お客様からの問い合わせへの返信は、企業の印象を左右する大切なコミュニケーションです。理想的な書き方が分からず、例文を探すことも多いのではないでしょうか?
この記事では、問い合わせへの返信メール作成のポイントと例文を紹介します。
問い合わせへの返信メールを作成する4つのポイント
問い合わせに返信を行う際に重要なポイントを4つご紹介します。
1.お客様の立場に立ってメールを作成する
返信メールは、常にお客様の立場に立った文章作成を心掛けましょう。
回りくどい記述は避け、お客様の問い合わせに対して、分かりやすく簡潔に回答することが重要です。
在庫のない商品へ問い合わせがあった場合は類似商品を紹介するなど、「なぜ、お客様がこの問い合わせをしたのか」という背景まで推測し、先回した情報提供ができるとより良いでしょう。
常に「お客様はどのような対応を求めているか」を考えることがポイントです。
2.1時間以内の一次対応を目指す
PRTIMESが2018年に実施した「『お問い合わせ』調査」によると、問い合わせフォームを利用した際に、回答を待つことができる時間を「24時間以内」と回答した人の割合が、全体の70.5%にも達したそうです。
さらに、問い合わせをしてから「1時間以内」に回答があると「早い」と感じる人は約半数の49.8%であり、1時間を超えると顧客満足度が下がっていくことが分かります。
「対応方法をすぐに決められない」「上司に相談が必要」などの理由で回答できない場合は、まず問い合わせメール受付完了の報告と、後ほど回答する旨を、1時間以内に返信するだけでも大きな意味があります。そして最終回答は、可能な限り24時間以内を目指しましょう。
しかし中には、1日に多くの問い合わせ件数を受けている方も少なくありません。
それ故、返信漏れが発生してしまったり、既に別の担当者が返信しているにも関わらず二重対応をしてしまう、誰かが対応するだろうと思っていたが実際には誰も対応していなかったということが現場では起きています。
このような事態を回避するために、メール返信の仕方だけではなく、問い合わせを効率的に管理・処理できる仕組みの構築も合わせて行うことをおすすめいたします。
問い合わせ対応を効率化するためのツールは以下の記事にて紹介しています。対応方法にお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
3.読みやすさを意識する
返信メールは、読みやすさを意識することが大切です。内容がわかりにくいメールは、返信が迅速であっても適当で不親切な印象を与えてしまう可能性があります。
メールを送信する前に、読みやすい文面になっているかどうかを改めてチェックしましょう。
4.ポジティブ・ライティング
メールでは、ポジティブ・ライティングを意識しましょう。例えば「不満ぎみの問い合わせ」であれば、「貴重なご意見ありがとうございます」と「ご指摘への感謝」を述べてから謝罪します。
また、否定表現でなく、肯定表現で回答することも重要です。たとえば「当日発送は対応できません。」ではなく「翌日中に発送いたします。」とすることで、受け取る印象を好転させることができます。
問い合わせへの返信メールの書き方
件名のつけ方
件名は、お客様からの問い合わせメールに「Re:」をつけたものにしましょう。
件名だけで「先日のお問い合わせへのお返事です」ということを伝えることができます。
内容によっては、オリジナルの件名をつけるべきケースもありますが、その場合も、わかりやすい件名を意識しましょう。
またお客様にとって「大至急の回答」が必要なケースでは、件名に回答を入れても良いでしょう。
本文の構成
宛名
お客様の名前が分かる場合は、宛名を必ず書くようにしましょう。
わからない場合は「お客様」とします。
冒頭
本文中では、最初に問い合わせをいただいたことに対してお礼を述べます。お礼を述べる理由としては、お客様からの問い合わせは、企業側に何らかの「気づき」を与えてくれるものといえるからです。
回答
本文には、お客様から頂いた「問い合わせの内容」を要約します。
例文では「■年間プランは、2年契約にした場合の割引があるか」と記載しています。これにより、冒頭のあいさつと区別して、本題であることが明確になります。
問い合わせ文章をそのまま引用する場合は、お客様が書かれた部分が「引用」であるとわかるように、「>」などの記号を各行頭に付けます。
署名の書き方
署名には、回答した担当者の「名前」や「連絡先(メールアドレス・電話番号)」だけでなく、必ず「会社名」「部署名」「会社の住所」「会社のWebサイトURL」を入れましょう。
メールの書き方
押さえておくべきビジネスメールのマナーやポイントを紹介!
