情シス(情報システム部門)は、企業のIT活用やIT環境の整備を全面的に担当する部門です。現代の企業活動はいかにITを上手く活用するかによって生産性や業績も大きく変わってくるため、情シスは企業にとって欠かせない重要な存在となります。
ところが、多くの企業の情シスはさまざまな悩みを抱えながら業務に取り組んでいるのが実状です。
当記事では、多くの情シスが抱えている悩み10選、情シスの悩みを解決する方法3選、問い合わせ対応の効率化におすすめの問い合わせ管理システムについて解説していきます。
業務上の悩みを解決したいと考えている情シスの方は、ぜひ参考にしてみてください。
情シスの悩みあるある10選
企業の情シスは日々さまざまな悩みを抱えています。情シスの悩みを解決したいのであれば、まずはどのような悩みがあるのかを理解しておくことが重要です。
ここでは、情シスが抱える代表的な悩みを10つに厳選してご紹介します。
業務範囲が広く量も多い
企業の情報システム部門では、以下のようにさまざまな業務を担当しています。
- 社内システムの開発
- システム・ツールの導入
- 社内インフラの構築
- システム・インフラのメンテナンス
- 端末の設定・管理
- 情報セキュリティ対策
- 障害・トラブルへの対応
- 社内ヘルプデスク
これらの業務が分業化されていれば問題はありませんが、人的リソースに余裕のある企業でない限り、少ない担当者で幅広い業務範囲と多くの業務量をカバーしているのが実状です。
担当者一人あたりの業務範囲の広さと業務量の多さに悩まされている情シスは多く見られます。
社内問い合わせへの対応で1日が終わる
情シスは社内のIT活用の推進やそのための環境の整備が本来の業務となりますが、多くの企業では情シスが社内ヘルプデスクを兼任しているのが一般的です。社内問い合わせ対応の状況次第では、対応に追われるだけで1日が終わってしまい、本来の業務を進めるリソースが確保できないケースもあります。
このような状況に陥ってしまうと、情シスは時間外にシステムやツールの導入・開発・メンテナンスなどを行わざるを得なくなり、負担や疲労が増す原因となります。
対応範囲外の依頼が来ることもある
ITに関する知識が乏しい方の中には、情シスのような専門部署の担当者であれば、ITに関するどのような依頼や質問でも対応可能であると考える方もいます。
確かにIT活用の推進や環境の整備が情シス本来の業務となりますが、ツールの便利な使い方やトラブル対処など、対応範囲外の依頼や質問が来るケースは珍しくありません。Officeツールなどだけでなく、会計ソフト・経理ソフトに関する問い合わせなど、本来であればマニュアルを読んだりベンダーに問い合わせたりするべき内容が寄せられるケースもあります。
このように「社内のITなんでも屋」のように扱われてしまうことも、多くの情シスが抱えるありがちな悩みです。
慢性的な人手不足
情シスはマーケティング部門・セールス部門・生産部門のように利益に直結する部門ではなく、裏方として企業活動を支える部門となります。優先的に人材が配置される部門ではないため、慢性的な人手不足に悩まされているケースは多くあります。特に、人的リソースに余裕のない中小規模の企業においては、一人で情シスを担当する「ひとり情シス」や、専任の情シスが不在の「ゼロ情シス」の状態となっているケースも珍しくありません。
慢性的な人手不足により負担が大きく、また他のさまざまな悩みの解決が難しいことも、多くの企業の情シスが抱えている悩みです。
社内システムがブラックボックス化している
情シスは、システムやインフラを新たに導入するだけでなく、既存のシステムやインフラのメンテナンスや改修を担当する機会も多くあります。しかし、情シス担当者が何度か入れ替わったことにより、社内システムがブラックボックス化しているケースも少なくありません。
システムのメンテナンスや改修を行うには、システム全体の仕様や状況を把握したうえで取り組まなければならないため、ブラックボックス化が生じていると、業務効率は大幅に悪化してしまいます。
