「実際、ECサイトってどうやって立ち上げるの?始めるためには何が必要?」
そんな疑問に答えるべく、ECサイト立ち上げの流れを全4回でお届けします。私が実際にECサイトの立ち上げを支援した、新宿のとあるレストランを例に、「街のレストランがECを始める場合、どういう手順で進めるべきか?」を具体的に説明していきます。
これまでの3回で、実際にECサイトを始める前に行う準備を紹介してきましたので、シリーズ最終回は、ここまでの流れを整理し、まとめます。
【基本を固める】ECサイトの骨子となるストーリーを作る
今回立ち上げたECサイトの骨子となるストーリーをおさらいします。
とある町のレストランが、自家製にこだわった「野菜たっぷりのパスタソース」を、普段お店に来られない「小さいお子さんがいる主婦の方」に、手軽に味わっていただくためにECサイトを立ち上げて販売することにしました。「小さいお子さんがなかなか野菜を食べない」という悩みにもちょうどマッチするためきっと喜んでもらえるはずですが、本業のレストランの営業があるので、すぐには多くの問い合わせや注文への対応は難しいということから、最初はレストランのお客様や知人を中心に口コミでの拡販を目指します。そのために、まずは無料のお試し商品を用意し、アンケートで顧客の声を集めつつ、好意的な評価をしてくれたお客様にクーポンやメルマガなどを用いて、リピート顧客になってもらう仕組み作りを目指します。
サイト運営の基本となる部分ですので、このように、文字に起こして整理しておきましょう。
【ヌケモレを防ぐ】リストでチェックする
骨子となるストーリーが決まると、キャッチコピーやバナー、同梱物といったさまざまな制作物やマーケティングプランを考えるときに、それを軸にして判断することが出来るようになります。
例えば今回のケースであれば以下のようなものが考えられます。
- 制作する販促物はターゲットにマッチしているか?
- ECサイトはターゲットが使いやすいようになっているか?
- ECサイトや同梱物で顧客の疑問(原材料)などを網羅できているか?
- 問い合わせへの導線はわかりやすいか?
- メールでの問い合わせが望ましい旨を記載しているか?
- おいしい食べ方を提案できているか?
- アンケートは答えやすいように設問になっているか?
- クーポン等の案内メールにお得感を感じられるか?
このように、ストーリーが出来ていれば施策を進める際の様々なシーンで、判断基準になります。「“買いやすいECサイト”を目指すための継続的な仕組み作り」が、ECサイトを成功させる上でとても重要です。
【大切なこと】ECサイトオーナー自らが取り組む
最後に今回のECサイト立ち上げにあたり、必要になるものをまとめます。
- 商品サンプル
- サンプル同梱物(アンケート誘導付)
- 商品販売ページ
- 本商品同梱物(レシピや商品詳細説明など)
- 顧客向けメールマガジン
- ショッピングカート
このように、立ち上げに最低限必要なものは実はそれほど多くありません。ここまで読んで下さった方であれば、それよりも“これらをいかに活用し機能させるか?”ということがより重要であることをご理解いただけているかと思います。
今回は、レストランのオーナーから偶然ECサイトの立ち上げを相談されたことがキッカケとなり、「自分だったらどういった企画をするか?」という視点で必要な準備と考え方をまとめてきました。私自身、これまで数多くのECサイト運営を支援させていただいた経験を元に考えたプランですので、それなりに自信はありますが、勿論、マーケティング手法に100%の勝ちパターンというものは存在しません。資本・商材・ニーズ・競合性、など前提条件は千差万別です。
ただ、これまでの経験から一つ言えるのは、成功しているECサイトの運営者に共通しているのは「自ら立てた仮説を実施し、検証を繰り返している」ということです。
最初はわからないことが多いのは当たり前です。そもそもネット自体が苦手な方もいらっしゃるでしょう。
しかし、改善の種となるデータがすぐに手に入るということが、実店舗にはないECサイトの大きな利点です。
毎日数字を見ながら、仮説を立て小さな改善を積み重ねていきましょう。
以上、ECサイトの立ち上げに関して連載させていただきました。
こちらの記事があなたのECサイト運営に少しでも役立つことを祈っております。
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