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問い合わせ対応と顧客満足度の関連

この記事の目次

    NPSを採用すべきか

    問い合わせ管理をする目的のひとつに、顧客満足度の向上があると思います。
    顧客満足度の計測手法の一つとして近年広まりつつあるのが、「NPS」です。

    NPSとは

    NPSとは、顧客に対して「ご利用のサービスを友人に薦めますか?」という問いに11段階の数値で回答していただき、結果を3つのカテゴリーに分けます。

    Promoter(推奨者):10~9点
    Passive(中立者) :8~7点
    Detractor(批判者):6~0点

    そして、全体に占めるPromoterの割合からDetractorの割合を引いたものが、NPS(推奨者の正味スコア)となります。

    詳細は、下記の本で詳しく解説されておりますので、ご一読をお勧めいたします。

    フレッド・ライクヘルド著
    ネット・プロモーター経営 〈顧客ロイヤルティ指標 NPS〉で「利益ある成長」を実現する
    https://www.amazon.co.jp/dp/4833420333

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    NPSを実践してみた

    さて、あるサービスを対象にNPSを実践した結果が表1になります。
    (念のためですが、メールディーラーではありません!!)

    n=173
    表1 2013年 2015年
    Promoter 24% 15%
    Passive 45% 53%
    Detractor 31% 32%
    NPS -7% -17%

    2013年から2015年にかけてNPSのスコアが減少していることがわかります。
    上記から2013年と2015年の2回とも回答いただいた方のみを抽出した結果が以下の表2になります。

    n=15
    表2 2013年 2015年
    Promoter 13% 0%
    Passive 60% 53%
    Detractor 27% 47%
    NPS -14% -47%

    NPSは大幅に悪化していました。

    各カテゴリー間のスコアの移動は以下の通りです。

    表3 2015年
    Promoter Passive Detractor
    2013年 Promoter 0% 100% 0%
    Passive 0% 56% 44%(※1)
    Detractor 0% 25%(※2) 75%

    本題はここからです。
    NPSがユーザアンケートより優れていると言われるのは、売上との相関関係が強いと言われているためになります。
    つまり、NPSのスコアが上がっていれば売上も上がっており、下がっていれば売上も、、、ということになります。

    つまり、表③の中の(※1)グループは2013年→2015年でNPSが下がっているため売上も落ちており、(※2)では逆に売上が上がっているのでしょうか?

    では、見てみましょう。

    ※1のグループの平均単価(予想:減少)・・・変化なし
    ※2の    〃    (予想:上昇)・・・変化なし

    結果、売上に変化はありませんでした。
    一方、Passive(2013)→Passive(2015)、Detractor(2013)→Detractor(2015)とNPSに変化が無かったグループでは平均単価は上がっていました。

    これはどういうことなのでしょうか?

    NPSの中立者って、、、

    NPSでは中立者(Passive)は10段階の7点~8点とされています。
    皆さんは、ぱっと考えて10段階評価で、中央値はいくつだと思いますか?私は5か6だと思います。
    念のために80名ほどにアンケートを取った結果が以下の通りです。

    やはり、中央値は圧倒的に「5点」でした。

    では、なぜNPSでは7点~8点を中央値としているのでしょうか?
    それは、NPSが生まれたアメリカの教育制度に関係しているのではないかと思います。
    以下はアメリカの学業の場で使われている成績についての記述ですが、ご覧のように中央値はおよそ7点~8点となっています。

    https://en.wikipedia.org/wiki/Academic_grading_in_the_United_States

    つまり、NPS発祥の地と日本とではNPSのスコアリングの基準を変えるべきなのではないでしょうか?

    基準を変えてみた!

    ということで、NPSの各カテゴリーの基準を以下のようにアレンジしてみました。

    Promoter:8~10
    Passive:5~7
    Detractor:4以下

    上記スコアリングで再度カテゴリーを分けると、以下のようになりました。

    表4 2013年 2015年
    Promoter 47% 47%
    Passive 53% 53%
    Detractor 0% 0%
    NPS 47% 47%

    2013年と2015年でNPSの点数に変化は無くなりました。

    各カテゴリー間のスコアの移動割合は以下の通りです。

    表5 2015年
    Promoter Passive Detractor
    2013年 Promoter 57% 43%(※1) 0%
    Passive 38%(※2) 63%(※3) 0%
    Detractor 0% 0% 0%

    ※1のグループの平均単価(予想:減少) ・・・結果:変化なし
    ※2の   〃     (予想:上昇) ・・・結果:135%上昇
    ※3の   〃     (予想:変化なし)・・・結果:111%上昇
    単価の減少は発生しませんでしたが、NPSの点数が上がったグループでは単価の上昇が発生しました。

    なんだかこちらの方がすんなりと結果を受け入れられる気がします。

    とは言っても、2013年と2015年の両方ともNPSを回収できた数は非常に少ないので、誤差の可能性も十分にあります。

    ですので、単純に回答の多く集まった2013年、全数での平均単価を出してみました。

    n=107
    NPS 一般的な基準での平均単価 アレンジ後の基準での平均単価
    Promoter 46,848円 50,260円
    Passive 52,697円 50,241円
    Detractor 51,136円 31,500円

    やっぱり、アレンジ後の方がすっきりしませんか?

    統計学的にはサンプル数は400は必要とのことなので、何とも言えませんが、私だったらNPSを採用するならば、アレンジした数値を使いたいと思います。

    自社でデータをお持ちの企業様がいらっしゃいましたら是非情報交換させてください!

    ※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。

    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    メールの例文などメールに関するお役立ち記事の執筆・案出しをしています。メール業務を実際に行っている方に役立つ情報を届けられるよう日々編集しています。
    好きな定型文は「お心遣いに重ねてお礼申し上げます。」です。

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