メールを送受信する際に必ず用いるのが「メーラー」ですが、メーラーの機能によって業務効率に大きな差が生まれます。
また、メーラーには端末にインストールして使うもの、インターネット上でどの端末からでも使えるもの、無料と有料のものがあり、それぞれに異なる長所と短所があります。
この記事では、メーラーの概要とビジネス利用でおすすめ無料のメーラーをご紹介していきます。
メーラーとは?
メーラー(mailer)とは、パソコンや携帯電話などの端末でメールを利用する際に用いるシステムのことです。
メールは、メールサーバーを介して送受信され、メーラーがデータをサーバーに出し入れする仲介をします。
郵便で例えるならば、メールサーバーが郵便局で端末はポスト、そして両者をつなぐメーラーは配達員にあたります。
メーラーは、メール送受信のほかにも、連絡先を登録して送信先に設定したり、受信メールの送信元を表示したりする「電話帳」機能も搭載していることが多いです。
メーラーの種類「メールソフト」と「Webメール」の違い
メーラーには、ソフトウェアを用いる「メールソフト」とWeb上で利用する「Webメール」があります。ここでは簡単に特徴をご紹介します。詳しくはそれぞれの関連記事を参考にしてみてください。
メールソフト
「メールソフト」はパソコンやスマートフォンなどのデバイスに、インストールして使用するソフトウェアです。
インストールしたデバイスにメールが保存されるので、一度受信したメールをオフラインでも確認が可能です。
Webメール
Webメールは、インターネット上でメールの送受信を行うシステムです。
インターネットに接続できる環境があれば、どこでもメールの確認や送受信が可能となります。
無料で使えるメーラーのメリット
コストをかけずに利用できる
メーラーは非常に多くの種類がありますが、中には無料で利用できるものもあります。無料メーラー最大のメリットは、コストをかけずに導入できる点です。
例えば、無料のメーラーの利用を開始してみたものの自社の使い方にはマッチしないといった場合でも、コストが発生しないため気軽にさまざまなメーラーを試して自分に最適なメーラーを選ぶことができます。
アップデートの頻度が高い
無料メーラーは利用者がとても多く、提供企業に対して日々多くの意見が寄せられます。
そのため、アップデートでより利用者の目線に立った改善がされやすく、使い勝手の向上がしやすいことが期待できます。
無料で使えるメーラーおすすめ5選
無料で使えるメーラーにはさまざまな種類があります。
ここでは、数あるメーラーの中でもおすすめできる無料メーラーを5つご紹介します。
Gmail
Gmailは、Google社が提供するWebメールタイプのメーラーです。
ビジネスにおける無料メーラーのトップシェアを誇り、加えてAndroidのスマートフォンに標準搭載されていることもあるため、非常に多くのユーザーが利用しています。
利用した過去のメール履歴を全てサーバー上に保存しており、いつでも検索でき、何年も前のメールも検索してすぐに閲覧できます。
また、Webメールは保存容量に制限がかかることがありますが、Gmailでは15GBという大容量を利用できるため、容量不足を感じることは少ないでしょう。
さらに、強力なフィルタリング機能があるため、大半の迷惑メールを遮断できます。
利用者が非常に多いためGmailに関する情報の量も多く、さまざまなアドバイスや便利テクニックの情報を簡単に得ることができます。
Outlook.com
Outlook.comは、Microsoft社が提供するWebメールタイプのメーラーです。
同社が従来から提供しているメールソフト「Outlook」をWebメール版にしたもので、Microsoftアカウントを持っていれば場所や端末を問わず、すぐにサインインして利用できます。
また、Outlook.comとOutlookを同期させて、パソコンに保存してあるメールをスマートフォンなどの別の端末経由で外から閲覧・編集できます。
他社のメールサービスもOutlook.comの受信トレイに置くことができ、連絡先の読み込みも可能であるため、ほかのメーラーを使っていても併用・移行が簡単にできます。
さらに、人気コミュニケーションツールであるFacebook、Twitter、Skypeを同時に利用でき、メールとチャットを並行して利用することができます。
例えば、取引先からメールで受け取った資料を見ながらSkypeで商談を行うなど、さまざまな使い方が可能となります。
Thunderbird
Thunderbirdは、「Firefox」を提供しているMozilla社が提供するソフトウェア式のメーラーです。
ユーザーインターフェースがFirefoxと似ているため、Firefoxの利用者であればすぐに使いこなすことができます。Firefoxユーザーでなくとも、分かりやすいユーザーインターフェースで比較的早く操作感覚を掴めるでしょう。
Thunderbirdでは、複数のメールアカウントを一元的に管理でき、必要に応じてアカウントを変更する手間が省けます。
また、定型文を設定できるため、毎回定型的に送信する文章を都度入力する必要もなくなります。
さらに、迷惑メールの設定も細かく指定することができるため、必要なメールだけを確実に受信することができます。
アドオンを用いた機能拡張も可能で、自分好みのメーラーにカスタマイズできる点も、おすすめできるポイントです。
