日常業務の中で、必ず発生するメールのやりとり。メールの数が多くなればなるほど管理が煩雑になり、ミスが起きやすくなります。また、CC・BCCといった機能を活用しないでメールのやり取りをしている場合、他のスタッフが内容を把握する手段が限られ、引き継ぎや対応の遅延といったトラブルが起きかねません。そして、こうした機能を活用したとしても、メールボックスが煩雑になり、メール検索に時間がかかってしまうなどの懸念もあります。
特にSES企業では、営業とエンジニアが連携する場面が多く、頻繁にメールでコミュニケーションをとります。ミスやトラブルを起こしてしまうと、クライアントとの信頼関係にヒビが入ってしまったり、社内間で軋轢を生んだりしてしまったりする可能性もあるでしょう。
しかし、実はメール共有・管理システムを導入することで、こうしたトラブルは未然に防ぐことができます。この記事では、そんなメール管理システムについてご紹介します。
SES企業がメールの管理で直面する課題
SES企業とは、システムエンジニアリングサービスを行う企業のことで、主にITエンジニアを客先常駐させる業務形態です。
SESの業務では、メールなどの連絡系統における課題がいくつか存在します。ここからは、その課題についてご説明します。
返信漏れが発生している
一つ目の課題は、返信漏れに関するものです。一般的に、一人の営業担当者が複数のエンジニアを担当しています。それに加え、営業担当者はクライアントや各種契約関連のやり取りも行うため、メールの見落としや返信が遅れてしまうことがあります。
このようなミスが続くと、エンジニアから信頼を失ってしまい、最悪の結果として優秀なエンジニアの離職につながりかねないでしょう。また、見落としが多数発生してしまうと機会損失を生み、売上に直接響きます。
営業担当者に管理が属人化する
二つ目の課題は、営業担当者に管理が属人化してしまう問題です。情報共有がされない状態で案件の内容が担当に依拠すると、担当者の転勤や退職があった場合に引き継ぎがうまくできず、トラブルに陥ります。
こうした状況に陥らず、健全なワークフローを維持するためには、誰が担当者になっても業務が遂行できる仕組みを構築する必要があります。
代理対応ができない
三つ目の課題は代理対応の問題です。営業担当者は、常に会社に居るわけにはいきません。外出することも多く、引き継ぎに時間を取れないこともあるでしょう。担当者が外出しているときに顧客から連絡があった場合、他のスタッフでは対応できないケースがあります。携わっている案件が複雑であればあるほど、その経緯を短時間で説明することは困難です。代理対応が正確に行えるかどうかということも課題の一つで、ミスが発生しやすいことを念頭に置いて対策を練る必要があります。
営業担当者に業務負荷が偏る
四つ目の課題は、営業担当者へ圧し掛かる業務負荷の問題です。先述した通り、SES企業の営業担当者は、一人で多くの派遣エンジニアを管理するケースがほとんどです。場合によっては、一人で十人以上ものエンジニアを管理しなければならないこともあるでしょう。
営業担当者は、担当するエンジニアとの連絡はもちろん、エンジニアの人数分の派遣先企業との調整も行っていく必要があります。さらに、企業によっては契約書や請求書の作成などの事務作業も営業の業務の範疇であるケースもあります。
人手不足が深刻化している現在、営業一人が担当するエンジニアの数が増えつつあります。
これらを考えると、営業担当者がすでにすべてを管理することに限界を感じている可能性もあるでしょう。
コミュニケーションツールの多様化
近年、コミュニケーションツールが多様化しており、電話やメールだけでなく、さまざまなツールが登場しています。顧客や派遣エンジニアからの要望や利便性アップのために、LINEやChatworkなどのビジネスチャットツールの活用を始めているSES企業も増えています。
顧客AとはLINE、顧客BとはChatwork、顧客Cとはメール…のように、顧客に合わせてツールを使い分けることで、円滑なコミュニケーションが実現されるなどのメリットがあります。
ただ、コミュニケーションツールの使い分けによって、管理が煩雑になり営業担当者の負担が増え、見落としやミスが発生するリスクも高まります。
SES企業のメール管理方法
ここまで、ありがちな課題について述べてきましたが、解決する方法はあるのでしょうか。この章では、SES企業における具体的な管理方法について確認していきます。
