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ヘルプデスクとコールセンターの違いを4つの視点で解説!設置・運営のポイントは?

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企業活動において、顧客対応や社内のサポート業務を効率化するためには、ヘルプデスクやコールセンターの設置が欠かせません。しかし、これらはしばしば混同されがちです。それぞれの役割や目的を正しく理解し、適切な運用が、サービス品質の向上や業務効率化の鍵となるでしょう。本記事では、ヘルプデスクとコールセンターの違いを4つの視点から詳しく解説し、設置や運営時のポイントについてなどをご紹介します。

この記事の目次

    ヘルプデスクとは

    ヘルプデスクとは、主に製品やサービスに関連する技術的な質問や問題に対して、ユーザーをサポートする窓口です。企業内部で運用されることも多く、スタッフが使用するシステムやツールに関する問い合わせに対応する役割を担います。

    ヘルプデスクの目的は、問題の迅速な解決と、利用者がスムーズに業務を遂行できる環境の提供です。たとえば、ソフトウェアの使い方に関する質問に答えたり、不具合を修正するためのアドバイスを行ったりします。また、問題が複雑な場合には、より専門的な部門にエスカレーションする役割も果たすとされています。

    コールセンターとは

    コールセンターは顧客対応に特化した窓口であり、主に電話や電子メール、チャットなどを通じて、顧客からの問い合わせや要望に対応するのが特徴です。コールセンターは外部顧客を対象とする場合が多く、その役割は新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上など、多岐にわたります。

    たとえば、商品やサービスに関する質問への回答、購入後のサポート、さらにはマーケティングキャンペーンの一環としての電話営業を行うケースもあります。近年では、SNSやチャットボットなどのデジタルチャネルを活用するケースも増加しています。これにより、顧客が好む方法で迅速な対応が可能です。

    コールセンターの効率的な運営は、顧客満足度を高めるだけでなく、企業のブランドイメージ向上や収益増加にもつながるといわれています。

    ヘルプデスクとコールセンターの違い

    ヘルプデスクとコールセンターは、どちらも企業や組織が提供するサポート窓口として機能します。しかし、それぞれの目的や役割、業務内容、そして必要なスキルには明確な違いがあります。これらの違いを正確に理解すれば、効率的な運営や適切な人材配置が可能となるでしょう。また、顧客やスタッフの満足度も向上させられるでしょう。ここでは、ヘルプデスクとコールセンターの違いをご紹介します。

    目的の違い

    ヘルプデスクの主な目的は、技術的な問題やシステム上のトラブルを迅速に解決し、利用者が業務を滞りなく遂行できる環境の提供です。対象となるのは社内のスタッフである場合が多く、ITシステムのトラブルや業務に関する技術的な質問への対応を中心に行います。たとえば、パソコンの動作不良やソフトウェアの操作方法に関する問い合わせなどが挙げられます。

    一方、コールセンターの目的は主に外部顧客を対象とし、問い合わせ対応を通じて顧客満足度を高めることです。製品やサービスに関する質問への回答、新規顧客の獲得、既存顧客との良好な関係構築など、幅広い役割を担います。特に、電話やメール、チャットを通じて顧客と直接コミュニケーションを取るため、企業の「顔」としての役割を果たす場面も多いです。

    役割の違い

    ヘルプデスクは、特定の技術的な問題に対応する専門窓口として機能します。その役割には、問い合わせ内容の診断や問題解決のサポートが含まれます。また、解決が難しい場合には、専門的な技術チームや外部パートナーに問題をエスカレーションする役割も担うでしょう。その結果、複雑なトラブルにも迅速かつ適切に対応する体制が整います。

    一方で、コールセンターの役割は顧客対応全般に広がります。問い合わせや苦情の対応だけでなく、商品の提案やサービスの改善につながるフィードバックの収集、新たなマーケティング活動のサポートなども含まれることも多いです。たとえば、新商品の紹介や契約更新の促進といった営業活動も行う場合があります。このように、コールセンターは単なる問題解決の場ではなく、顧客との関係を深め、ビジネスの成長を支える重要な役割を果たします。

    業務内容の違い

    ヘルプデスクの業務は、主に技術的な問題に焦点を当てています。システムエラーの診断と修復手順の案内、社内ツールの設定サポート、新しいシステムの導入時のトラブル対応などがその例です。また、問い合わせ内容を記録し、再発防止策を提案することで、システムの安定性向上にも貢献します。こうした業務は、社内のIT環境を最適化し、スタッフがスムーズに業務を行えるようサポートする役割を果たします。

    一方、コールセンターの業務内容は多岐にわたるのが特徴です。具体的には、製品やサービスに関する問い合わせ対応、返品や交換の手続き、クレームの処理、さらには新商品の紹介やキャンペーンの案内などです。また、近年ではチャットボットやSNSを活用した対応も増えており、顧客が利用しやすいチャネルでのサポートが求められるようになっています。コールセンターは、顧客体験の向上とともに、企業の収益向上にも寄与する業務内容を担っています。

