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コールセンターの稼働率を管理する方法とは?目安やポイントを解説

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コールセンターの効率的な運営は、顧客満足度を高め、業務の生産性を向上させるために重要な要素です。その中でも、コールセンターの「稼働率」の管理は、スタッフの配置やリソースの最適化に大きな影響を与えます。

本記事では、コールセンターの稼働率の概念から、管理方法、適正な稼働率の保ち方、問題が発生した場合の対策に至るまでをご紹介します。

この記事の目次

    コールセンターの稼働率とは

    コールセンターの稼働率とは、スタッフが実際に業務に従事した時間の割合を表します。稼働率は、業務の効率性やスタッフの労働負荷の程度を把握するために活用されます。ここでは、稼働率の定義や計算方法、またその他の関連する指標との違いについて詳しく説明します。

    稼働率とは

    稼働率は、コールセンターのスタッフが「稼働している」状態にある時間の割合を表します。具体的には、スタッフが通話を受けている時間や顧客対応を行っている時間など、業務に直接関与している時間がどれだけあるかを計測するものです。この指標は、コールセンターのリソースの活用状況を把握し、効率的な運営に向けた調整に役立ちます。

    稼働率の計算方法

    稼働率の計算は簡単で、スタッフが稼働している時間を総勤務時間で割ることで求められます。

    稼働率(%)=(通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間)/勤務時間×100

    たとえば、1日の勤務時間が8時間で、そのうち6時間が実際の通話や業務に費やされていれば、稼働率は75%となります。この計算方法により、各スタッフやコールセンター全体の業務効率を評価できます。

    稼働率と占有率の違い

    稼働率と占有率は似たような意味で使われる場合がありますが、異なる概念です。稼働率はスタッフが実際に業務に従事している時間の割合を指しますが、占有率はスタッフが「待機状態」ではなく、業務を行っている時間の比率を意味します。占有率は、コールセンターの混雑具合を測るために使われる場合が多い指標です。

    稼働率と応答率の違い

    稼働率と応答率も混同されやすい指標ですが、異なる点があります。応答率は、顧客からの電話がどれだけ迅速に応答されたかを示すものです。稼働率とは異なり、応答するまでの時間に焦点を当てます。応答率が高ければ、顧客に迅速な対応ができていることを示し、稼働率は、スタッフの業務にどれだけ充実しているかを測ります。

    コールセンターの稼働率の目安

    コールセンターにおける適切な稼働率は、業種や業務の内容により異なりますが、一般的には80%~85%程度が適正ラインとされています。この範囲内であれば、スタッフの負荷が過度でなく、また、業務の効率性も保たれている状態といえるでしょう。しかし、これを超えるとスタッフに過度な負担がかかり、逆に低すぎる場合は人員不足やリソースの無駄が発生します。70%未満が人員体制の見直しラインといわれています。

    適正な稼働率を保てない場合の問題

    コールセンターにおいて、適正な稼働率の維持は、効率的な運営に不可欠です。しかし、稼働率が高すぎたり低すぎたりすると、さまざまな問題が発生する可能性があります。これらの問題は、業務の質やスタッフの健康に大きな影響を与え、最終的には顧客満足度にもつながります。

    以下では、稼働率が高すぎる場合と低すぎる場合に起こりうる問題についてご紹介します。

    稼働率が高すぎる場合

    稼働率が過剰に高い場合、スタッフへの過剰な負担がかかっている可能性があります。スタッフが業務に多くの時間を費やす一方で、十分な休憩を取る暇もなく働き続ける状況が生まれます。これが続くと、身体的な疲労や精神的なストレスが蓄積され、結果としてスタッフのパフォーマンスが低下します。

    長時間の業務負担が続くと、顧客対応の質にも影響が出てくるでしょう。疲労が蓄積されたスタッフは、冷静な判断や適切な対応が難しくなるケースがあり、その結果、顧客からの苦情や不満が増加する可能性が高くなってしまうのです。また、パフォーマンスの低下は、顧客満足度を低くし、企業に対する信頼を損なう原因ともなりかねません。

    さらに、スタッフの過剰な稼働が続けば、離職率が高くなる場合も考えられます。高い稼働率により、スタッフが仕事に対して疲弊し、職場環境に不満を感じるようになると、結果として人材の流出を招きます。このような状況では、新たなスタッフの採用や育成にかかるコストが増大し、コールセンター全体の運営にかかる負担も大きくなるでしょう。

    稼働率が低すぎる場合

    一方で、稼働率が低すぎる場合にもさまざまな問題が発生します。稼働率が低いということは、スタッフが実際に業務に従事している時間が少ないことを意味します。これはリソースの無駄遣いにつながり、業務の効率化を妨げてしまうでしょう。

