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コールセンターでのクレーム対応のコツは?発生要因や対応手順も解説

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コールセンターでのクレーム対応で何よりも大切なのは、お客様の心情に寄り添い、最後まで話を聞くことです。また、コールセンターに電話をかけている時点で、怒りの感情を抱えているお客様が多いため、不用意な発言は避けましょう。本記事では、クレーム対応のコツや発生要因、対応手順などをまとめました。

この記事の目次

    苦情とクレームの違い

    苦情とクレームの違いは、お客様が会社の対応を求めているか否かという点にあります。苦情は、自社のサービスや商品などに対する不満が顕在化したものです。これに対して、クレームは、自社のサービスや商品などに対する不満の深刻度が増し、会社からの対応を求めている状態を指します。クレームは、苦情が深刻化したものと捉えるとよいでしょう。

    苦情とクレームは、お客様が会社に対して求めるものが異なるため、本来は明確に区別してリスクマネジメントを行う必要があります。

    クレームが発生する主な原因

    クレームが発生する原因はさまざまです。適切なクレーム対応を行うには、クレームが発生する原因を理解することが大切です。クレームが発生する原因としては、主に以下の4点が挙げられます。

    • 商品・サービスのクオリティ
    • 担当者の態度
    • 売り手・サービス提供側のルールの押しつけ
    • お客様の勘違いやミス

    それぞれの原因を解説します。

    商品・サービスのクオリティ

    商品やサービスのクオリティに問題があると、クレームの原因となる可能性が高いです。お客様が購入した商品やサービス自体に不具合があった、注文したものと異なる商品を送ってしまった、到着日が遅れるなど対応に不手際があった、請求金額が違ったなどのケースが該当します。

    いずれのケースでも、商品やサービスのクオリティがお客様の抱いていた期待を下回ったときに起こるといえます。

    担当者の態度

    セールス担当者の態度に気を悪くしたお客様が、クレームを入れるケースも多くみられます。セールス担当者の話し方が失礼だったり、態度が横柄だったりすると、お客様は「軽く扱われた」と受け止めかねません。

    さらに、セールス担当者の態度に腹を立ててクレームを入れたのにもかかわらず、コールセンターでも対応の不備があった場合、お客様の不満はより大きくなってしまうでしょう。

    売り手・サービス提供側のルールの押しつけ

    意外と多く起きてしまいがちなのが売り手・サービス提供側による、ルールの押しつけです。たとえば、「セール品は返品できない」「入金当日に商品を発送できない」といったルールが代表的です。

    セール品であっても、明らかに不良品であった場合などは返品に応じるなど、ある程度柔軟な対応が求められることもあります。イレギュラーな状況にあるにもかかわらず、例外を認めずに売り手側が決めたルールを適用しようすると、クレームを引き起こすことがあります。

    お客様の勘違いやミス

    商品・サービスや売り手側の対応に不備がなくても、お客様の勘違いやミスが原因でクレームになることも珍しくありません。商品の仕様やサービスの仕組み、納品日などについて、お客様が勘違いをしたことで、期待していた成果や効果を得られなかったというようなケースでも、クレームになってしまいます。

    お客様の勘違いや聞き間違いなどが原因でも、「十分な説明を受けていない」として、クレームになります。売り手側の説明の仕方に問題があったり、説明が不足していたりしたことで誤解を生んでしまった可能性も高いため、お客様の言い分にも一理あるといえるでしょう。

    クレームの分類

    クレームは大きく3つに分類できます。これらの分類ごとに、適切な対応方法が求められます。

    サービスの改善につながるクレーム

    クレームには、企業やサービスの改善につながる貴重なフィードバックを含んでいるものがあります。これらのクレームは、顧客が実際に商品やサービスを利用する中で感じた不具合や不満点を指摘するもので、企業が自ら気づきにくい問題を教えてくれる機会と捉えるべきです。

    例えば、製品の品質に関する問題や、サービスの提供方法に関する不満が含まれることが多く、これを解決すれば顧客満足度の向上や業績の向上につながる可能性があります。こうしたクレームに対しては、顧客の声を真摯に受け止め、具体的な改善策の検討が大切です。

