「カスタマーサクセス」というキーワードが、顧客対応部門において近年注目されていることをご存知でしょうか?
これまでの「CS=カスタマーサポート」を「CS=カスタマーサクセス」に置き換える概念として、海外や国内のIT企業を中心に急速な拡がりを見せています。
今回は、この「カスタマーサクセス」について、その考え方や、注目されるようになってきている理由について解説したいと思います。
カスタマーサクセスとは?
もともとカスタマーサクセスという考え方は、SaaS(インターネットを経由して必要な機能だけを活用できるソフトフェア)ビジネスから生まれたと言われています。
SaaSのようなビジネスでは、これまでの「モノを売って終わり」というモデルではなく、月額課金などのモデルを取っていることが多いため、いかに継続してサービスを利用してもらうかが非常に重要となります。
そのため、顧客からの問い合わせを起点としたこれまでの受け身のカスタマーサポートだけでは、継続して利用していただくための対応としては不十分と考えられるようになりました。
こうした背景があり、海外のSaaS企業を中心に、「顧客との長期的な関係構築を目指し、継続利用を促すことで、企業利益の長期運営を目指す」というカスタマーサクセスの発想が成熟していきました。
カスタマーサクセスのゴール
カスタマーサクセスは本当の意味での企業と顧客の継続的発展を目標としており、長期的視点に基づいた戦略思考がその背景にあります。
日本でも、昔から「末永いお付き合いを」というマインドがあるため、思想的な真新しさはないかもしれませんが、カスタマーサクセスではそこにCRMなどのIT技術を用いた分析を加えることで、顧客に寄り添いながらも、戦略的に企業収益を高めていくことが可能となります。
つまり、カスタマーサクセスにおけるゴールとは、ツールを活用しながら戦略的に顧客とのコミュニケーションを行い、顧客の継続利用期間の最大化を達成することと言えそうです。
これからの顧客対応部門に求められること
ここまで見てきたように、カスタマーサクセスとは、これまでのカスタマーサポートより戦略的な考え方であり、能動的なアクションを伴うものです。
企業内ではますます顧客対応に関する業務が重要になり、顧客対応部門には草食系サポートではなく「能動的に提案やコンサルティングを行い、顧客と自社を『成功(サクセス)』へ導く」肉食系サポートが求められていくと共に、これまで以上に技術的なツールを使いこなす必要が出てくるでしょう。
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