「毎日大量に問い合わせメールが届き、返信に時間がかかる」
「業務が属人化し、担当者不在時に代理対応ができない」
「問い合わせ内容の分析・データ化まで手が回らない」
問い合わせ対応業務で、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
今回は、問い合わせ管理システムを使って問い合わせ対応業務の効率化に成功した事例を7社まとめてご紹介します。
問い合わせの種類
企業に寄せられる問い合わせは、顧客や取引先などの社外問い合わせと、社内の従業員からの問い合わせの2種類があります。担当する部署や対応すべき内容が異なるため、この2つの問い合わせの特徴を知っておきましょう。
社外からの問い合わせ
社外問い合わせには、以下のような種類があります。
- 製品/サービスに関する問い合わせ
顧客や潜在顧客から、製品やサービスについての情報や価格、特性、利用方法などに関する問い合わせです。 - 注文/納期の照会
顧客が製品やサービスの注文や納期に関する確認を求める場合です。在庫状況や配送スケジュールなどが含まれます。 - 請求書関連の問い合わせ
顧客や取引先から、請求書の誤りや不明な項目に関する問い合わせがあります。請求書の再発行や調整が必要な場合があります。 - クレーム/苦情
顧客が製品やサービスに不満を持ち、その解決を求める場合です。製品の品質問題やサービス提供の不備などが原因となります。 - 提案/提携に関する問い合わせ
ビジネスパートナーや潜在的な提携先から、新しいビジネスチャンスや提携の可能性に関する問い合わせがあります。
これらの問い合わせには、迅速で適切な対応が求められ、顧客満足度やビジネスパートナーシップの構築に重要な役割を果たします。
社内からの問い合わせ
社内問い合わせには、以下のような種類があります。
- 人事関連問い合わせ
従業員が給与、福利厚生、休暇、勤怠などの人事関連の疑問や手続きに関する問い合わせをする場合です。 - 技術サポート問い合わせ
社内システムやソフトウェアのトラブルシューティング、ITサポート、ハードウェアの問題に関する問い合わせがあります。 - 施設利用や資産管理に関する問い合わせ
オフィスや施設の利用方法や予約手続き、資産の管理、保守に関する問い合わせが含まれます。 - プロジェクトや業務の調整
部署間の連携やプロジェクト進捗状況、業務の調整や協力が必要な場合に行われる問い合わせです。 - 法務や規制に関する問い合わせ
法律や規制に関する疑問や遵守すべき手続き、契約の解釈に関する問い合わせがあります。
これらの問い合わせは、組織内の効率的な運営やコミュニケーションを支援し、従業員の業務遂行をサポートします。
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問い合わせ対応の重要性
問い合わせ対応は、とても重要な業務です。特に社外からの問い合わせについては、お客様との関係性や信頼にも直結していきますので、丁寧な対応がもとめられます。
重要性についても以下にまとめています。
- 顧客満足度向上を高める
適切かつ迅速な対応は顧客の期待に応え、満足度を高めます。
満足した顧客はリピート購買や口コミで企業を推薦しやすくなります。 - 信頼関係の構築
丁寧な対応は顧客との信頼関係を築きます。信頼関係があれば、長期的なビジネスパートナーシップを構築しやすくなります。 - イメージ向上に繋がる
良好な対応は企業のイメージや評判を高めます。顧客からの肯定的なフィードバックは企業のブランド価値を向上させます。
良好な対応は企業のイメージや評判を高めます。顧客からの肯定的なフィードバックは企業のブランド価値を向上させます。
問い合わせ対応業務で発生しやすい課題
顧客からの質問を複数人で分担して回答する問い合わせ対応業務では、下記のような課題が発生します。
- 問い合わせ対応チーム内の「情報共有」に手間がかかる
- 見逃しや確認不足により「対応漏れ・対応遅れ」が発生する
- メールの「誤送信」により、個人情報・機密情報を漏えいする
- 業務ノウハウや顧客情報が「属人化」する
このようなお悩みは、問い合わせ対応業務に特化した「問い合わせ管理システム」を利用することで、解決できる可能性があります。
問い合わせ対応の課題は問い合わせ管理システムで解決
問い合わせ管理システムとは、問い合わせフォームや企業代表アドレスに届くメールを、複数人で分担して対応する業務に特化したメールシステムです。
システムによっては、メールだけでなく電話やチャット、FacebookやLINEなどの公式SNSを含め、様々な窓口を集約して一元管理することが可能です。
GmailやOutlookなどは、プライベート利用を含め、個人対個人のやりとりを想定したメールシステムです。そのため、問い合わせ対応業務で使用すると前述のような課題が発生してしまいます。
