社内問い合わせに対応するヘルプデスクは、人員を割けないなどの理由で情報システム部やITが得意な社員が兼任している企業が多いです。担当者の負担が重くてすぐに辞めてしまうなどの課題を抱え「いっそ外注したほうが良いのでは?」と考えている企業もあるでしょう。
しかしヘルプデスクの外注には、メリットだけでなくデメリットもあります。導入を検討する際、両者を比較したうえで決めることが大切です。
そこで今回は、ヘルプデスクを外注するメリット・デメリットを解説します。またヘルプデスクの負担軽減に効果的なサービスも紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
ヘルプデスクを外注するメリット
ヘルプデスクを外注するのには、以下のようなメリットがあります。
順番に解説します。
対応サービスの品質・スピードの向上
ヘルプデスク業務を外注すると、対応品質や対応スピードの向上が期待できます。
多くの企業では、情シスの社員やITが得意な社員がヘルプデスクを兼任しています。ヘルプデスク業務の専任ではないため、人によって対応品質に差が出ることは避けられません。理由はベテラン社員が対応するのと、新人が対応するのとでは、経験も知識量も違うためです。また自身の業務と兼任していることから、急ぎでない問い合わせはつい後回しにしてしまう場合もあるでしょう。
ヘルプデスクを外注した場合、対応するのはその道のプロです。問い合わせに応じるのが仕事なので、対応品質は一定のクオリティが保たれます。また社員のようにほかの業務がなく、ヘルプデスク業務に集中できるので迅速に対応してもらえます。
人件費・運用コストの削減
ヘルプデスクを外注すると、ヘルプデスク業務を担当する人を採用する必要がなくなります。採用コストはもちろん毎月かかるはずの人件費を削減できます。
またヘルプデスクのプロに外注すれば、新しくヘルプデスク業務につくことになった社員へのレクチャーがなくなります。運用コストも削減できるのがメリットです。
コア業務に注力して取り組める
ヘルプデスクを外注すると、それまで問い合わせに対応していた社員は本来自身がやるべき仕事に注力できるようになります。
たとえば情シスであれば、自社システムの開発や設計などのほか、近年はDXを推進する役割も担っています。ヘルプデスク業務に追われ、それらのより重要度の高い業務に遅れが出ていると、将来的に大きな損失につながるかもしれません。
ITが得意というだけでヘルプデスクを兼任させられていた社員も、自身のコア業務に集中できるようになれば、仕事に対するモチベーションの向上が期待できます。
社員の業務負担が軽減
ヘルプデスク業務を兼任している社員は、日中は問い合わせへの対応に追われ、自身の仕事をする時間がないケースも少なくありません。忙しい日には本来の自身の仕事をするのはほかの社員が退社してから、といったことが続くと負担が重く、心身ともに疲弊してしまいます。場合によっては離職につながる可能性もあるでしょう。
ヘルプデスクを外注すると、担当している社員の業務負担を大きく軽減することが可能です。本来の自身の業務だけに集中できる環境が整えば、離職リスクも低減できます。
契約が解除できる
外注は、社員を雇用するのとは違い、簡単に契約を解除できるのもメリットです。
社員は法律で手厚く守られており、一度採用すると安易に契約解除はできません。ヘルプデスク要員として採用したものの、思った人材ではなかったとしても、よほどの理由がなければ雇用契約は継続する必要があります。
しかし外注であれば、こちらの要望に応える仕事ができていない場合には、契約期間が満了した時点で継続しなければ良いだけです。最初のうちは契約期間を短いサイクルにしておくと、コストをムダにすることもありません。
ヘルプデスクを外注するデメリット
ヘルプデスクを外注するのには、メリットだけではなく以下のようなデメリットもあります。
順番に解説します。
外注費用が高額になることがある
ヘルプデスクを外注すると人件費の削減になりますが、場合によってはそれを上回る外注費が発生する可能性があります。
ヘルプデスクを外注する際の費用は、業務内容と業務量によって変わります。外注費の相場をまとめてみました。
業務内容 | 業務量 | 相場 |
---|---|---|
一次対応 | 100〜1,000件 | 10万〜100万円 |
テクニカルサポート | 100〜1,000件 | 10万〜150万円 |
365日24時間対応 | 10〜100件 | 20万〜50万円 |
電話を受け、簡単な内容であれば回答してもらう、難しいものは担当部署につないでもらうといった一次対応のみを依頼するなら、比較的安価に外注できます。
一方高度な知識を要するテクニカルサポートが必要で、エンジニアに対応を依頼するような場合にはやや単価が上がります。
さらに365日24時間のヘルプデスク対応を依頼すると、外注費は高額になるケースがほとんどです。そこまでの対応が必要なのか、よく検討してから導入を決めましょう。
セキュリティ面のリスク
ヘルプデスクを外注すると、適切な対応をしてもらうために、業務に必要な情報を提供しなければなりません。高度なサポートを期待するなら、通常であれば社外秘となるような資料が含まれる場合もあるでしょう。
当然依頼時には機密情報保持の内容を含んで契約を結びますが、何が起こるかはわかりません。社内ですべて管理しているよりは、情報漏えいのリスクはわずかであっても高まります。ヘルプデスクを外注するときには、セキュリティ面でのリスクをゼロにできない点に要注意です。
品質低下の可能性がある
外注先や、外注先の担当となった人によっては、対応品質が低下する可能性もあります。基本的に外注先ではヘルプデスク対応に慣れた人材が配属されますが、そのレベルはさまざまです。自社が期待していたレベルに達していない人が担当になるケースも、十分に考えられます。外注先を選ぶときには、同じ業種での経験が豊富な企業を探すといった工夫が必要です。
また外注に依存してしまうと、社内でヘルプデスク対応のノウハウが蓄積されなくなります。いざ外注を取りやめるとなったときに、社内対応の品質が大幅に低下している場合もあります。
外注の運用に手間がかかる
ヘルプデスクを外注した場合、依頼する内容によっては、運用を軌道に乗せるまでに手間と時間がかかる可能性があります。
単に一次対応を任せる場合であればそれほど手間はかからないかもしれません。しかし、テクニカルサポートといった高度な内容を依頼するときには、担当者に業務内容を学習してもらう必要があります。
自社の社内オペレーションや独自のルールなどを把握・理解してもらうためにレクチャーする必要があり、実際に業務をこなせるようになるまでの負担が大きくなる可能性があるでしょう。
またせっかく業務を覚えてもらっても、担当者が辞めてしまえばまた一からやり直しになってしまいます。
ヘルプデスクの業務は外注するべき?