    必要なスキルの違い

    ヘルプデスクに求められるスキルは、主に技術的な知識と問題解決能力です。たとえば、ITシステムやソフトウェアに関する深い理解、トラブルシューティングのスキル、専門的な情報をわかりやすく説明する能力が挙げられます。また、利用者が感じるストレスを軽減し、迅速に対応するための冷静な判断力と対応力も重要です。

    一方で、コールセンターには優れたコミュニケーションスキルが求められます。顧客の要望を正確に聞き取る力や、的確で丁寧な対応を行うスキルが必要です。また、顧客心理を理解し、相手の立場に立った対応ができる共感力も重要視されます。さらに、営業活動を行う場合には、商品やサービスの魅力を効果的に伝えるプレゼンテーション能力も求められるでしょう。

    このように、ヘルプデスクとコールセンターでは必要とされるスキルの方向性が異なります。それぞれの業務内容に適した人材を配置すれば、業務の効率化とサービス品質の向上が期待できるでしょう。

    ヘルプデスクやコールセンターに類似する仕事

    ヘルプデスクやコールセンターに類似する仕事には、いくつかの職種があります。これらの職種は、それぞれ異なる役割や目的を持ちながらも、顧客やスタッフをサポートするという共通点があります。ここでは、テクニカルサポート、カスタマーサポート、サービスデスク、社内SEの4つの職種についてご紹介します。

    テクニカルサポート

    テクニカルサポートは、主に顧客や利用者が直面する技術的な問題の解決を目的とした職種です。対象となるのは、自社製品やサービスに関連するトラブルであり、たとえばハードウェアの故障やソフトウェアのエラー、システムの設定方法に関する問い合わせが典型的です。テクニカルサポートでは、問題の原因を特定し、解決策を提示する専門的なスキルが求められます。また、場合によっては遠隔操作を通じて直接問題を解決する場合もあります。

    この職種の特徴は、対象とする問題が非常に専門的である点です。ヘルプデスクが幅広い問い合わせに対応するのに対し、テクニカルサポートは製品やシステムに特化した知識を活用します。そのため、担当者には深い専門知識と論理的な問題解決能力が必要とされるでしょう。また、利用者が技術的な内容に詳しくない場合でも理解できるよう、わかりやすく説明するスキルも重要です。

    カスタマーサポート

    カスタマーサポートは、顧客とのコミュニケーションを通じて、製品やサービスの利用を円滑にする職種です。この職種の役割は非常に広範囲にわたり、商品に関する問い合わせへの回答から、購入後のアフターサービス、さらにはクレーム対応までを含みます。たとえば、商品が到着しない場合の調査や、サービスの料金プランに関する説明などが挙げられます。

    カスタマーサポートの業務は、テクニカルサポートやヘルプデスクと比較して、技術的な内容に限られない点が特徴です。顧客満足度を高めるための総合的なサポートを提供する役割を担っており、顧客の要望に迅速かつ柔軟に対応する姿勢が求められます。また、カスタマーサポートは企業の「顔」として機能するため、顧客対応の品質が企業全体の評価に直結する場合もあります。コミュニケーション能力や共感力に加え、顧客が抱える潜在的なニーズを見つける洞察力が重要なスキルです。

    サービスデスク

    サービスデスクは、組織全体のITサービスをサポートする役割を担います。ヘルプデスクと混同されることもありますが、サービスデスクの対象範囲はより広く、単なる問題解決にとどまらず、ITサービス全般の最適化や改善にも関与します。たとえば、新しいITサービスの導入に伴うサポートや、サービスの利用状況に基づいたレポート作成、ユーザーアカウントの管理などが含まれます。

    サービスデスクの特徴は、ITインフラやアプリケーション全般にわたる問い合わせに対応する点です。さらに、利用者の問い合わせ内容を記録し、データを分析することで、将来的な改善策を提案する役割も持っています。このように、サービスデスクはIT環境全体の効率化を目指した業務を担当するため、ITに関する深い知識だけでなく、業務プロセスの理解やデータ分析のスキルも求められます。

    社内SE

    社内SEは、組織内部で使用されるITシステムやネットワークの運用管理を担う職種です。この職種の主な目的は、社内のIT環境を維持し、業務の効率化を図ることにあります。具体的には、システムの保守やトラブル対応、サーバーやネットワークの管理、新しいITツールの導入支援などが業務内容として挙げられるでしょう。また、社内の要望に応じて業務プロセスを改善するためのシステム開発を行う場合もあるとされています。

    社内SEは、直接顧客に対応するヘルプデスクやコールセンターとは異なり、社内のスタッフをサポートする役割を果たします。そのため、技術的な知識だけでなく、社内業務の流れや部門ごとのニーズを理解する力が重要です。また、IT環境を最適化するためには、部門間の調整力やプロジェクト管理スキルも欠かせません。この職種は、ITを活用して組織全体のパフォーマンスを向上させる中核的な役割を担っています。