    クレーム内容をしっかりと記録し、社内の関係部署に共有すれば、サービスの向上や商品改良につながる体制が整っていくでしょう。また、顧客に対しては、改善への取り組みを丁寧に説明し、適切なフォローアップを行えば、信頼を取り戻し、企業の成長を促進できます。企業にとって、こうしたクレームは改善のヒントとなり、持続的な成長のための重要な要素と言えるでしょう。

    顧客の勘違いによるクレーム

    一部のクレームは、顧客が商品やサービスに対して誤解をしている場合に発生します。これらは、製品やサービスの内容、料金体系、使用方法についての説明が不十分だったり、顧客が理解を誤っていたりすることが原因です。

    例えば、契約内容の誤解や、サービスの適用範囲に対する認識違いなどがよく見られるケースです。こうしたクレームに対しては、顧客の立場に立ち、まずは相手の話のしっかりとした聞き取りが重要です。クレームの原因が誤解や情報不足によるものであれば、冷静かつ丁寧に正しい情報を提供し、誤解の解消に努めます。

    また、顧客が納得できる形で説明をするため、具体的な事例や例え話を用いて説明するのも効果的です。この際、決して顧客を責めず、誠意を持った対応が信頼を保つ鍵となります。加えて、こうした誤解が頻発する場合には、企業として説明資料やFAQの充実を図り、顧客が正しい情報に簡単にアクセスできるような仕組みを整えましょう。

    応じてはいけない悪質なクレーム

    一部の顧客は、理不尽な要求や脅迫的な言動でクレームを訴えるケースがあります。これらは悪質なクレームとみなされ、対応には注意が必要です。悪質なクレームに対しては、冷静さを保ちながら毅然とした対応が求められます。無理な要求に屈さずに、自社の方針やルールに基づいて適切な対応を行うことが大切です。

    このようなクレームは、感情的にならず、客観的な態度を維持しつつ、必要に応じて上司や法的機関に相談することも考慮すべきです。

    コールセンターにクレームを伝えるお客様の心理

    コールセンターにクレームを伝えるお客様は、以下のような心理である可能性があります。

    • 問題解決をしてほしい
    • 間違いなどを指摘したい
    • 他のお客様との待遇差が不快
    • 金銭を要求したい

    それぞれの心理について解説します。

    問題解決をしてほしい

    商品やサービスに不具合を感じ、予期していなかった問題を解決してほしいという心理がクレームにつながることがあります。問題解決を求めるとともに、商品やサービスの品質が期待値に届かず怒りを抱えているため、謝罪を要求される場合もあるでしょう。

    このように問題解決と謝罪の両方を求めているケースが多いことから、コールセンターでは謝罪すべき点に対してはしっかりと謝罪し、あわせて具体的な解決策を示します。

    間違いなどを指摘したい

    商品やサービスに対する不満から「この部分はこう改善したほうがいい」など、いたらない点や間違いを指摘してあげたいという心理が原因になっていることもあります。商品やそれを提供する会社にケチをつけたいわけではなく、「より良くするにはどうすればよいか」という親切心から生まれたクレームです。

    このようなケースではお客様の意見やアドバイスに真摯に耳を傾け、謝罪すべき点はしっかりと謝罪し、指摘していただいたことについて感謝を伝えることが大切です。

    他のお客様との待遇差が不快

    他のお客様が受けているサービスを目の当たりにし、自分たちが受けているサービスとの待遇差に不快感を覚えると、クレームをつけたくなることもあります。「同じ料金を払っているはずなのに、どうして」という気持ちになると考えられます。

    担当者にそのような意図がなかったとしても、お客様を不快にさせたことに対し、謝罪をしましょう。また実際に、お客様対応のフローになんらかの問題がある可能性があるため、フローの見直しを行う必要があるでしょう。

    金銭を要求したい

    売り手側に落ち度はなくても、金銭を要求するために理由を後付けしたクレームも存在します。このようなクレームに対しては、相手の言い分に飲み込まれることのないように対応しなければなりません。

    ただし、金銭を要求するクレームのすべてが悪質なクレームであるとも限りません。中には正当な権利行使であり、誠意を持った対応を求められるケースもあるため、内容を見極めたうえで適切な対応を取る必要があります。

