今回は、今ECで注目されているデータフィード(商品データ)についての具体的な説明と、それを活用した具体的なマーケティング施策について解説します。ECサイトの売上アップのため、新規顧客を獲得するプロモーション方法を探している方、既存の広告パフォーマンスが悪く、新たな販促手法の情報を集めている方、データフィードについて名前を聞いたことはあるけどピンと来ていないという方は、是非読んでみてください。
そもそもデータフィード(商品データ)って何を指すの?
データフィード(商品データ)(※以下、データフィード)に関しては色々な説明がありますが、ECサイトのマーケティング施策における捉え方としては、「自社の商品情報をデータベースとして公開し、外部のサービスと連携させること」を指すケースが多いです。
連携する外部サービスによって詳細は異なりますが、公開が必要になる主な商品データは以下が挙げられます。
上記のような情報は、運営している各ECサイトにおいて独自に管理していることが多いと思いますが、それらを一定のフォーマット上で共通化して外部サービスとの連携を円滑にしていく施策が、一般的にデータフィードと呼ばれています。
具体的に何ができるの?その使い方とメリットの説明
データフィードの活用における懸念事項としては、「自社で保有している商品データを、コストをかけてまで外部に公開するメリットは?」ということだと思います。しかし、データフィードを公開するメリットはとても大きいです。 データフィードのメリットを一言で表現するならば、「ユーザーの趣味嗜好に合わせた、商品単位のマーケティングの実現」です。具体的な例を挙げると、次の2つがデータフィードの主な連携先となります。
1. 商品リスト型メディアへの掲載
商品リスト型メディアの一番わかりやすい例は、価格比較サイトです。価格比較サイトは、ユーザーが指定した条件(テレビ→ブランド名→サイズなど)に基づいて最安値の商品などを紹介するメディアですが、商品数が膨大なため、それらのデータを手動で管理しているわけではありません。
ユーザーのリクエストに応じて的確な回答が提示できるよう、「取扱い商品のデータベース」を構築しているのです。ただし、表示する可能性のある全てのファイルをデータベースに格納すると、膨大なデータ量となってしまいます。そのため、このような価格比較サイトでは掲載元企業のデータフィードのみを取得し、実際にファイルを表示する際には、掲載元企業のwebサーバーから取り込んでいます。また、価格比較サイトの他にも、アパレル事業者向けのアフィリエイトサイト(http://labs.accesstrade.net/atws_fin/fashion)なども同様の仕組みとなっていて、自社ではデータベースを保有しない、疑似的なモール型サイトとなっています。このような、自社では商品データを保有しない形態の外部メディア企業との連携を行うためには、データフィードが必要となります。
2. レコメンデーション型広告との連携
ある商品を閲覧した後に、その商品や類似の商品のバナー広告が表示されていることがありますよね?ここにもデータフィードが活用されています。
各ユーザーの閲覧履歴に応じて表示させるバナー広告のことを、それまでの「静的なバナー」と区別して「動的なバナー」と表現します。「静定なバナー」が固定の画像ファイルなどで構成されていたのに対し、「動的なバナー」の場合は内容がプログラムで構成されています。そのプログラム内でユーザーの閲覧履歴や他ユーザーの購買傾向などを加味し、ユーザー毎に最適な広告を表示することを行っています。
例えば、あるユーザーが「ランニングウェア」の購入を検討し始めた場合、様々なサイトを閲覧することが想定されますが、たまたまあなたのサイトを訪れその場で購入しないケースがあります。そうした場合に、店舗の特典情報などを記載した「静的なバナー」でリターゲティングをかけることは可能ですが、データフィードを導入すると、閲覧したランニングウェアや類似した商品を前面に押し出したバナーでリターゲティングをかけることが可能になり、ユーザー毎により最適化したコミュニケーションが可能となるのです。
始めよう!データフィード
これまでの説明を踏まえて、データフィードを運用するなかで、冒頭にご紹介した「公開が求められる主な商品データ」がそれぞれどのように必要になるかを簡単にご説明します。
それぞれ簡単ではありますが、イメージを掴んでいただけましたか?さらに、どうすればデータフィードを始められるのかご紹介します。まず、前述の商品データを以下の2つの方法のいずれかで、フィードとして連携させるとデータフィードが可能となります。
1. 外部サービスとの直接連携
自社で保有する商品データを、外部サービスの表示フォーマットに合わせて連携させるという方法です。たとえばGoogleが典型的な例ですが、Google Merchant Centerへの登録を行うと、Googleショッピングや商品リスト広告などのGoogleが提供しているデータフィード型のマーケティング施策が可能となります。直接登録をするため、コストは発生しませんが、詳細な仕様を理解する必要があること、商品データの更新を維持する必要があることなど、運用面でのハードルが少し高いのも事実です。
2. ASPサービスの活用による連携
運用コストが発生しますが、設定や運用はこちらのほうが楽です。データフィード自体は、非常に有効な施策である一方で、フォーマットについて大まかな基準はありますが、完全に統一されたものは現状存在していません。そこで、連携先のフォーマットに合わせたデータ作成の手間を軽減することのできるASPサービスが存在します。
こうしたASPサービスは設定や運用のサポートも充実していますので、円滑にデータフィードを始めることが可能です。
また、アフィリエイトサービスプロバイダーの中には、データフィードを活用しているメディアと提携している事が多く、独自の連携サービスを展開しているケースもあります。既にアフィリエイトサービスを利用されている場合には、サービスプロバイダーへ問い合わせをしてみると、すぐに始められる場合もあります。
いかがでしたか?
今回は、データフィードの基本とその活用法についてご紹介させていただきました。この記事があなたのECサイトのマーケティングにお役に立ちましたら幸いです。
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