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イラッとさせないメール対応【ビジネスマナー】

ビジネスの連絡にメールは欠かせません。そこで、今回はメール作成のマナーについて考えていきましょう。
何気なく使っている言葉でこちらの意図とは裏腹に、相手に不快感を与えてしまう場合があります。全ての人に好感を持ってもらうのは難しいですが、ビジネスマナーとして最低限必要な「イラっとさせないメール作成のポイント」をお伝えします。

この記事の目次

    カタカナ語、略語のアルファベットを避ける

    カタカナのビジネス用語を多用していませんか?自分の胸に手を当ててみてください。
    万人に認知されているカタカナ語はともかく、ビジネス用語や専門用語は避けたほうが無難です。仕事をスムーズに進めるためには、ある程度のビジネス用語を知っておかなければいけませんが、メールの相手が同じ認識でいるとは限りません。社内やチームでの共通言語に慣れていると、それが普通になり外部との温度差に気づかない場合もあるので、注意が必要です。
    以下のようなメールを得意げに送ってはいないでしょうか。

    ◆NG例
    当方のパフォーマンスの低下により、レスポンスが遅れましたことをお詫び申し上げます。
    追って、ボトルネックになっている要因をエビデンスに基づきFBします。

    ちょっと誇張していますが、このような文面を送られた方は一瞬なんのことかと思うでしょう。単語の意味を調べさせることは相手の時間を奪うことにもつながり“イラっとポイント”になります。
    カタカナ用語は意味が複数あるものも多く(もともと外国語由来が多いので、訳すときに微妙な違いが生まれる)正確に意図が伝わらない場合や、言葉の雰囲気で「こんな感じかな?」と勝手に解釈されてしまう場合もあり、全く別の意味でとらえられてしまうこともあります。

    ◆変更例
    当方の作業遅延により、返信が遅れましたことをお詫び申し上げます。
    追って問題(もしくは、障害)となった要因を根拠に基づき、ご報告いたします。

    このように、カタカナ語を使わない方がすんなり理解できると思います。

    他にも、最近よく使われているアジェンダ、バッファ、セグメント、デフォルトなどを、すぐに日本語変換できますか?自分でもさっと日本語に言い換えられないような曖昧な言葉は、使わないようにするのが無難です。
    日常で「どういう意味ですか?」とよく聞かれる人は今すぐカタカナ語を使うクセを直しましょう。
    本当に仕事ができる人は相手の頭の中にある言葉を使い、相手に合わせて話ができる人です。

    イラっとさせるフレーズを入れない

    より丁寧に伝えようと入れたひと言や、相手を労うつもりで入れたひと言もまた“イラっとポイント”になることがあります。
    話し言葉でも同じですが「ご苦労様です」は目下に使う言葉です。
    これを、同僚や目上の方に使ってしまい、気まずくなったという話はよくあります。知らないうちに相手の心情を逆なでする表現を使わないように気をつけましょう。

    クレーマーには、毅然とした対応を

    相手をイラっとさせないメール表現の基本を押さえていても多種多様な価値観を持つ人々に対して万人受けするのは難しく、こちらが意図しないことに対して、理不尽なクレームに発展することも少なくありません。そんなときの対処法としては「悪意を感じるクレームには、毅然とした態度をとる」ということが重要です。
    そのような場合には、当方が回答(対応)できるのは、ここまでです!という明確な線引きをし、意思表示することが大切です。また、言葉尻をとらえられたり、言い回しに執拗に絡んできたりするようであれば、不快な思いをさせてしまったことに関しては謝罪の気持ちを伝えても、明らかな暴言や人格否定表現でないのなら、それ以上の謝罪は必要ないでしょう。また、自己判断せずに早めに上司や周りの方々に相談をしつつ、抱え込まずに冷静に判断し対応しましょう。

    こういったケースはいくら心を尽くしても「ああ言えばこう言う」と泥沼化することも多々あります。まず、訴えてきた相手の意向や気持ちを受け止める必要はありますが、泥沼化する前に、水際で食い止められるよう組織の中で案件を共有し、共通認識を持ち、対策を練ることが大切です。
    マネジメントする立場の方は、状況を把握する前に「なぜそんなことを言わせてしまったのか」と担当者を責めることは避けてほしいと思います。
    相手が、お客様だからといって、すべてに対応できるわけではありません。

    こちらが、誠意を持って対応しても、全く違った受け止め方をされるケースも多くなっている中、一定のマナーや心遣いを知り実践することで、自信をもって毅然とした態度で対応することを心がけるのがよいでしょう。

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    この記事を書いたライター

    心理カウンセラー 大野萌子

    心理カウンセラー 大野萌子

    法政大学卒業。卒業後、総合職として日本通運に入社。2000年からは 日本産業カウンセラー協会において18年間、産業カウンセラー養成講座、実技・理論講師として活動。 (産業カウンセラー、キャリアコンサルタント養成のエキスパート) また、防衛省初ハラスメント研修を担当、をはじめ内閣府、文部科学省などの官公庁、大手企業、大学などで、年間100件以上の研修・講演活動を行っており講演のユニークさや解り易さには、定評がある。 2009年より厚労省の事業、介護人材の処遇改善の一環を介護人材育成コンサルタントとして携わる。 働く人のメンタルヘルスとコミュニケーションの専門家としてメディア各社で取り上げられている。 毎日放送、フジテレビ、TBS、日経ビジネス、日経WOMEN、日経新聞、毎日新聞等、出演・監修多数。 【主な出講先】 ・防衛省人事教育部・防衛省内局メンタルヘルス調査研究事業・陸海空各駐屯地及び基地 ・内閣官房人事局・東京海上日動火災・日本原子力研究開発機構・エプソントヨコム・さがみ信用金庫 ・㈱グリーンハウス・神奈川県立東部総合技術校・横浜市社会福祉協議会・東京リーガルマインド ・(株)バンテック・グランドソントン太陽ASG税理士法人・港湾労災防止協会・東京都障害者スポーツ協会 ・日本軽金属・㈱マーケム・イマージュ・㈱ベストライフジャパン・NTTアドバンステクノロジ・㈱電縁 ・海洋研究開発機構・メディカルアソシア・クラブ・デモンストレーション・サービシズ・インク ・神奈川県内商工会議所・淑徳大学・学習院女子大学・國學院大學・東京農業大学・中央労働金庫 ・㈱コモタ・環境再生保全機構・東京都都市づくり公社・Plan・Do・See・介護福祉施設・病院他 多数 【著書】 ・「かまってちゃん社員」の上手なかまい方(ディスカヴァー・トゥエンティワン) ・「産業カウンセラー」(新水社)・「言いにくいことを伝える技術」(ぱる出版) ・「介護職のための職場コミュニケーション術」(中央法規)・経営視座(連載) ・月刊ケアワーク(連載)介護専門誌 ・ダイヤモンドオンライン ・東洋経済オンライン「自衛隊も学ぶ タフな大人のメンタルチューニング」、日経HR 連載

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