問い合わせ管理システムは、ビジネス上の問い合わせ対応に特化しているため、業務で発生しやすい課題を解決する機能が予め搭載されています。
「情報共有」を効率化した事例
株式会社ヤッホーブルーイング
導入前の課題
株式会社ヤッホーブルーイングでは、常に最善の顧客対応を行うことを目標とし、問い合わせ返信前に、過去の注文履歴やメールを確認するフローを組み込んでいます。
しかし、顧客情報の確認フローに時間がかかるため、メール通数が多い時は返信が翌日になってしまうこともありました。
対応スピードを優先したことにより重複対応が発生してしまったこともあり、問い合わせ管理に課題を抱えていました。
導入後の効果
問い合わせ管理システム導入後、既に利用していたSalesforce(CRM)、CROSS MALL(受注管理システム)と連携しました。
メール画面からワンクリックで該当顧客の注文情報ページにアクセスできるようになり、時間のかかっていた顧客情報の確認フローを効率化できました。
また、メール画面上で、「いつ」「誰が」「どのメールを」「どのように対応をしたか」リアルタイムで情報共有し、一目で把握できるようになりました。
これにより、今まで発生していた口頭での対応状況確認が不要になり、メール対応時間の削減につながりました。
問い合わせ管理システムを導入し、メール対応業務の効率化ができたことにより、最善の顧客対応のため+αの対応を実現できています。
株式会社シェアリングエネルギー
導入前の課題
太陽光発電システムの第三者所有サービス「シェアでんき」を提供する株式会社シェアリングエネルギーでは、Gmailでアカウントを2つ作成し、顧客用とハウスビルダー用に分けて問い合わせ管理を行っています。
各担当者ごとにGmailのスターを色分けし、手動で振り分けていたため、毎朝30~1時間程度かかってしまっていました。
人数が増えて管理がし切れない状態になると、誰が対応するのか分からない状態のメールが受信ボックスに溜まり、対応漏れからクレームに発展することもありました。
導入後の効果
問い合わせ管理システムでは、担当者を自動で振り分けることができるので、毎朝の振り分け作業が10分程度に短縮されました。
以前は返信に1週間かかってしまうこともありましたが、今では遅くとも2・3日で返信できるようになり、対応スピードは格段に向上できています。
また、「誰がどのような対応をしたのか」という履歴がチームで共有できることで、1つ1つの対応に対する責任感がより強くなりました。
SNSの投稿で「対応が劇的に変わった」と評価されたり、お客様の体験価値も向上できていると実感しています。
「対応漏れ・対応遅れ」を防止した事例
弁護士ドットコム株式会社
導入前の課題
日本最大級の弁護士検索・法務相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営する弁護士ドットコム株式会社では、ユーザー数の増加に伴い、対応漏れや対応遅れが発生していました。
Gmailでは「どれくらい対応ができていないか」の数字が見えないため、他の仕事をしていて、時間が経ってから受信に気が付くということが何度もありました。
また、情報共有のためCCを付けて返信するルールでしたが、2名の担当者の間で暗黙のルールの中で業務を進めている状態でした。
契約数・メール通数・対応人数のさらなる増加に備え、問い合わせ管理システムの導入に踏み切りました。
導入後の効果
問い合わせ管理システムでは、ログインする度に対応できていないメールが一目で把握できるので、対応漏れや対応遅れの課題はすぐに解消されました。
対応状況が可視化され、新着未読・未対応のメールを0にすれば仕事がまわるので、管理がシンプルで分かりやすくなりました。
導入にあたって、ユーザーとのやりとりを個人のメールアドレスから、チーム共有のメールアドレスに切り替えました。必然的にメールの内容をチーム内でオープンになるので、セキュリティ・内部統制の強化にもつながりました。
また、テンプレートもよく利用しています。ボタン1個で簡単にメール本文へ差し込みができるので、メールの返信作業時間はかなり短縮できました。
株式会社リンク
導入前の課題
クラウド型テレフォニーサービス「BIZTEL」を提供している株式会社リンクでは、メールの見落としによる機会損失が発生し、課題感を持っていました。
以前は営業担当が、個人メールアドレスで顧客とやりとりをしていました。グループアドレスも併用していたため、自分が直接関係しないメールの受信も多く、メールが埋もれている状態でした。
案件が増えるとともにメールの見落としの発生頻度が高くなり、顧客からの依頼を見逃すケースが増えていました。
導入後の効果
問い合わせ管理システムで対応状況を可視化できるので、メールの見落としは完全になくなりました。