スプレッドシートにやりとりの履歴を残す
メールを管理する方法として、スプレッドシートを用いる方法があります。スプレッドシート上にやり取りのログを残して対応することで、問い合わせ時に見直して確認することができます。一見すると効果的な方法に思えますが、スプレッドシートによる管理は、懸念点も存在します。
例えば、目的の情報に辿りつくまでに時間がかかったり、登録件数が膨らんでファイルが破損したり、ファイルのバージョン管理が複雑化してしまったりする恐れがあります。さらに、入力の手間がかかることもデメリットで、入力ミスや漏れ、入力規則の齟齬などが発生する恐れもあります。入力項目が多くなるケースほど、スプレッドシートでの情報管理は避けるべきでしょう。
メール共有機能を活用する
各メールクライアントに搭載されている共有機能を活用して、管理を行う方法もあります。
ここでは、Gmailのメール共有を例にとってご説明します。
Gmailではメールを共有することが可能です。あらかじめ設定を行っておくことで、メールフォルダの共有や転送が行えます。共有方法には、アクセス権限の付与・転送設定・IMAPの活用などがあります。それぞれの設定方法について、簡単にご紹介します。
アクセス権限の付与
- Gmailの右上にある歯車マークをクリックし、「設定」を選択
- 「メールの設定画面」から「アカウントとインポート」タブを選択
- 「アカウントのアクセス許可」欄にある「別のアカウントを追加」を選択
- 「アカウントへのアクセスを許可する」という画面が開くため、アクセス権限を付与したい相手のメールアドレスを入力して「次のステップ」をクリック
- 「よろしいですか?」の確認画面が表示されるため、「メール送信してアクセスを許可」をクリック
- 権限を付与したい相手にメールが送信
- メール内にあるリンクをクリック
転送設定
- Gmailの右上にある歯車マークをクリックし、「設定」を選択
- 「メール転送と POP/IMAP」タブをクリックし、「転送先アドレスを追加」を選択
- 表示された画面に転送先のメールアドレスを入力して「次へ」をクリック
- 「続行」をクリック
- 「Gmail転送の確認」内容を確認し、承認
IMAP
- Gmailを開き、右上にある歯車のアイコンをクリックし、「設定」
- 「メール転送と POP/IMAP」タブを選択
- 「IMAPアクセス」の「IMAPを有効にする」を選択
- 「変更を保存」を選択
事前にこのような設定を行うことで、メール共有が可能になります。しかし、こうした設定を行っても、複数人で一つのメールアドレスを共有する場合、操作や管理が煩雑化することは、否定できません。また、複数人でのメール共有は可能なものの、メール送信においては複数人のうち誰が送信したのかまで管理することはできません。
SES企業向けメール共有システムを活用する
さて、こうした課題を解決するためには、SES企業に特化したメール共有システムを使うことが最もおすすめです。こうしたメールシステムは、顧客対応に特化したヘルプデスクやカスタマーサポートで利用されているほか、店舗等での予約メールやECサイトでの発注の管理・注文受付・営業メールの共有などさまざまな場面で活用されています。メールの内容や対応状況を可視化・共有して、重複対応や対応もれを防ぐことが可能です。
問い合わせ件数が少なければ通常のメールシステムでも管理できますが、件数ややり取りが増えるとミスやトラブルの原因になります。また、複数人で問い合わせ対応を行う場合には、対応する担当者によってばらつきが生じる恐れもあります。例えばシフト制の職場の場合、対応する担当者が日々代わっていくため、そうしたリスクは発生しやすいでしょう。
また、メール共有システムにはテンプレート機能や集計機能など、便利な機能が搭載されている場合もあります。活用するツールにもよりますが、機能を有効活用することでより効率的に業務を進められます。
こうした理由から、メール共有・管理システムを活用した管理は、どのようなSES企業にもおすすめの方法です。次の章では、メール共有システムの中からおすすめのシステムをご紹介します。
SES企業向けメール共有・管理システム「メールディーラー」
一口にメール共有・管理システムといっても、最近では多くの企業が提供を行っています。今回はその中から「メールディーラー」をご紹介します。
メールディーラーとは?