    ヘルプデスクやコールセンターを設置する際の注意点

    ヘルプデスクやコールセンターを設置する際には、業務を円滑に進め、顧客や利用者の満足度を高めるために、事前の準備が重要です。そのため、明確な目的設定から人材育成、複数のチャネル対応、そしてKPIの導入と管理まで、さまざまな側面を考慮する必要があります。ここでは、ヘルプデスクやコールセンターを設置する際の注意点をご紹介します。

    目的や役割、業務範囲を明確にする

    ヘルプデスクやコールセンターを設置する際には、まず目的や役割、業務範囲を明確にしましょう。これにより、組織内での位置づけや期待される成果がはっきりし、スタッフの混乱を防げるでしょう。たとえば、ヘルプデスクの場合は、社内のITトラブルを解決する役割を担うのか、外部の顧客対応も行うのかを明確にする必要があります。一方、コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対応するのか、販売促進活動を兼ねるのかといった具体的な役割を決定します。

    業務範囲についても、対応する課題の範囲や優先順位の設定が重要です。これにより、スタッフの過度な業務負担を抱えるリスクを減らし、効率的な運営が可能となるでしょう。業務範囲が明確であれば、必要なリソースや人員を正確に見積もることができるため、適切な予算配分や設備投資が可能になります。

    人材育成や確保の方法を考える

    ヘルプデスクやコールセンターの運営において、優れた人材の育成と確保は不可欠です。利用者の満足度を高めるためには、問題解決能力だけでなく、丁寧な対応ができるコミュニケーションスキルも重要な要素です。特に、問い合わせ内容が多岐にわたる場合や複雑な問題に直面する場合、担当者のスキルにより対応の質が大きく変わります。

    新規の人材を採用する場合、業務に必要なスキルを明確にした上での採用基準の設定が求められます。また、既存のスタッフに対しては、定期的なトレーニングを実施し、新しい知識やスキルを習得させましょう。さらに、業務のモチベーションを維持するために、評価制度やキャリアパスの整備も必要です。人材確保に困難が生じる場合は、アウトソーシングを検討するのも一つの方法です。

    複数のチャネルに対応する

    現代の利用者は、電話だけでなく、メール、チャット、SNSなど、さまざまなチャネルを通じて問い合わせを行います。そのため、ヘルプデスクやコールセンターでは、複数のチャネルに対応できる体制を整える必要があります。これにより、利用者が最も利用しやすい方法で問い合わせを行えるようになり、満足度が向上するでしょう。

    複数チャネルへの対応は、ただ単に連絡手段を増やすだけでは不十分です。各チャネルでの対応品質を一貫させるための仕組みが求められます。たとえば、統合的なCRM(顧客関係管理)システムを導入すれば、利用者の問い合わせ履歴を一元管理し、どのチャネルからの問い合わせでも迅速かつ的確に対応できるでしょう。また、スタッフ間の情報共有をスムーズにするための内部ツールの活用も有効です。

    KPIを設定して現場を管理する

    ヘルプデスクやコールセンターを効果的に運営するには、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、それを基に現場を管理することが欠かせません。KPIを設定すれば、目標達成に向けた進捗状況を定量的に把握できるようになり、業務改善の方向性を見出す手助けとなるでしょう。

    一般的なKPIとしては、応答率、解決時間、顧客満足度などが挙げられます。たとえば、応答率を向上させるためには、問い合わせのピーク時間に合わせた人員配置が必要です。また、解決時間の短縮を目指す場合は、トラブルシューティングのプロセスを見直し、迅速な対応が可能な体制を整えることが求められます。さらに、顧客満足度を高めるためには、対応品質を評価する仕組みやフィードバックを反映させる体制の構築が大切です。

    KPIを定期的にモニタリングし、必要に応じて目標や施策を見直せば、現場のパフォーマンスを継続的に向上させられるでしょう。このプロセスを繰り返せば、より効果的で利用者に満足してもらえるサポート体制を実現できるでしょう。

    まとめ

    ヘルプデスクやコールセンターを設置・運営する際には、業務の目的や役割を明確にし、適切な人材育成と効率的な運用体制を整えることが成功の鍵となります。これらの機能は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、共通して利用者の満足度向上を目指している点が特徴です。

    また、複数のチャネル対応やKPIの設定など、現代の多様化したニーズに応えるための施策の取り入が求められます。

    さらに、テクニカルサポートやサービスデスクなど、関連する業務との違いを理解し、それぞれの特性を活かした運営も重要です。適切なリソース配分と戦略的な管理を通じて、ヘルプデスクやコールセンターの価値の最大化が可能になるでしょう。これらの取り組みを徹底すれば、企業は利用者からの信頼を獲得し、より良い顧客体験を提供する基盤を築けるでしょう。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    メールの例文などメールに関するお役立ち記事の執筆・案出しをしています。メール業務を実際に行っている方に役立つ情報を届けられるよう日々編集しています。
    好きな定型文は「お心遣いに重ねてお礼申し上げます。」です。

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