また、見積依頼メールなどのメールを軸にしたタスクの管理にも役に立っています。見積依頼メールは、まず「対応継続中」に移動し、見積を作成し、返信が完了したタイミングで「対応完了」に移動するとルールを決めたことで、各営業担当のタスク状況まで可視化できるようになりました。
共有メールアドレスを利用した営業活動に抵抗がある方も多いと思いますが、それよりも対応漏れが発生している状況の方が問題で解決すべきだと思います。
「属人化」を効率化した事例
株式会社日本橋夢屋
導入前の課題
航空券やホテルの手配、ビザの提案など企業の海外進出をサポートする株式会社日本橋夢屋では、業務の属人化に課題を抱えていました。
顧客に対して専任の担当者をつけているため、担当者が休みの日の仕事内容や引継ぎ内容、普段の仕事量などを把握できないという課題がありました。
また、スタッフによって業務量に偏りがあり、実際にどのくらいの問い合わせが来ていて、誰がどれぐらいの業務量をこなしているのか把握できていませんでした。
なるべく業務量を共有したい、可視化したい、というのが導入の目的でした。
導入後の効果
専任担当制は「このお客様は私だから頼んでくれる」というモチベーションにつながる半面、業務が「属人化」していました。
問い合わせ管理システムで共有管理し、「チームで仕事をする」という方針に変えた結果、「チーム」でスピーディーに対応し、結果として顧客満足度向上につながっています。
また、スタッフ間で業務量を見て協力したり、リーダーが指示を出して業務量を調整したりできるようになりました。
さらに、問い合わせ管理システムを導入したことによって、「残業が減った」という効果を感じています。現在の平均残業時間が、1名あたり5時間以内ですが、導入前はその3~4倍の残業が発生していました。
現在は、残業時間が多い旅行業界の中でも少ない方に当たるので、そうなったきっかけは問い合わせ管理システムのおかげといえると思います。
株式会社ブイキューブ
導入前の課題
Web会議やウェビナーやスマートワークブース「テレキューブ」などのサービスを展開する株式会社ブイキューブでは、新型コロナウイルスの流行によってオンラインイベントの需要が高まり、取引件数が急増しました。
メーリングリストのCc送信で情報共有していたため、管理者は毎日3,000件以上のCcメールが溜まる状態でした。
現場スタッフも対応件数が増えたことにより、メールの見落としやタスク漏れが発生し、チーム全体の進捗状況の把握も困難になっていきました。
さらに、Cc漏れによって情報共有されず、業務が属人化することも課題として認識していました。
導入後の効果
問い合わせ管理システムでは、常にリアルタイムで情報共有されているのでCc送信は不要になり、3,000件のCcメールから解放されました。
問い合わせ管理システムを導入し、個人メールアドレスをやめたことの一番のメリットは、属人化の解消です。急な休みが発生しても、別のスタッフが代理返信できる体制になり、お休みが取りやすくなりました。
変化にも柔軟に対応しやすいですし、働き方の改善という部分でも問い合わせ管理システムが一役買っていると感じます。
「誤送信」を防止した事例
株式会社ウィルズ
導入前の課題
企業の株主優待をまとめたサイト「プレミアム優待倶楽部」を運営する株式会社ウィルズでは、株主の個人情報を記載したメールを扱っているため、情報漏えい防止を徹底していく必要がありました。
Wチェックの体制を作るための承認機能、外部へ情報を持ち出せないための権限設定、パスワード付ZIPファイルの自動送付、添付ファイルの自動暗号化を必須条件として、様々な問い合わせ管理システムを比較選定しました。
導入後の効果
問い合わせ管理システムの機能を使って、添付ファイルのつけ間違い防止として3段階の対策を実施することができました。
また、スタッフの習熟度に応じて権限付与や対応担当者振り分けができるので、対応ミスの防止や作業スピードの向上につながっています。
承認機能を使って対応ミスを防止するだけでなく、既存のテンプレートに+αの対応ができるように指導することもできます。
問い合わせ管理システムの導入で業務効率化
今回は、問い合わせ管理システムを使って問い合わせ対応業務を効率化した7社の事例をご紹介しました。
一般的なメールシステムは個人対個人のやりとりを前提としています。
そのため、大量のメールを複数人で分担する問い合わせ対応業務では、共有設定をしたり、別で管理表を作成したり、運用面で工夫をする必要があります。
問い合わせ対応業務専用に開発された「問い合わせ管理システム」であれば、手間をかけることなく、リアルタイムな情報共有が可能です。
問い合わせ対応業務の効率化に悩んでいる方は、問い合わせ管理システムを検討してみてはいかがでしょうか。
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