ここまで見てきたとおり、ヘルプデスクを外注するのにはメリットもあればデメリットもあります。
基本的にはヘルプデスクを外注すると、担当者の負担を大きく減らし、コア業務に集中できるようになり業務効率が上がります。その一方、外注する業務の内容によっては費用の負担が大きくなる可能性があり、費用対効果という面では疑問符がつくかもしれません。自社にとってデメリットのほうが多いと考えられる場合には、現在のオペレーションを見直して、内製化を維持することを検討するのが良いでしょう。
その際には、ヘルプデスク業務をサポートするITツールを導入するのがおすすめです。業務の一部をツールによって効率化できれば、外注に頼ることなく、コストを抑えたヘルプデスク運用を実現できるかもしれません。
問い合わせ管理システムでヘルプデスク業務を効率化!
ヘルプデスク業務にITツールを導入するなら、問い合わせ管理システムがおすすめです。問い合わせ管理システムとは、複数人での問い合わせ対応の手間を減らし、対応業務を効率化するツールのことです。問い合わせ管理システムは複数人で同じ画面を見ながら対応を行うことができ、問い合わせごとに対応状況や担当者が可視化されるため、対応漏れや遅れ、重複対応を防止できます。
また、電話・メール以外に、Webサイトの問い合わせフォーム、チャット、LINE、Facebook、Twitterなど、複数の問い合わせ窓口を一元管理できるのも便利なポイントです。チームで分担して問い合わせ対応を行うために開発されているので、担当者の負担を軽減する機能が多数搭載されています。
システムによっては、問い合わせ件数を集計できるものもあります。問い合わせ内容を集計することで、よくある質問をFAQページへ掲載できるようになり、問い合わせ件数の削減にも貢献できます。
問い合わせ管理システムについて、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
問い合わせ管理システムを導入するなら「メールディーラー」
ヘルプデスクの業務削減目的で問い合わせ管理システムを導入するなら、「メールディーラー」がおすすめです。
Point
- チームでのメール共有に特化
- レポート機能で問い合わせ内容の分析が可能
- 用途に合わせて権限や機能をカスタマイズ可能
メールディーラーとは、株式会社ラクスが提供するinfo@やsupport@等の共有メールアドレス宛に届くメールを複数人で対応することに特化した問い合わせ管理システムです。
チーム全員のメールを対応状態ごとに「新着」「返信処理中」「対応完了」のステータスに自動で振り分けてくれます。どのメールにだれが対応しているのかリアルタイムで共有できるので、対応状況がひと目でわかり、メールの見落としや返信漏れを防ぐことができます。
また、メールごとに属性情報を付与することができ、メールディーラー上のレポート機能で簡単に集計ができます。
問い合わせ内容を分類しておくと、どういった問い合わせが多いのかを分析することが可能です。分析結果をもとにFAQページを充実させるなど、問い合わせ件数を削減する施策に活用いただけます。
また、担当者の業務に応じて機能を制限したり、画面表示を変更することが可能です。そのため、新人や契約社員などさまざまな立場の人が分担して対応する場合でも安心してご利用いただけます。
ヘルプデスクを外注する前にITツールを導入してみませんか?
ヘルプデスクを外注すると、担当者の負担を大きく軽減したうえで、対応品質の向上も期待できます。その一方、ヘルプデスクの外注には、セキュリティ面のリスクやコストの増大といったデメリットが起こる可能性がある点には注意が必要です。
メリットとデメリットを比較したうえで、自社にとってはデメリットが多いと判断した場合には、問い合わせ管理システムを導入するなどITツールを活用し、社内での運用を維持しながら効率化できる方法を考えましょう。
ヘルプデスクの負担軽減で問い合わせ管理システムを導入するなら、メールディーラーがおすすめです。導入から運用まで専任担当が手厚くサポートいたしますので、ぜひご利用をご検討ください。
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