    コールセンターにおけるクレーム対応の手順

    コールセンターにおける、基本的なクレーム対応の手順は以下のとおりです。

    1. 話の内容をしっかり聞く
    2. 事実確認をする
    3. 解決策を提示する
    4. 改めて謝罪と感謝を伝える
    5. 内部で共有する

    クレーム内容はさまざまですが、いずれも基本的にはこの流れに沿った対応を行います。順番にみていきましょう。

    1.話の内容をしっかり聞く

    まずお客様に対し、「不快な思いをさせたこと」に関するお詫びをします。そしてお客様の話を最後まで聞くことが大切です。決して途中で話を遮ってはいけません。

    このステップでは、お客様の気持ちを静めることも重要です。そのため、お客様の話を否定するような言葉は一切口にせず、お客様が感じたことを受け止めましょう。話を聞いていることが伝わるように、お客様の話のテンポに合わせて相槌を打つこともポイントです。

    2.事実確認をする

    お客様の話を一通り聞き終えたら、質問を交えながら事実確認をしていきます。クレーム解決に必要な事実を集めるために、問題になっていることを正確に把握します。

    質問をする際は、お客様の意見を確認しながら短くわかりやすい言葉を使うように意識しましょう。このときも、お客様の話への理解を示すことが大切です。最初のステップと同様に、相手の話を遮ったり否定する言葉を使ったりするのは避けてください。

    3.解決策を提示する

    事実確認によって具体的な問題点を把握できたら、迅速に解決案を提示しましょう。

    解決案は、お客様視点に立ったものでなければなりません。会社の論理を持ち込んでしまうと、さらなるクレームの引き金になりかねません。解決案は、いわゆる「6W3H」の枠組みで考えます。つまり、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「Whom(誰に)」「What(何を)」「Why(なぜ)」を明確にします。

    調査や確認に時間を要する場合は、どの程度の時間がかかるかを必ず付け加えたうえで、折り返しの連絡をする旨を伝えましょう。

    4.改めて謝罪と感謝を伝える

    解決策を提示し、その内容に対して了承を得たら、改めて丁寧に謝罪し感謝の気持ちを伝えます。

    お客様を不快にさせてしまった問題に対して、誠心誠意謝罪することが何よりも重要です。また、商品やサービスの質の向上に役立つ貴重なご意見であることを踏まえ、連絡をしていただいたことに対して感謝の気持ちを伝えることも欠かせません。

    5.内部で共有する

    クレームは社内で共有し、次の活動に活かすことが求められます。同じクレームが発生することのないように対策を講じることで、いただいたご意見を大切にしている姿勢を示せるでしょう。

    また、どのお客様からどのような内容のクレームがあったか、それに対してどのような対応をおこなったかは社内で共有し、再度同じお客様からの問い合わせがあった場合に備えておきます。クレームを受けたオペレーターが不在でも、もう一度同じ内容を確認することを避け迅速に対応できるように、情報共有を徹底しましょう。

    株式会社ラクスが提供するメール共有管理システム「メールディーラー」には、電話応対の内容を記録できる「電話応対メモ」の機能がついているため、内部での情報共有に役立ちます。

    また、マルチチャネル化によって、メールの問い合わせが増えてきているコールセンターも少なくありません。メールディーラーなら、メールアドレス横のマークをワンクリックするだけで、お客様との過去のやり取りを確認できます。チーム全員の対応履歴が一覧で表示されるため、検索の手間が省けます。

    メールディーラーの詳しい機能などを知りたい方は、以下のフォームからお問い合わせください。

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    コールセンターでのクレーム対応のコツ

    コールセンターでのクレーム対応において何より重要なのは、お客様の心情に寄り添うことです。そのうえでいくつかのコツを押さえることにより、お客様の不快な気持ちや怒りを静め、より良い着地点を見出せる可能性があります。

    コールセンターにおけるクレーム対応時に意識しておきたいコツとして挙げられるのは、以下の4点です。

    • お客様の心情に寄り添う
    • 要求を理解し適切に行動する
    • 自分が責められているわけではないこと認識する
    • クッション言葉やあいづちを活用する

    それぞれの内容について解説します。

    お客様の心情に寄り添う

    クレーム対応の基本は、お客様の心情に寄り添うことです。コールセンターにクレームを入れるお客様は、感情的になっていることが少なくありません。しかし、とにかく文句をつけたい、怒りをぶつけたいというよりは、「不満や、もやもやとした感情を誰かに聞いてほしい」という気持ちが大きいと考えられます。

