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顧客満足度では測れない!”売上”と相関する『NPS』とは【NPS基礎編】

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「あなたはこのサービスを友人や同僚にオススメしようと思いますか?」

飲食店のお客様アンケートや、ECサイトの商品レビューなど、様々な場面でこの質問に遭遇したことがあると思います。
これは、ショップへの愛着や、ファン度等を「顧客ロイヤリティ」として数値化する指標『NPS』を測るための質問です。

今回は、改めて「NPS」の基礎知識から、日本で使う際の注意点まで、【基礎編】としてお話ししたいと思います。

この記事の目次

    そもそも「NPS」とは?

    「NPS」とは「Net Promoter Score (ネット・プロモーター・スコア)」の省略で、「推奨者正味比率」と和訳できます。
    2003年にアメリカの大手コンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニー社のフレデリック・F・ライクヘルド氏が発表したもので、その後Apple、レゴ等、先進的な企業が導入したことで急速に広がっていきました。

    では、実際に調査の方法を見ていきましょう。

    「あなたはこのサービスを友人や同僚にオススメしようと思いますか?」
    という質問に0~10の11段階の数値で回答していただき、3つのカテゴリーに分けます。

    カテゴリー 点数 属性
    推奨者(Promoter) 9~10 満足度・再購入率が高い顧客。
    紹介客の80%は推奨者から発生している。
    中立者(Passive) 7~8 とりあえず満足はしているが、人に紹介はしない。
    競合他社の類似商品に乗り換える可能性がある。
    批判者(Detractor) 0~6 商品に不満を持っている顧客。
    批判的なクチコミや態度によって、新規顧客の取り逃しや、
    従業員のモチベーション低下に繋がる。

    そして、全体に占める「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いたものが、NPSとなります。
    全員が批判者である-100から、全員が推奨者である100の間の数値となります。

    従来の「顧客満足度」との違い

    「あなたはこのサービスに満足しましたか?」

    従来はこのような質問をする「顧客満足度調査」が一般的でしたが、ライクヘルド氏の調査によると、 「サービスから離反した顧客の"60~80%"は、直前の顧客満足度調査で「満足」・「極めて満足」と回答しており、 顧客満足調査では、真の「顧客ロイヤリティ」を測ることが出来ない」としています。

    別の調査では、業界内において1番高いNPSを持つ企業は、競合他社の"2倍"の成長率を上げているとも言われており、このような調査結果からも、NPSは顧客満足度調査よりも、"売上・成長との相関関係"が高いとされています。

     顧客満足度 : 「直近のサービスに満足したかどうか」 = 「過去」に対する評価の数値
     NPS : 「今後のアクション」 = 『未来』の予測が出来る数値 → 今後の売上・成長

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    日本で活用する際の注意点

    ところで、なぜ"0~6"が批判者なのでしょうか。
    皆さんはパっと考えて、10段階評価の中央値はいくつだと思いますか?
    念のため80人ほどにアンケートをとった結果が以下の通りです。

    ではなぜ、NPSでは7~8点を中央値としているのでしょうか。
    これは、NPS発祥地であるアメリカの成績評価制度に関係しているのではないかと思われます。
    以下の表は、アメリカの学業の場で使われている評価基準を表すものですが、NPSのカテゴリー分けに近い傾向が見受けられます。

    ▼アメリカの評価基準
    評価 点数 評価
    A 90~100
    B 80~89
    C 70~79
    D 60~69
    F 0~59 落第

    このように、点数に対する「イメージ」は、国や文化によって異なります。
    つまり、そのままの基準を利用すると、実態とかけ離れた結果となってしまう可能性があるのです。
    ですから、日本の企業は、日本の評価基準に準じた形でNPSを解釈することをオススメします。

    前述のアンケートから、日本の評価基準によるNPSのカテゴリー分けを作成しました。

    ▼アメリカの評価基準によるNPS
    推奨者(Promoter) 9~10
    中立者(Passive) 7~8
    批判者(Detractor) 0~6
    ▼日本の評価基準によるカテゴリー分け
    推奨者(Promoter) 8~10
    中立者(Passive) 5~7
    批判者(Detractor) 0~4

    続いて、あるサービスにおいて、日米それぞれの評価基準からNPSを計測し、各カテゴリーごとの「平均単価」を算出しました。
    前章で述べた「NPS」と「売上」の相関関係からすると、推奨者が最も平均単価が高く、批判者が最も低い結果となるはずです

    ▼本来のNPS
    カテゴリー 平均単価
    推奨者(Promoter) 46,848円
    中立者(Passive) 52,697円
    批判者(Detractor) 51,136円
    ▼日本の評価基準
    カテゴリー 平均単価
    推奨者(Promoter) 50,260円
    中立者(Passive) 50,241円
    批判者(Detractor) 31,500円

    見ての通り、やはり日本の企業に対する評価を国内でアンケートをとった場合は、日本の評価基準に合わせた方が正しいスコアが測れていると言えるのではないでしょうか。
    今までNPSを計測していて、しっくり来ていなかった方はぜひ一度アンケートをとった地域の評価基準に合わせて算出をしてみてください。

    NPSは一度調査をして終わりではありません。
    定期的に計測し、「何が原因でスコアに変化があったのか」しっかりと分析を行い、改善へのアクションを組み立てることが大切です。

    次回はNPSを改善するために、様々な企業が"実際行っている取り組み"をご紹介したいと思います。

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    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    メールの例文などメールに関するお役立ち記事の執筆・案出しをしています。メール業務を実際に行っている方に役立つ情報を届けられるよう日々編集しています。
    好きな定型文は「お心遣いに重ねてお礼申し上げます。」です。

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