Yahoo!メール
Yahoo!メールは、Yahoo!が提供するWebメールタイプのメーラーです。Yahooのアカウントがあれば誰でも利用が可能です。
高いセキュリティ性が特徴で、フィッシングメールやスパムメールをフィルタリングする迷惑メールフィルター機能など、数多くのセキュリティ対策機能が使えます。そのほかにも受信したメールを他のメールアドレスに自動転送するメール転送機能などを搭載しています。
メールボックスの保存できるデータ量は、最初は2GBですが、利用状況に応じて最大10GBまで拡張できます。
また、紹介している他のメーラーと異なり、ヘルプページが日本人用に作られているため、わかりやすいのもYahoo!メールの特徴です。
Sylpheed
Sylpheedは、直感的な操作が可能なユーザーインターフェースと軽快な動作が特徴のマルチプラットフォーム型の無料メーラーです。
ユーザーインターフェースは常に改良が加えられ続けており、細部まで快適な操作性を実現しています。特別な操作は必要なく、メールアカウントに関する設定を行うだけですぐに使用開始が可能です。
各設定項目は初めてSylpheedを扱うユーザーにも分かりやすいよう整理されているため、キーボード操作なども含めて自分好みにカスタマイズすることが比較的容易な仕様となっています。
Windows・Linux・BSD・Macなど、多数の環境で動作が可能で、受信したメールをそれぞれ1つのファイルとして保存することができるため、データのバックアップやリカバリを行いやすいというメリットがあります。
動作が重くなりがちなマルチプラットフォーム型メールソフトですが、Sylpheedならばスペックが低いPCでも軽快な動作での利用が可能です。
無料で使えるメーラーのデメリット
コストをかけずに気軽に使える無料メーラーは便利ではありますが、一方でデメリットもあります。
多くの無料メーラーは有料のメーラーよりも機能が制限されています。
ビジネスで利用する際の課題になることもあるため、無料メーラーのデメリットについて詳しく解説していきます。
セキュリティ面に不安がある
多くの無料メーラーは、有料メーラーほど厳重なセキュリティ対策がなされていません。
パスワード認証などは無料メーラーでも実装されていますが、特に法人で利用する場合は機密情報を扱うことも多いため、安全性が十分であるとはいえないでしょう。
無料メーラーには、「メールに仕込まれたウィルスの開封前確認」「メール内容を暗号化して第三者からの盗み見防止」などの機能が搭載されていない場合が多くあります。
広告が表示されることがある
無料メーラーの中には、メーラー使用中に広告を表示するものがあります。
(広告が表示されることは、利用者からお金を取らずにメーラーサービスを維持するための収入源として、ある程度は仕方がないと考えてもいいでしょう。)
しかし、ときには使用中にバナーやポップアップで多くの広告が出てきたり、広告が画面を塞いでしまったり、作業に支障をきたすることもあります。
広告が出てくるたびに作業が止まると、業務効率に大きく影響を与えてしまいます。
また、業務効率が悪化するだけでなく、メーラーを利用する社員が大きなストレスを感じるはずです。
ナレッジが蓄積されにくい
無料メーラーではメールの保存容量が少ないことから、メールの管理を一元化できないというデメリットがあります。
また、ストレージ容量の関係でメールを受信できなくなってしまうといったリスクも否定できないため、法人では「大容量のストレージを有する有料メーラーの利用」が一般的です。
複数人での対応におすすめの有料メーラー
無料メーラーは、手軽に利用できる一方でデメリットも多く抱えています。前章のデメリットを解消し、快適にメールを利用するためには、有料メーラーの利用をおすすめします。
ここでは、複数人でメール対応を行っている場合におすすめの有料メーラー「メール共有システム」について、ご紹介します。
メール共有システムは、複数人で行うメールや問い合わせへの対応を効率化するために開発されたメールシステムで、システム上で対応状況や対応担当者を管理できます。
セキュリティ体制に注力しているサービスが多いことはもちろん、メールの誤送信対策機能を搭載しているサービスが複数あります。また、全員の対応履歴が共有されるため、ナレッジの蓄積も可能です。
具体的にどういった機能を搭載しているのか、「メール共有システム」について詳しく知りたい方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
自社に最適なメーラーを選びましょう
メーラーは簡単にいえば、メールの管理・送受信を行うための作業台です。
例え”コストが掛からない”というメリットがあっても、チームのニーズにしっかりとマッチする機能を兼ね備えていないメーラーでは、業務に支障を来しプロジェクトの進行が遅れてしまうといったリスクがあります。
こうしたリスクを低減するには、無料メーラーのリスクやデメリットを理解したうえで、自社の利用方法にマッチしたものを選ぶことが重要です。
少しでも懸念や課題がある場合は、有料メーラーを導入することも検討してはいかがでしょうか?
ビジネスの場で欠かせないツールであるからこそ、自社のニーズとマッチし、使い勝手の良いメーラーを選びたいところです。
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