    そのため、まずは誠意を持ってお客様の言葉に耳を傾けましょう。心情に寄り添うことで理解者であることが伝われば、お客様の気持ちも徐々に落ち着いていくでしょう。

    要求を理解し適切に行動する

    お客様の話を理解し、適切に行動することも重要です。そもそもお客様の心情や状況を正しく理解していないと、的外れな行動になってしまうでしょう。そのような行動は二次クレームを引き起こしかねないため、避けなければなりません。

    たとえば、「家電製品が壊れた」というクレームに対し、即交換を提案するのが正解とは限りません。お客様は、その製品の交換は望んでおらず、修理を求めている可能性があるためです。このような認識のずれが生じるのを防ぐためにも、お客様の話を真剣に聞く必要があります。

    お客様の話を深く理解していないにもかかわらず、その場しのぎで回答をするのも避けましょう。後で大きなトラブルに発展する要因となり得ます。適切な判断ができないのであれば、その場を終わらせようと曖昧な回答をするのではなく、「一度持ち帰って確認する」「正確に調べたうえで改めてご連絡をする」といった対応を取りましょう。

    自分が責められているわけではないことを認識する

    コールセンターでのクレーム対応においては、自分が責められているわけではないことを認識することも重要なポイントです。

    クレームの電話に対応すると、多くの方が強いストレスを感じるでしょう。他人から怒りや敵意をぶつけられることで、精神をすり減らしてしまいます。

    しかし、お客様の怒りや敵意の矛先は、オペレーターに向けられているわけではありません。クレーム対応で精神をすり減らし、強いストレスを感じないようにするには、「責められているのは自分ではない」と、一歩引いたスタンスでいるのがおすすめです。

    真面目で誠実な方は、クレームの電話を真正面から受け止めてしまい、疲弊してしまいます。コールセンター業務はあくまでも、お客様の声をしっかりと受け止め不満を解決することだと認識しましょう。

    クッション言葉やあいづちを活用する

    クッション言葉やあいづちを上手に活用することも、コールセンターでクレーム対応をする際には欠かせません。

    クッション言葉とは、相手が受け止めやすくするクッションの役目を果たす言葉のことです。たとえば、「恐れ入りますが」や「お手数ですが」といった言葉が該当します。これらのクッション言葉を入れることで、後に続く言葉の聞こえ方がマイルドになります。

    あいづちも、お客様の話を真剣に聞いていることを伝えるために、有効な手段の1つです。電話応対の場合、お互いの顔が見えないため、あいづちがより重要になります。なんとなくあいづちを打つのではなく、適切なタイミングやトーンでそれらを行うことが重要です。

    例えば、会話の中の相手が強調したい部分にあいづちを入れることで、その内容に共感していることを伝えられます。また同じ「はい」というあいづちであっても、力強くあいづちを打てば了承を、やや重苦しい雰囲気で「はい」といえば恐縮を、余韻を残すように伝えれば共感をそれぞれ表すことが可能です。

    よく使用される言い回しを覚えておく

    クレーム対応時に、よく使用される言い回しを覚えておきましょう。適切な言葉遣いは、顧客の不満を和らげ、信頼を取り戻すための強力な手段です。

    例えば、謝罪の際に使われる「申し訳ございません」「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」などのフレーズは、顧客に対して誠意を伝える基本的な言い回しです。

    また、共感を示すための「お困りのことがあったとのことで、ご不便をおかけしました」といった表現も効果的です。これにより、顧客は自分の不満が正しく理解されていると感じ、感情の緩和が期待できます。さらに、状況に応じた解決策を提示する際には、「すぐに確認し、最善を尽くして対応いたします」といった前向きな表現を使うと、顧客に安心感を与えられるでしょう。こうした言い回しを自然に使いこなせば、クレーム対応の質が格段に向上し、顧客の信頼を再び勝ち取れるでしょう。

    必要なときは上司や同僚にフォローしてもらう

    クレーム対応は時として非常に難しい状況に直面するケースがあり、すべての問題を一人で解決するのは困難な場合があります。そのため、必要に応じて上司や同僚にフォローを求めることが重要です。特に複雑なクレームや、顧客が求める解決策が自分の権限を超えている場合は、上司や専門部署への相談が推奨されます。この時に、自分がどこまで対応し、その先は上司や同僚に引き継ぐという明確な手順を持つことが重要です。