情シスは人手不足や多忙といった状況の最中に担当者が変わることが多いため、ブラックボックス化に直面する機会が多いことも、情シスが抱える悩みのひとつです。
障害が再現できない・勝手に直ってしまう
ツールや端末に関する障害のなかには、時間の経過や再起動により簡単に復旧できるものが少なくありません。ITに関する知識を持たない社員は、このような障害に関しても問題を感じて問い合わせを行ってしまうため、情シスの業務負荷が高まってしまう原因となっています。情シスが対応したタイミングで直っているケースや、対応のタイミングで障害の事象が発生しないケースも多くあります。
また、時間の経過や再起動で勝手に直ってしまう事象の多くは再現性がないため、FAQやマニュアルによる自己解決の促進が困難です。問い合わせ件数を削減する手段がないため、状況の改善が難しいことも、情シスを悩ませる要因となっています。
休みを取りづらい
前述のように情シスは慢性的な人手不足に陥っており、限られた人数で大量の業務を抱えているケースが多いため、休みを自由に取りづらい傾向にあります。もしも社内でIT関連の問題や障害が生じた際に情シスが不在であると、最悪の場合業務がストップしてしまうという懸念もあります。
休みを取りづらいためワークライフバランスを保てないことはもちろん、心身の疲労が蓄積しても簡単には休めないことも、多くの情シスが抱える悩みのひとつです。
キャリアアップ・スキルアップが難しい
情シスが担当する業務内容は、在籍する企業の状況や環境により決まります。企業の方針や現状の課題により情シスに割り振られた業務を担当しなければならないため、自身で希望する業務を担当することはまずできません。また、システムやインフラの導入やメンテナンス、社内ヘルプデスク業務など、業務範囲は広いもののある程度固定化されがちな傾向にあります。
このような業務特性から、キャリアアップやスキルアップが難しいことも、情シス担当者が抱える悩みとなっています。汎用的で幅広いキャリアやスキルを身に付けることは難しく、自社内でのみ通用する限定的なキャリア・スキルとなりがちです。
経営層に理解されづらい
情シスはセールス・マーケティングのように直接的に利益を生む部門ではなく、成果をあげても評価を得られる部門ではないため、その価値を経営層に理解されづらい傾向にあります。
例えばシステムやツールの導入・環境構築・メンテナンスを効率的かつ効果的に実施したとしても、理解の無い経営者からは「できて当たり前」と判断されます。反対に、社内のIT環境に問題が生じたり、IT活用の推進が停滞したりすると、マイナスの評価を受けてしまうでしょう。
このように経営者に業務内容や成果を理解されづらく、基本的に加点評価ではなく減点評価であることも、多くの情シスが抱える悩みとなっています。
コスト部門として認識されやすい
ITの有効活用やDX化が重要視されている現代の企業においては、情シスはシステム・ツールへの投資や人件費など、できるだけ多くの予算を確保すべき部門です。しかし、上述の通り情シスは直接的に利益を生まない部門であることから、経営者に理解されずコスト部門として認識されやすいことも、多くの情シスが抱えている悩みとなっています。
予算の増額どころか、コストを更に削減する動きが見られるケースもあります。
情シスの悩みを解決する方法
まさに今、情シスの業務について悩みを抱えており、解決の方法を知りたいという方は少なくないのではないでしょうか。
ここでは、情シスの悩みを解決する実践的かつ具体的な方法について解説します。
情シスの担当社員を増やす
業務量の多さや負担の大きさをはじめとした情シスの悩みの多くは、人手不足による業務リソースの不足に起因しています。そのため、経営的に可能であれば、情シスの担当社員を増やすことで、大幅な状況の改善を実現して情シスの悩みを軽減することができます。
新たに人材を採用するだけでなく、他部署からヘルプの要因を融通してもらうことでも、情シスの悩みの解消や状況の改善に大きな成果が見込めるためおすすめです。
アウトソーシングサービスを利用する