    さらに、稼働率が低い場合、スタッフの勤務時間の割り当てが不均衡であることも考えられます。このような状況では、スタッフが十分に業務をこなせず、非効率的な運営となります。結果として、コールセンター全体の稼働率が低くなり、リソースが有効活用されていないという事態が生じます。

    また、稼働率が低い状態であっても、スタッフが業務に従事していない時間に対する給与支払いが発生するため、コストが無駄にかかります。このような経済的負担が積み重なると、コールセンター全体の利益が圧迫される可能性があります。

    稼働率が低すぎる問題を解決するためには、業務の予測と人員配置の最適化が重要です。需要が高い時間帯に対応できるよう、スタッフを効果的に配置し、無駄な人員を減らしたり、コストを削減したり、業務効率の改善が求められます。また、業務の流れを見直し、必要な時間帯に適切な人員の投入が、稼働率を最適化するためには欠かせないでしょう。

    コールセンターを適正な稼働率で管理する方法

    コールセンターの稼働率を適切に管理するには、業務の効率化とスタッフの負担軽減をバランス良く調整する必要があります。高すぎても低すぎても問題が生じるため、常に最適な稼働率を維持するための工夫が求められます。ここでは、コールセンターの稼働率を適正に管理するための具体的な方法について、いくつかの重要なポイントをご紹介します。

    人員の調整

    コールセンターの運営において最も基本的で重要なのは、適切な人員配置です。人員の数や配置を柔軟に調整すれば、稼働率を最適化できます。

    まず、コールセンターが直面する業務量や通話数の予測が求められます。この予測を基に、ピーク時間帯に合わせたスタッフを配置することが重要です。特に、朝や夕方などの忙しい時間帯に十分な人員を配置すれば、顧客からの問い合わせにスムーズに対応でき、待機時間の短縮が図れるでしょう。

    また、人員配置においては、シフト制やフレックスタイム制度を活用もおすすめです。これにより、スタッフの勤務時間帯を柔軟に調整でき、コールセンターの業務需要に合わせた最適な人員数を確保できます。

    ステータス管理

    コールセンターにおいて、ステータス管理は非常に重要な役割を果たします。ステータス管理を効果的に行えば、スタッフの稼働状況をリアルタイムで把握でき、業務の効率化が図れるでしょう。具体的には、スタッフが現在対応している業務や、待機中、休憩中、退勤中など、各スタッフのステータスを明確に管理します。

    これにより、スタッフの負担状況や業務進行の状況を可視化でき、どの時間帯にどのくらいの人員が必要かをリアルタイムで調整できます。また、過剰な待機時間を減らし、スタッフが集中して対応できる時間を増やせます。ステータス管理の精度を高めるには、専用のツールやシステムを導入し、各スタッフのステータスをシームレスに更新できるようにしましょう。

    スタッフのケア

    コールセンターの稼働率を適正に保つには、スタッフのケアが欠かせません。過剰な労働やストレスの蓄積が業務効率や顧客対応に影響を与えるため、定期的にスタッフの状態をチェックし、適切なサポートを提供することが重要です。

    スタッフにとって、仕事の負担を軽減するための休憩やリフレッシュの時間は非常に重要です。特に、長時間の通話対応を続けることは肉体的にも精神的にも負担が大きく、業務に支障をきたす原因となるでしょう。そのため、スタッフの健康状態に配慮し、適切な休憩時間や交代制を設けることをおすすめします。また、ストレスや疲労感を和らげるためのサポートも重要です。たとえば、チーム内でのコミュニケーションを活発にし、業務終了後にリラックスできる時間を提供するなど、職場環境を整えることは、長期的に見て効果的です。

    さらに、スタッフのパフォーマンスが低下しないよう、定期的な研修やスキルアップの機会の提供も、モチベーションを維持するために重要です。こうしたケアを通じて、スタッフの満足度や効率が向上し、稼働率の適正化が促進されるでしょう。

    待機時間の有効活用

    待機時間の有効活用も、コールセンターの稼働率を適正に保つための重要な要素です。スタッフが通話をしていない時間を無駄にせず、有効活用すれば、業務全体の効率を向上させられるでしょう。

    たとえば、待機時間にスタッフに対して定期的な教育やトレーニングを提供すれば、スキルの向上を図れます。こうした学びの時間を設ければ、スタッフは常に業務に対する理解を深め、対応能力を高められるでしょう。また、待機時間を利用して、業務に関連する報告書の作成やデータ分析などを行わせることも有効です。これにより、スタッフは常に稼働し続け、無駄な時間を最小限に抑えられるでしょう。

    ただし、待機時間を有効に活用するには、スタッフの意識改革が必要です。待機時間中でも、単に手を休めるだけではなく、自己改善や業務改善に努めることを意識づければ、全体の効率が向上するでしょう。

