「顧客満足度を上げるためには、対応スピードを上げることが大切」という話は、今ではどこの業界でも当たり前に認識されています。
では具体的に「対応スピードを上げる」には、"何"を"どうやって"上げれば良いのでしょうか。
今回は「メール返信」という側面から、「対応スピード」についてお話したいと思います。
お客様が求める「対応スピード」とは
まず、お客様はメール返信において、「どれくらいの早さ」を求めているかご存知でしょうか。
下記のグラフは、EC通販利用者500名を対象に行った、「企業に問い合わせメールを送った後、どれくらいの返信時間であれば、早いと感じますか?」という質問の回答結果です。
なんと6割以上のお客様が、「60分以内」に返信がないと、「対応が早い」とは思わないようになっているのです。
2011年からの推移でも分かるように、この5年間でお客様が求める「早さの水準」がどんどん高くなっています。スマホやLINEの普及によって、「既読」という感覚が一般的になり、無意識のうちに「セッカチ」になっているのかもしれません。
60分以内で返信するために、計るべき「3つの時間」
「60分以内にメールを返信する」ためには、どんなことを考えなくてはいけないでしょうか?
まずは、メールの返信時間を以下の「3つの時間」に細分化してみましょう
A:メールを受信してから開封するまでの時間
B:開封してから返信メールを作成するまでの時間
C:返信メールを作成し、送信ボタンを押すまでの時間
では、実際の問い合わせ担当者はこの「3つの時間」中に、どんな作業をしているのでしょうか。
更に細分化したものが以下となります。
それぞれの作業に何分間かかっているか把握できていますか?
メール受信から返信までの流れを3つに分解し、更に詳細な作業の所要時間を把握することで、初めて「メール対応業務」における具体的な課題が見えてくるのです。
「3つの時間」に潜む「見えない課題」
Aに時間がかかっている場合
"受付体制"に課題が隠れているかもしれません。
メールを受信した瞬間に、対応を始められる体制ですか?
受信メールボックスの中はキチンと整理され、「どれが対応すべきメールか」一目で判断できていますか?
まずは、メーラーの「受信通知」を使っていち早く受信に気付けるようにすることから始めましょう。
Bに時間がかかっている場合
"マニュアル・業務フロー"に課題が隠れているかもしれません。
「担当者が不在で戻るまで対応が決められない!」という属人化してしまっている仕事は、マニュアルに落とし込み、誰でも対応できる環境を作りましょう。
また、マニュアルはすぐ使える場所に置き、業務に変更があった際はその都度最新の情報に更新することが大切です。
また、「お問い合わせを受け付けた」ということだけを報告する一次対応メールは、自動返信設定をすることで、大幅に時間を短縮することができます。
Cに時間がかかっている場合
"メール教育"に課題が隠れているかもしれません。
返信メールを毎回イチから作成していませんか?
よくある問い合わせや、定型的な返答ができるメールにはテンプレートを使いましょう。
テンプレートは常に実務に則した内容にするために更新することが大切です。
問い合わせが少ない閑散期であれば、60分以内に返信することは簡単なことだと思います。
しかし、繁忙期や担当者が休みの日、新人スタッフが対応した場合にも、全て60分以内に返信できているでしょうか?
「メール返信」のスピードを上げるポイントは、「タイピングの早さ」でも「慣れ」でもありません。
「メール返信」に関連する全ての作業で、どこに何分かかっていて、どんな課題を抱えているのか、シビアに計測をして改善していくことが、会社全体としてのスピードUPに繋がります。
「スグには返信時間を計る環境を整えられないよ!」という方は、
「見えない課題」を見つけるための簡単チェックリストをどうぞ!
課題はドコだ!「簡単チェックリスト」
A:メールを受信してから開封するまでの時間
□ メールを受信した瞬間に通知されない
□ 気が付いた人が順次返信している
□ メールフォルダ上で「未対応・対応済」の判断が一目でできない
□ 「これ誰か対応しましたか?」という口頭確認が必須
□ メールが多すぎて混乱している
B:開封してから返信メールを作成するまでの時間
□ 必要なマニュアルが1分以内に見つけられない
□ マニュアルの内容が古い、更新されていない
□ 「あの人がいないと分からない」業務がある
□ 自分以外の人が対応中の問い合わせは、経緯を把握するのが大変
□ メールが多すぎて一次対応を返すだけで精一杯(自動返信を設定していない)
C:返信メールを作成し、送信ボタンを押すまでの時間
□ テンプレートを使っていない
□ テンプレートの内容が古い、更新されていない
□ 新人が独り立ちするまでに時間がかかる
□ 新人にメールの書き方を細かく教える時間がない
課題は見つかりましたか??
「見えない課題」が隠れているポイントから、地道に業務改善をしていくことで
顧客満足度の向上に繋げることができるのです。
※ほとんど当てはまってしまい、何から改善したら良いか分からない!という方は
是非一度弊社にご相談ください。
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