    上司や同僚の知識や経験を活用すれば、より的確で迅速な対応が可能となり、顧客にも安心感を与えられるでしょう。また、フォローを求めることは決して自分の力不足を意味するものではなく、むしろチーム全体で問題解決に取り組む姿勢を示せます。顧客に対しても企業全体で真摯に対応しているという印象を与えられるでしょう。これにより、クレーム対応の一貫性と信頼性を保つことができ、より良い結果を導けます。

    感謝の言葉で電話を切る

    クレーム対応が終了した際には、必ず感謝の言葉を添えて電話を切ることが重要です。クレーム対応は、顧客にとっても不満やストレスを解消するプロセスであるため、最後に「ご指摘いただきありがとうございます」や「貴重なご意見をいただき感謝いたします」といった感謝の言葉を伝えれば、顧客にポジティブな印象を残せるでしょう。

    顧客がクレームを申し立てるのは、改善を期待していることが多いとされています。感謝の言葉を伝えれば、顧客は自分の意見が企業にとって有益であり、尊重されていると感じられるでしょう。

    このような配慮は、顧客満足度を向上させ、長期的な信頼関係を築くのに重要な要素です。また、感謝の言葉は、クレーム対応全体の締めくくりとして、クレーム解決に向けた努力がしっかりと伝わる効果があります。感謝の気持ちを忘れずに伝えれば、次にまたサービスを利用してもらうための大切なステップとなり、結果として顧客ロイヤルティの向上にもつながるでしょう。

    悪質なクレームには毅然と対応する

    すべてのクレームが正当なものとは限らず、時には悪質なクレームに直面する場面もあります。悪質なクレームとは、理不尽な要求や脅迫、威圧的な態度を取る顧客によるクレームを指し、こうしたケースでは毅然とした対応が必要です。このようなクレームに対しては、感情に流されず冷静な態度を保ち、法的に許される範囲や自社のルールに基づいた対応が重要です。

    例えば、無理な要求に対しては、「弊社の規定に基づき、この件に関しては対応できません」と明確に伝える必要があります。さらに、顧客がエスカレートしてくる場合には、上司や法的機関に相談することも考慮すべきです。悪質なクレームに屈すると、他の顧客にも悪影響を与え、企業全体の信頼性が損なわれる恐れがあります。そのため、毅然とした態度での対応が求められます。

    この際、相手に対して過剰に感情を表現せず、冷静かつ丁寧に、かつ断固とした姿勢を貫くことが鍵となります。こうした対応を通じて、顧客や社会に対して自社の信頼性を維持し、ルールを遵守する姿勢を示せるでしょう。

    コールセンターでのクレーム対応で避けるべき言葉

    コールセンターでは、オペレーターの何気ない言葉がさらに火に油を注いでしまい、二次クレームに発展することも珍しくありません。コールセンターでのクレーム対応では、相手の話を否定する言葉や「絶対」や「普通」という言葉を使うことは避けましょう。それぞれの言葉について解説します。

    相手の話を否定する言葉

    お客様との会話の中では、相手の話を否定する言葉は使ってはいけません。

    具体的には、「何度も申し上げているとおり」「お言葉ですが」や「そのようなことはないと思いますが」という表現は使わないようにしましょう。お客様は、不快感を覚えたことを、誰かに聞いてもらいたいと考えています。しかし、これらの相手を否定する言葉を使ってしまうと、「上から目線で話される」「自分の話を遮られ、聞いてもらえない」として、さらなるクレームの要因になりかねません。

    「だから」「ですから」「だって」「でも」などの、いわゆる「D言葉」にも注意が必要です。これらの言葉を言われた相手も、「否定された」「言い分を聞いてもらえない」という感情になってしまいます。

    クレーム対応では、問題をますます複雑化してしまうD言葉の使用を避け、相手の感情を和らげる「S言葉」を使うことが大切です。代表的なS言葉としては、「そのとおりです」「承知しました」「失礼しました」などが挙げられます。D言葉が口から出そうになったら、意識的にS言葉に変え、お客様の話を受け止めましょう。

    「絶対」や「普通」という言葉

    コールセンターのクレーム対応においては、「絶対」や「普通」といった言葉も、お客様の感情を逆撫でする可能性があります。

    「絶対」は、相手に対して強い印象を与えてしまいます。「絶対にできません」や「絶対にしていません」のように否定的な文脈で使うと、話し手の主張を押しとおしているように受け止められるリスクがあるため、使わないのが賢明です。

