」「返信処理中」「対応完了」のステータスに自動で振り分けてくれます。どのメールにだれが対応しているのかリアルタイムで共有できるので、対応状況がひと目でわかり、メールの見落としや対応漏れを防ぐことができます。
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