アウトソーシングサービスとは、業務の全部または一部を社外の専門企業へ委託できるサービスのことです。近年ではさまざまなアウトソーシングサービスを提供する企業が登場しており、業務効率化・業務負荷軽減・リソース補完などを目的に利用する企業が増えてきています。
情シスの状況に応じてアウトソーシングサービスを利用することで、情シスが抱えるさまざまな悩みを解決することが可能です。例えば、社内ヘルプデスク業務を全面的にアウトソーシングすることで、コア業務であるIT活用の推進やIT環境の整備に集中することが可能となります。
人材の確保やツールの導入など、自社対応で情シスの課題を解決するのが難しい場合には、アウトソーシングサービスの利用がおすすめです。
効率化ツールを活用する
情シスの悩みの多くは業務量の多さや業務負荷の高さに起因するため、業務を効率化するためのツールを活用するのもおすすめの解決策です。情シスの悩みの解消が見込めるツールには、以下のようなものが挙げられます。
ナレッジ共有ツール
業務に関するマニュアルやノウハウを記録しておけるツール。検索がしやすく、必要な情報を簡単に探し出すことができる。
RPA
パソコンでの定型業務を自動で処理するロボットを作成できるツール。できるだけ多くの定型業務を自動化することで、情シスの業務量を軽減することが可能。
問い合わせ管理システム
複数人での問い合わせ対応の手間を減らし、対応業務を効率化するツール。返信漏れや遅れ、重複対応といった課題を解決でき、混線のトラブルを未然に防ぐことができる。
システムによっては問い合わせ件数を集計できるものもある。集計機能を活用してよくある質問を特定しFAQページに掲載すれば、問い合わせ件数の削減にも貢献できる。
ツールは一度導入すれば長期的に効力を発揮し、担当者の補充やアウトソーシングよりもコストパフォーマンスに優れているのが利点です。情シスの悩みを解決したいのであれば、ツールの活用を優先的に検討してみることをおすすめします。
問い合わせ対応の効率化なら「メールディーラー」
さきほどツールの中で紹介した「問い合わせ管理システム」を導入して情シスの問い合わせ対応を効率化したいのであれば、「メールディーラー」がおすすめです。
Point
- チームでのメール共有に特化
- メールの見落としや返信漏れを防止
- レポート機能で問い合わせ内容の分析が可能
メールディーラーとは、株式会社ラクスが提供するinfo@やsupport@などの共有メールアドレス宛に届くメールを複数人で対応することに特化した問い合わせ管理システムです。
チーム全員のメールを対応状態ごとに「新着」「返信処理中」「対応完了」のステータスに自動で振り分けてくれます。どのメールにだれが対応しているのかリアルタイムで共有できるので、対応状況がひと目でわかり、メールの見落としや返信漏れを防ぐことができます。
また、メールごとに属性情報を付与することができ、メールディーラー上のレポート機能で簡単に集計ができます。
問い合わせ内容を分類しておくと、どういった問い合わせが多いのかを分析することが可能です。分析結果をもとにFAQページを充実させるなど、問い合わせ件数を削減する施策に活用いただけます。
コストパフォーマンスにも優れており、無償で専任担当者によるきめ細かいサポートが付随しているため、初めての方にもおすすめできる製品です。
情シスの悩みを解決して快適に働ける状況を
情シスが抱えがちな悩みと、その解決方法についてご紹介してきました。
情シスは人手不足や業務過多などのさまざまな問題を抱えており、負担の大きさやストレスに悩まされているケースが多く見られます。IT化やDXが推奨される現代社会において、情シスは企業活動の基盤をサポートする重要なポジションであるため、問題や悩みをできるだけ解消して効率的かつ快適に働ける状況を作り出すことが重要です。
現在情シスの状況に課題を抱えている方は、ぜひ当記事も参考にして、課題の解決や状況の改善について検討してみてください。
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