    一方、「絶対に〇〇します」のように、お客様との約束に用いるのも避けましょう。その約束を果たせなかったときに、「絶対に〇〇すると言ったじゃないか」と、さらに大きなトラブルに発展する可能性があるためです。

    また、「普通」も使うシチュエーションによっては相手に強い不快感を与える言葉です。お客様のクレームに対して「普通はそのようにはなりませんが」などと伝えてしまうと、「自分は普通ではないのか」とさらにお客様の怒りを買ってしまうでしょう。

    「普通」という言葉は、あえて使わなくても意味が通じることがほとんどです。コールセンターでのクレーム対応がさらなるクレームを生まないように、余計な言葉を使うのは避けるのが基本です。

    コールセンターに起因するクレームを減らす方法

    コールセンターに電話するお客様は、すでに何かしらの理由で怒りの感情を抱えているケースがほとんどです。イライラしている相手に不用意な発言をすると、怒りがさらに大きくなるのは、ある意味当然といえるでしょう。コールセンターでの対応が原因の二次クレームを減らすためには、以下のような対策が有効と考えられます。

    • オペレーター教育を徹底する
    • トークスクリプトを適宜更新する
    • 過去のクレーム事例を共有する

    それぞれの対策の内容を解説します。

    オペレーター教育を徹底する

    コールセンターでの対応がさらなるクレームを生む原因として、オペレーターの対応の質が低いことが挙げられます。お客様の怒りを静め解決に導くためには、マニュアルやトークスクリプトの見直しだけでは不十分なことが一般的です。

    オペレーターのスキルや知識不足による二次クレームを防ぐためには、オペレーターの応対レベルの底上げを図る必要があります。オペレーター教育や研修などは時間や費用がかかりますが、教育を徹底しない限り、クレームを削減させることは困難でしょう。

    トークスクリプトを適宜更新する

    コールセンターの応対品質を向上させるには、適宜トークスクリプトを更新していくことも欠かせません。トークスクリプトとは、オペレーターが取るべき対応をまとめた、業務マニュアルのようなものです。

    コールセンターではオペレーターの経験年数の違いなどにより、応対スキルに差が生じる傾向があります。そのためトークスクリプトを作成し、使用頻度の高い例文や適切な言葉遣い、避けるべき言葉などをまとめて周知しておくことが重要です。

    しかし、トークスクリプトの質が低いと、すべてのオペレーターの応対品質も低下してしまいかねません。応対品質の維持・向上を図るためには、トークスクリプトを定期的に見直すことが求められます。

    過去のクレーム事例を共有する

    過去のクレーム内容と対応方法を共有しておくことも、コールセンターに起因するクレームを減らすためには効果的です。商品やサービスに関して、似たようなクレームが複数寄せられることは珍しくありません。

    初めて経験するクレームに対しては、多くのオペレーターが緊張してしまうと考えられます。緊張が原因で望ましい対応ができない場合があるため、あらかじめ「よくあるクレームと対応方法」としてまとめて周知しておきましょう。それにより、同じようなクレームを受けた際にも、落ち着いて対応できるでしょう。

    応対品質の向上を目的に、過去の事例をもとにしたFAQを作成するなら、メールディーラーの社内Q&A機能の活用がおすすめです。メールの返信内容や入力した電話応対の履歴を引用してQ&Aを登録することも可能で、ナレッジ共有に役立ちます。

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    コールセンターでのクレーム対応の質を向上させよう

    コールセンターにおけるクレーム対応では、お客様の気持ちに寄り添い、しっかりと最後まで話を聞くことが大切です。決して途中で話を遮ってはいけません。

    また、コールセンターでの対応がさらなるクレームを招かないようにするには、オペレーター教育の充実やトークスクリプトの更新、過去のクレーム事例の共有などが有効です。

    過去の事例をもとにしたFAQを作成するなら、メールディーラーの活用が適しています。また、マルチチャネル化によってメールでの問い合わせが増加しているコールセンターにおいて、メールによる問い合わせ内容の共有にも役立ちます。メールディーラーを効果的に活用し、コールセンターにおけるクレーム対応の質の向上を実現しましょう。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
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