メールディーラーは、株式会社ラクスが提供するメール共有・管理システムです。導入実績は8,000社以上にも上ります。
メールディーラーには、メール共有に役立つ機能が多く搭載されています。例えば、未対応・対応中・対応完了が視認できる「ステータス管理機能」や、重複対応を防止する「排他ロック機能」などです。また、Q&Aや社内チャット、コメント機能など、日々担当者が変わるような職場でも共有がしやすい仕組みもあります。
そして、業務をより素早くこなすのに役立つ、テンプレート機能やラベル機能も便利です。スマホ連携機能を使えば、外出先からでもメールを確認できるので、外回りの多い営業にピッタリです。情報共有のリアルタイム性が高まるので、認識のズレが無くなり、案内のバッティングも防げます。抜け漏れもなくなるので、機会損失も防げるでしょう。
また、誤送信対策として、承認フローや送信キャンセル、送信内容の最終チェックボックスなどがあり、添付ファイルの安全性を確保するものとして自動暗号化機能も備えられています。単なる業務効率化だけでなく、安心して運用できる設計もメールディーラーの魅力です。実際に導入を行った企業の事例でも、メール対応のスピードが向上したことで顧客満足度の向上が叶ったり、スタッフのストレス軽減にもつながったりしたとの声もあり、副次的なメリットも期待できます。
なぜ、SES企業におすすめのシステムか?
冒頭で、SES企業がメールの管理で直面する課題についてご説明しました。属人化や引き継ぎミスなどの問題がありましたが、メールディーラーを使えばこの課題は全て解決できます。
例えば、 重複返信の課題であれば、「対応中」などの対応状況を示す排他ロック機能を使って防止することができます。誰も返信していない未対応メールを管理することで、返信漏れが瞬時に判別できるようになるのです。
また、メールディーラーでは対応履歴が保存されるため、属人化によるトラブルも防ぐことができます。該当する情報を引き出す際も、アドレスなどに紐づけて検索できるので、素早い対応が可能です。アドレスをクリックすると、受信メール・送信メール・電話メモ・チャットの履歴が時系列順に表示されるので、いままでの経緯も順を追って把握することができます。引き継ぎや担当者変更があっても、対応品質を落すことなくスムーズに話を進められるはずです。
ちなみに、このように対応履歴が可視化できるようになると、教育面や業務ナレッジの面でもメリットがあります。例えば、過去に似たような対応があった場合にはその対応フローを参考にしたり、業務評価が高い社員の対応内容を学んだりすることができます。 この他にも、メールディーラーには便利な機能や多くのメリットがあります。さらに詳しい内容については、下記からチェックしてみてください。
▼さらに詳しくは
https://www.maildealer.jp/lpl/md05.html
SES企業への導入事例
メールディーラーの導入により、売上拡大と同時に従業員満足度の向上を実現したのが、ITエンジニアの派遣サービスを提供するラクスパートナーズです。
導入前の課題
SESに限らず、派遣サービスを提供する企業にとっては、クライアントからの急な要望にも迅速に対応できるかどうかが売上を大きく左右します。
ラクスパートナーズでは、メールの見落としや、返信遅れによる機会損失が発生し、課題感を持っていました。
また、営業担当者の異動時に充分な引き継ぎができていなかったため、後任者がこれまでの顧客とのやり取りを把握せず、みすみす契約を逃してしまったこともあったといいます。
さらに、社内で情報共有が十分にできておらず、担当者によって指示の内容が違うなど、派遣エンジニアに不信感を抱かせ、それが離職に至るケースもありました。
導入後の変化
メールディーラーの導入により、受信メールも送信メールも、全ての全員で閲覧・共有できるようになりました。各案件の進捗状況も全員が把握できるため、早急な対応が必要なメールは担当者以外でも代理対応が可能になり、貴重な機会を失うことを防げるようになったのです。
また、派遣エンジニアへの対応も改善されました。これまでのように一人の担当者がすべてを背負い込むのではなく、チームで情報を共有してお互いにバックアップできる体制となったため、派遣エンジニアに手厚いサポートが提供できるようになったそうです。その結果、安心して働けると従業員満足度が向上し、離職率の低下につながりました。
まとめ
今回はSES企業向けに役立つ、メール共有・管理システムをテーマにご紹介しました。SES企業が連絡管理で直面する課題にはさまざまなものがありますが、メール共有システムはそれぞれの課題を解決に導くものです。スプレッドシートにやりとりのログを残したり、メール共有機能を活用したりする方法がありましたが、運用面でのリスクを考慮するとあまりおすすめすることはできません。やはり、SES企業向けのメール共有・管理システムを活用することが、一番安心です。
今回ご紹介したメールディーラーには、メールを効率的に管理するための機能が豊富に備わっています。業務の負担を大きく軽減してくれるうえに、搭載されているさまざまな機能を駆使することで、機会損失までも防ぐことができます。
SES企業がメール共有・管理システムを使いミスやトラブルとおさらばするためには、「メールディーラー」を活用してみることをおすすめします。もし自社のメール管理にお困りでしたら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。