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【状況別例文】問い合わせへの返信メール
基本的な返信メール
○○Wi-Fiレンタル・お客さま窓口の××と申します。
ご質問いただいた「2泊3日」の料金については、
「当日プラン」の料金で、3日分をお支払いいただく形になります。
4日目からは「7日プラン」の方がお得になりますので、
お借りいただく日数が4日に伸びる可能性がありましたら、
そちらも合わせてご検討いただけますと幸いです。
他にも何かご不明な点などありましたら、
お気軽にお問い合わせくださいませ。
担当者が不在の場合の返信メール
○○野菜・お客様サポート担当の××と申します。
ご質問いただいた「詰め合わせ野菜の変更」については、
△△様がアレルギーの症状をお持ちとのことで、
可能な限り配慮させていただきたいと存じます。
ただ今担当者が不在にしておりますので、
担当者が戻り次第、改めてご連絡いたします。
お時間をいただいてしまい大変恐縮ではございますが、
今しばらくお待ちください。
クレームへの返信メール
お客様サポート窓口の××と申します。
この度は、弊社のサーバーダウンにより△△様にも多大なご迷惑をおかけしてしまい、
誠に申し訳ございません。
現在、サーバーの復旧作業を急ピッチで進めております。
作業が完了し次第、△△様も含めたすべてのユーザーの皆様に、
復旧完了の旨をご連絡させていただきます。
可能な限り迅速に復旧いたしますので、
大変恐縮ではございますが、今しばらくお時間をいただけたら幸いでございます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
問い合わせの要点が分かりにくい場合の返信メール
○○お客様サポート担当の、××と申します。
△△様のお問い合わせに正確にご回答させていただくため、
下記の点を確認させていただけたらと存じます。
「●●」というご質問でお知りになりたい内容は、「▲▲」という意味でよろしいでしょうか。
※複数あれば同様に続ける
ご多忙中、大変恐縮ではございますが、
お手すきの際にご返信をいただけたら幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
お断りする場合の返信メール
平素は大変お世話になっております。
株式会社□□の××です。
この度は弊社製品「△△」についてお問い合わせを頂戴し、誠にありがとうございます。
>「△△」は3ロットからの販売ということですが、さらに小ロットの購入をご相談することは可能でしょうか。
おそれながら、「△△」は3ロットからのご購入を最低ロットとさせていただいております。仕入れの関係上、3ロットを下回る量でのお取引は承ることが難しい状況です。
ご希望に沿えず、誠に申し訳ありません。
「△△」に近い商品としては、「▲▲」がございます。
こちらは1ロットからご購入いただけますので、よろしければご検討ください。
▼「▲▲」商品ページ
https://xxxx.jp/
商品の詳細については、上記URLにてご確認いただけますと幸いです。
今後とも、当社の製品をよろしくお願いいたします。
求人の問い合わせへの返信メール
いつも大変お世話になっております。
株式会社□□ 人事部の××と申します。
この度は弊社の求人についてお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
数ある企業の中から、弊社の求人にご興味をお持ちいただき感謝申し上げます。
大変申し上げにくいのですが、
〇〇様よりお問い合わせいただきました「▲▲マネージャー」のポジションにつきましては、
予想以上のご応募をいただいた結果、既に募集を締め切らせていただいております。
ご期待に沿えず誠に申し訳ございません。
弊社では他にも求人を掲載しておりますので、ご興味をお持ちでしたら改めてご連絡を頂戴できますと幸いです。
◯◯様の今後のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
メールにて略儀ではございますが、ご通知申し上げます。
問い合わせへの返信メール対応を効率化する3つの便利機能
一般的なメールソフトでも、問い合わせメールの対応を効率化できる便利な機能が備わっています。今お使いのメールソフトに搭載されているか、ぜひご確認ください。
自動返信メール機能
窓口の対応時間外や、担当者が長期間不在で回答ができない時には、問い合わせメールを無事に受信したことを伝える「自動返信メール機能」を活用しましょう。