    ツールの活用

    コールセンターの稼働率管理には、専用のツールやシステムの導入が効果的といわれています。これらのツールは、スタッフのステータス管理や業務進行の状況をリアルタイムで把握し、迅速に調整を行うための助けとなるでしょう。たとえば、通話のピーク時間を予測し、スタッフの配置を最適化するシステムや、業務負荷を分散させるためのツールが挙げられます。

    また、AIやチャットボットを活用すれば、一部の業務を自動化し、スタッフの負担を軽減することも可能です。これにより、スタッフはより複雑な対応に集中でき、通話時間や業務効率の向上が期待できます。さらに、通話の内容を分析して、スタッフのパフォーマンスを可視化すれば、個々のスキル向上にもつなげられるでしょう。

    ツールを効果的に活用するには、導入後の運用面でもスタッフのサポートが必要です。スタッフがツールを使いこなせるように、定期的なトレーニングやサポート体制を整えましょう。

    コールセンターの稼働率を管理する際のポイント

    コールセンターの稼働率を効果的に管理するためには、いくつかの重要なポイントを知っておく必要があります。単に稼働率が高ければ良いというわけではなく、全体の品質やスタッフ間の均衡を保ちながら、業務の効率化と顧客満足度の向上を目指す必要があります。以下では、特に注意すべきポイントについてご紹介します。

    スタッフによって稼働率が極端に異なることはないか

    コールセンター内でスタッフによって稼働率が極端に異なると、業務効率やサービス品質に深刻な影響を与える可能性があるでしょう。稼働率が高すぎるスタッフがいる一方で、低すぎるスタッフがいる状況では、全体のリソースの使い方に不均衡が生じ、最適なスタッフ配置ができていないことになります。こうした偏りが生じる原因には、個々のスタッフの対応速度や能力の差、経験の有無、または精神的な負担の違いなどが考えられるでしょう。

    たとえば、熟練したスタッフが大量の通話をこなしている一方で、経験が浅いスタッフがうまく業務を進められず、結果的に稼働率が低くなる場合があります。このような場合、スタッフ間でのパフォーマンスの差を縮めるための対策が求められます。スタッフに対するトレーニングの強化や、スキルマッチングを見直して各自に適した業務を割り当てましょう。

    また、稼働率のバランスを取るためには、定期的なパフォーマンス評価を行い、進捗や成果に基づいて改善点を見つけ出しましょう。この評価によって、個々のスタッフが抱えている問題を早期に発見し、対策を講じられます。スタッフ同士でのサポート体制を強化し、協力しながら業務を進められる環境を作ることも、稼働率の均等化に役立ちます。

    コールセンター全体の品質は保たれているか

    コールセンターの稼働率を管理する際には、個々のスタッフの稼働率だけでなく、全体のサービス品質も考慮しましょう。稼働率が高い状態の維持に集中するあまり、顧客対応の品質が低下してしまうような事態は避けなければなりません。特に、稼働率を上げるためにスタッフに過度の負担をかけると、顧客とのやり取りでミスが増えたり、満足度が低下したりする可能性が高くなります。

    そのため、コールセンター全体の品質を保つためには、適切なトレーニングとサポートが重要です。スタッフが高い品質で顧客対応を行うためには、製品知識やサービスに関する深い理解が求められます。加えて、顧客とのコミュニケーションスキルも重要な要素です。これらのスキルを磨くために定期的な教育やフィードバックを提供することが、顧客満足度の向上と直結します。

    また、コールセンター全体の品質を担保するには、スタッフ間での情報共有も欠かせません。特に、問題のある通話や難易度の高いケースに関する情報を共有すれば、スタッフは他のスタッフから学べるでしょう。これにより、全体的な対応力を向上させ、個々のスタッフの負担を軽減できます。業務の質が向上すれば、コールセンター全体の稼働率も自然に高い水準に保たれるでしょう。

    まとめ

    コールセンターの稼働率を効果的に管理するためには、適切な人員配置と業務環境の整備が不可欠です。稼働率が高すぎるとスタッフへの負担が大きくなり、品質の低下を招く可能性があります。一方で、稼働率が低い場合は、リソースの無駄や効率の悪化が起こります。

    適正な稼働率を維持するためには、スタッフのスキルに応じたタスク割り当てや、ステータス管理、ツールの活用が重要です。全体の品質を保ちながらバランスの良い稼働率となるように管理することが、顧客満足度を向上させ、業務の効率化を実現するカギとなります。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    メールの例文などメールに関するお役立ち記事の執筆・案出しをしています。メール業務を実際に行っている方に役立つ情報を届けられるよう日々編集しています。
    好きな定型文は「お心遣いに重ねてお礼申し上げます。」です。

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