ただし、自動返信メールは設定ミスに気が付きにくいため、必ず実施前にテスト送信を行いましょう。
テンプレート機能
問い合わせメールは「費用はいくらですか」「資料をください」など、同じような質問が届きます。
こういった質問には、あらかじめテンプレートを作成しておくことで、メールをイチから作成する手間がなくなり、時間を短縮できます。ベテラン社員が送信したメールをテンプレート化しておけば、誰でも高品質なメール対応ができるようになります。
検索コマンド
問い合わせメールに返信する時には、同じお客様と過去にやり取りがなかったかを、検索コマンドを使って確認するのがベストです。特に過去に大きなクレームを受けた顧客に対しては、慎重な対応が必要になります。
反対に継続利用しているお客様であれば、「いつもご利用ありがとうございます。」「前回はありがとうございました。その後不具合はないでしょうか?」とひと言添えることができます。
問い合わせへのメール対応が楽になる「メールディーラー」
メールディーラーは、チーム全員のメールの対応状況を見える化し、返信漏れや二重返信を防止するメール共有管理システムです。
問い合わせを未対応、対応中、完了といったステータスごとに自動で管理し、誰がどの問い合わせを対応しているかが一目で分かります。
また、対応が必要なメールのみを表示して返信の漏れや遅れを防止し、返信ボタンを押すとステータスが対応中に自動的に変わり、別のスタッフが対応中のメールを処理しようとすると警告が出て重複対応を防ぐことができます。
メールディーラー活用事例
アイムファクトリー株式会社 様事例
アイムファクトリー様は、エンジニアに特化した転職エージェント事業等の人材会社です。
<メールディーラー導入理由>
従来、メール共有は、複数の担当者が一つのメールボックスを共有し、休暇中の担当者の分はメールを転送するという運用がされていました。しかし、事業拡大に伴い、メールの量が増加し、「とりあえずCCに入れておこう」という習慣が定着した結果、誰がどのメールに対応すべきか不明確になり、二重対応や返信漏れが発生するといった問題が生じました。また、担当者が変わるたびに、個人のメールソフトの設定変更や、社内のシステムへの登録情報の変更が必要となり、そのたびに担当部署に依頼する手間も発生していました。
これらの課題を解決するため、メールディーラーを導入しました。これにより、メールの共有が効率化され、誰がどのメールに対応しているのかが一目で分かるようになりました。また、重要なメールを見落とすリスクも減少し、担当者が変わっても、システム上の設定変更だけで対応できるようになったため、業務の効率化に寄与。さらに、メールの履歴が保存されるため、過去のやり取りを簡単に検索できるようになった点も大きなメリットだと仰っていただいています。
<メールディーラーの運用方法>
フリーランス事業部では、企業様からの案件紹介にマッチする人材を検索するための”データベース”のような使い方をされています。
各ビジネスパートナーからいただいた人材の提案メールを1つのフォルダに集約しておき、ここで必要なスキルなどで検索すれば企業に合った人材が一括で探せるといった仕組みです。
人材紹介事業部では、企業担当者ごとにフォルダを分けていて、担当企業様のFromアドレスで各フォルダへ自動で振り分けるよう設定しています。各担当者は自分のフォルダを見れば未対応のメールがひと目で分かるといった運用。
<メールディーラー導入後の効果>
- 1日何十~何百件もくる企業様からの案件紹介にマッチする人材をカンタンに検索できるようになった
- 担当変更や退職などの引き継ぎ、PC不良による交換のたびに発生していたOutlookの振り分け設定の修正が必要なくなった
- 導入前は「このメール対応した?」といった口頭確認がオフィスで飛び交っていたのが、導入後はなくなった
詳しくはこちら 「このメール対応した?」をなくせる。個人アドレスから共有アドレスへの切り替えで情報の属人化解消!
問い合わせへの返信メールで好印象を
メールやチャット等のテキストコミュニケーションは感情が伝わりにくいため、言い回しや書き方に十分気を付ける必要があります。
対応に失敗すると信頼を失ってしまいますが、反対にお客様にとって好印象な対応ができれば、良い関係を築くことが可能です。
問い合わせへの返信メールは効率化しつつ、質を高められるようにしましょう。
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